ダイソー500円猫ハウスは入らない？プロ直伝の誘導と改造テク公開

ちまたで「神コスパ」と崇められているダイソーの猫ハウスですが、あなたはもう手に入れましたか。

たった500円で猫様のお城が建つなら安いものだと、飛びつきたくなる気持ちは痛いほど分かります。

しかし、ネットの掲示板を覗けば「組み立て 方が分からず崩壊した」「うちの子は絶対に入らない」なんて阿鼻叫喚が聞こえてくるのも事実です。

そこで今回は、編集長である私が自腹を切って、この話題のペットハウスを徹底的に解剖することにしました。

ダンボール製の爪とぎハウスから、SNS映えするりんご型のフェルトハウスまで、ダイソーのラインナップは実に豊富です。

でも、ただ安いだけで選ぶと、安物買いの銭失いになりかねません。

比較対象として、同じく100均のセリアや、お値段以上のニトリの猫ベッドも引き合いに出し、耐久性や居住性をガチで検証します。

もし買ってみて猫様に見向きもされなかったとしても、絶望するのはまだ早いですよ。

簡単な手作りアレンジで極上の隠れ家に変身させる、プロ直伝の裏技もご用意しました。

ワイヤーネットを駆使して夢の3段タワーを建設したり、好みの布で補強したりと、工夫次第で化けるのがこの商品の醍醐味です。

建前抜きの本音レビューで、あなたの500円を有意義な投資に変えてみせましょう。

さて、まずは冷静に市場調査と参りましょう。今の時代、500円といえば、おしゃれなカフェのラテ一杯分です。その価格で、屋根付きの家が建つ。これ自体が、デフレ日本が産んだ奇跡と言えるかもしれません。しかし、安さの裏には必ず理由があります。

ネット掲示板やSNSでは、「ダイソーの猫ハウス、3日で潰れた」「半年使ってるけど現役」という両極端な意見が飛び交っています。この差は一体どこから来るのでしょうか。それは、「猫の性格（破壊神か、慎重派か）」と「飼い主の期待値のズレ」にあります。

獣医的な視点で見れば、猫にとって重要なのは「価格」ではなく「安心感」です。囲まれた狭い空間、自分の匂いが定着しやすい素材、敵から身を隠せる暗がり。これさえ満たしていれば、素材が最高級シルクだろうが、100均のフェルトだろうが関係ありません。

ここで、競合となる「ニトリ」や同じ100均の「セリア」と比較してみましょう。

ニトリ（Nウォームなど）
ニトリのペットベッドは、だいたい1,500円から3,000円前後の価格帯です。最大の強みは「機能性素材」。冬場なら吸湿発熱素材であるNウォームが使われており、底面のクッション性も段違いに優れています。縫製もしっかりしており、洗濯機で丸洗いできるものも多いですね。つまり、ニトリは「家具」として長く使うことを前提に作られています。

セリア（100円ショップ）
セリアにもペットグッズはありますが、基本的に「100円（税抜）」の商品がメインです。そのため、猫が入れるサイズの「ハウス」というよりは、マットや簡易的なトンネル、あるいは自分で組み立てる極小の箱といったラインナップになります。500円商品ラインを展開するダイソーとは、もはや戦っている土俵が違うと言っていいでしょう。セリアは「小物・消耗品」、ダイソーは「簡易家具」まで踏み込んでいる印象です。

ダイソー（500円ライン）
そして本題のダイソー。500円という価格は、100円ショップの中では高額ですが、ペット用品市場で見れば破格です。素材は主にフェルトやダンボール。クッション性は皆無に近いか、ペラペラです。しかし、「囲まれた空間を作る」という一点においては、数千円の商品と遜色ない機能を果たします。

私の見解としては、「愛猫が気に入るかわからない段階でのトライアル」や「ボロボロにされることを前提とした消耗品」としては、ダイソー一択です。特に、まだ好みが定まっていない子猫や、新しいベッドを買ってもすぐにおしっこをしてしまう癖のある猫ちゃんには、精神的ダメージ（飼い主の財布への）が少ないダイソー製品は救世主となり得ます。

逆に、老猫で関節が痛むためふかふかの寝床が必要な場合や、インテリアとして部屋に馴染ませたい場合は、ニトリや専門メーカー品を選ぶべきでしょう。ダイソーのハウスを買うなら、「中に敷くクッションや毛布は別途用意する（あるいは家にあるものを流用する）」という前提で考えるのが、プロの正解です。

参考リンク：ダイソーネットストア

ダイソーの猫ハウスと一口に言っても、実は時期によって様々なバリエーションが登場しては消えていきます。しかし、定番として君臨し続けている、あるいは伝説となっているモデルがいくつか存在します。ここでは代表的なラインナップを深掘りしていきましょう。

まず、SNS映え最強の「りんご型ハウス」。
これはフェルト素材で作られており、コロンとしたフォルムが特徴です。赤や緑のカラー展開があり、部屋に置くだけでポップな雰囲気になります。構造は非常にシンプルで、上下のパーツをファスナーやボタン、あるいは単にはめ込むだけで完成するタイプが多いです。猫が顔を出した瞬間の写真は、Instagramで「いいね」を量産するポテンシャルを秘めています。

次に、「テント型・ティピー型」。
支柱を通して組み立てるタイプで、キャンプのような雰囲気が出せます。これは見た目がおしゃれなのですが、構造上、猫が激しく飛び乗ると倒壊しやすいという弱点もあります。おっとりした猫ちゃん向けですね。

そして、隠れた名作「ダンボールハウス」。
爪とぎがセットになっている箱型の家です。デザインは消防車やカフェ、普通の民家など様々。これは猫の本能である「ダンボールに入りたい」欲求と「爪を研ぎたい」欲求を同時に満たすため、ハズレが最も少ないアイテムと言えます。ボロボロになったら資源ごみに出せる手軽さも魅力です。

それぞれの特徴を表にまとめてみました。

商品タイプ	主な素材	耐久性	インスタ映え	猫の食いつき	備考
りんご型・ドーム型	フェルト	中	◎	〇	冬場は暖かい。毛が付着しやすい。
テント型	布・支柱	低	〇	△	倒れやすい。軽量で移動は楽。
ダンボールハウス	ダンボール	低～中	△	◎	爪とぎ付きは最強。カスが出るのが難点。
クッションベッド型	ポリエステル	中	〇	〇	天井がないのでハウス感は薄い。

ここで一つ、現場からのリアルな情報をお伝えしましょう。フェルト製のハウスは、猫の毛が絡まりつくと掃除が地獄のように大変です。コロコロ（粘着カーペットクリーナー）を使っても、フェルトの繊維ごと毛を巻き込んでしまい、なかなか綺麗になりません。この点は覚悟が必要です。しかし、その「毛が絡む」という性質が、逆に猫にとっては「自分の匂いがしっかりつく」という安心材料になることもあります。

また、ダンボールタイプは、組み立てて床に置いた瞬間から猫が所有権を主張し始めることが多いです。おしゃれさよりも実用性を取るなら、間違いなくダンボール製をおすすめします。デザインも最近は凝っており、部屋に置いてもそこまで「ゴミ感」が出ないよう工夫されています。

ダイソーの商品を買って家に帰り、いざ組み立てようとして絶望した経験はありませんか？
「説明書が、紙切れ一枚で小さすぎる」
「図解が雑すぎて、どっちが裏か表かわからない」
これは100均あるあるですね。コストカットのしわ寄せは、親切さの部分に来るものです。

特にフェルト製のハウスやダンボールハウスは、差し込み口（タブ）をスリットに入れるだけの構造が多いのですが、これがまたよく外れるし、組み立て中に折れ曲がったりします。そこで、編集長直伝の「絶対に崩壊させない組み立て＆補強術」を伝授しましょう。

1. 差し込み口は「折り目」をしっかりつける
説明書には「差し込みます」としか書いていませんが、そのままだと反発力ですぐに抜けます。差し込む前に、タブの根元をしっかりと折り曲げてクセをつけておくことが重要です。

2. 禁断の「グルーガン」封印
同じくダイソーで売っている200円のグルーガン（ホットボンド）。これを使えば、差し込み部分を完全に固定できます。「あとで分解して収納したい」というスケベ心は捨ててください。500円のハウスをシーズンオフにしまっておくスペースがあるなら、最初からもっといいハウスを買っているはずです。ワンシーズン使い倒すつもりで、接合部はグルーガンでガッチリ接着しましょう。これだけで強度が3倍になります。

3. ダンボールハウスの底抜け防止
ダンボールハウスの場合、猫が入った状態で持ち上げると底が抜けることがあります。これは非常に危険で、猫が驚いて二度と入らなくなる原因になります。組み立て時に、底面の合わせ目をガムテープ（できれば布テープ）で裏側から補強してください。見た目は悪くなりますが、底は見えないので問題ありません。

4. 入口の「バリ」取り
安いダンボール製品は、切り口が鋭利だったり、バリ（ささくれ）が残っていたりします。猫が顔をスリスリした時に目を傷つけないよう、入口のフチを指でなぞって確認し、危なそうな部分はマスキングテープで保護するか、軽くヤスリをかけて滑らかにしておきましょう。この一手間が、愛猫への愛です。

簡単な手作り感覚で補強を行うことで、500円のハウスが「オーダーメイド級」の頑丈さに変わります。面倒くさがらずに、最初の15分を投資してください。

「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、ダイソーの猫ハウスに関して言えば、「値段相応だが、期待を超える瞬間がある」というのが正確な評価です。

耐久性について、もう少しシビアに見ていきましょう。
ニトリの「Nウォーム」ベッドは、ワンシーズン使って洗濯を繰り返しても、中綿が寄ることはあっても破れることは稀です。布地自体が厚く、縫製も工業製品として一定の基準を満たしています。対してダイソーの500円ハウス、特にフェルト製のものは、半年も使うと全体的に「くたびれ感」が出てきます。猫が乗っかることで天井が凹み、その凹みが戻らなくなったり、毛羽立ちが目立ってきたりします。

しかし、ここで重要なのは「衛生面」です。
猫のベッドは、ノミ・ダニの温床になりやすく、また吐き戻しやおしっこのリスクとも隣り合わせです。数千円するベッドだと「洗ってなんとか使い続けたい」と思ってしまいますが、500円なら「汚れたら即廃棄、新品に交換」という決断が秒速で下せます。この「常に新品同様の清潔さを保てる（買い替えによる）」というサイクルこそが、ダイソー製品最大の耐久性戦略とも言えるのです。

セリアの商品に関しては、前述の通り「ハウス」としての比較対象にはなりにくいですが、「拡張パーツ」としては優秀です。セリアで売っているクッションやマットをダイソーのハウスの中に敷くことで、居住性を高めることができます。100均同士のコラボレーションですね。

【知恵袋風Q&A：ダイソー猫ハウスの裏事情】

ここからは、ネットの掲示板や知恵袋によくある「建前抜きの質問」に、私が独断と偏見、そして経験を交えて回答します。

そのまま使っても良いですが、せっかく安いのですから、DIYの素材として遊び倒すのが通の楽しみ方です。「失敗しても500円」という心の余裕が、あなたの創造性を解き放ちます。

1. 窓を増設して通気性アップ
フェルト製やダンボール製のハウスは、夏場は熱がこもりやすいです。そこで、カッターナイフで側面や背面に「窓」をくり抜いてしまいましょう。丸く切るもよし、魚の形に切るもよし。切り口はテープで補強すればOKです。これで通気性が良くなり、猫じゃらしを外から突っ込んで遊ぶ「モグラ叩き」的なプレイも可能になります。

2. リメイクシートで高級感演出
ダイソーには多種多様な「リメイクシート（壁紙シール）」が売っています。これをダンボールハウスの外側に貼るだけで、一気に「大理石風」や「木目調」の高級ログハウスに生まれ変わります。インテリアの雰囲気を壊したくない人におすすめの改造です。

3. Tシャツテントへの転生
もしハウスの骨組み（ワイヤーなど）だけが生き残って、カバーがボロボロになった場合、着なくなった大きめのTシャツを被せることで「Tシャツテント」として再生できます。首元の穴が入り口になります。飼い主の匂いがついたTシャツなら、猫の安心感もMAXです。

これが最大の悩みでしょう。「買ったのに入らない」。
猫という生き物は、飼い主が「入ってほしい」と願うものほど入りません。これは「強要されたくない」という彼らの高いプライドと、警戒心によるものです。しかし、諦めるのはまだ早い。猫の心理をハッキングして、ハウスへ誘導するテクニックがあります。

まず、「置き場所」です。
部屋のど真ん中にポツンと置いていませんか？ それは猫にとって「敵から狙われやすい危険地帯」です。猫ハウスは、部屋の隅、壁際、あるいはソファの横など、「背後が守られている場所」に設置してください。また、猫は高いところが好きなので、可能ならキャットタワーの途中や、棚の上など、少し高い位置に置くと入居率が跳ね上がります。

次に、「匂い」です。
前述の通り、新品の匂いは警戒対象です。普段使っている毛布やタオルを中に敷き詰め、飼い主のパジャマを上から被せて数日放置してください。「ここは知っている場所だ」と認識させるのです。

そして、「マタタビのドーピング」です。
これは最終手段ですが、ハウスの中にマタタビの粉を少量振りかけるか、マタタビを塗り込んだ爪とぎを入れます。これで強制的に「ハッピーな場所」として脳に刷り込みます。ただし、興奮しすぎてハウスを破壊する可能性もあるので、諸刃の剣です。

入らない理由と対策を表にまとめました。

原因	猫の心理	対策
匂いが嫌	「変な化学臭がする、危険だ」	天日干し、普段使いの毛布を入れる。
場所が悪い	「ここは敵に見つかる、落ち着かない」	壁際や高い場所に移動する。
季節外れ	「暑い/寒い」	夏は通気性の良い場所、冬は日向へ。素材を見直す。
飼い主が必死	「なんか罠っぽい…」	無視する。存在を忘れたフリをする。

参考リンク：猫のストレス行動と環境エンリッチメントについて（環境省資料などにも言及あり）

ここからは上級者向けの「魔改造」です。ダイソーのハウス単体では満足できないあなたへ。同じくダイソーで売っている「ワイヤーネット（メッシュパネル）」と「結束バンド」を使って、猫ハウスを組み込んだ巨大キャットマンションを建設しましょう。

ワイヤーネットを結束バンドでサイコロ状に組み立てていき、2段、3段と積み上げていきます。その中の1フロアに、500円の猫ハウスをすっぽりと入れてしまうのです。

これにより、以下のメリットが生まれます。

1. 高さが出る：猫は高い場所にあるハウスを好みます。
2. 強度が上がる：ワイヤーネットが外郭となるため、ハウス自体が潰れません。
3. 複合施設化：1階はトイレ、2階はハウス、3階は展望台といった具合に、機能を分けることができます。

材料費は、ワイヤーネット10枚～15枚と結束バンド、ハウス代を含めても2,000円～3,000円程度。市販の3段ケージを買えば1万円～2万円はしますから、圧倒的なコストパフォーマンスです。

注意点：
ワイヤーネットでDIYする際は、結束バンドの切り口で猫が怪我をしないよう、短く切ってヤスリをかけるか、切り口を外側に向けてテープで保護してください。また、強度が不足すると倒壊の危険があるため、適宜「突っ張り棒」などを併用して天井と固定することをおすすめします。特に3段以上の高さにする場合は、地震対策も必須です。

さて、ここまでダイソーの500円猫ハウスについて、骨の髄までしゃぶり尽くす勢いで解説してきました。

結論として、この商品は「完璧な家」ではありません。
作りは荒いし、素材はチープだし、猫が入らないリスクもあります。しかし、それを補って余りある「ワクワク感」と「カスタマイズの余地」がここにはあります。

500円で買ったハウスに、愛猫が入ってくれた時のあのガッツポーズ。
入らなくて、「やっぱりね」と苦笑いしながらカッターで改造する日曜の午後。
ボロボロになるまで使い倒して、「よく遊んだね」とゴミ袋に入れる時の少しの寂しさ。

これら全ての体験込みで、500円なのです。
もし数万円の高級ベッドを買って無視されたら、私たちは笑っていられません。でもダイソーなら笑えます。その心の余裕こそが、猫との暮らしには何より大切なのかもしれません。

浮いたお金で、今日はちょっといいプレミアムな「ちゅ～る」や、フリーズドライのささみを買って帰りましょう。結局のところ、猫にとって一番の幸せは、立派な家ではなく、ご機嫌な飼い主と美味しいおやつなのですから。

さあ、小銭入れを持って、ダイソーのペットコーナーへ冒険に出かけませんか？
もしかしたら、そこにはあなたの猫ちゃんにとっての「終の棲家」となる、運命の出会い（ダンボール）が待っているかもしれませんよ。