猫と犬どっちが汚い？家が汚れる原因と衛生対策を徹底比較

「猫と犬どっちが汚い」この普遍的な疑問は、これからペットを迎えたい人、すでに飼っている人、そして動物が少し苦手な人にとっても、大きな関心事ではないでしょうか。

犬を飼うと家が汚れると聞くけれど本当なのか、猫のいる家は独特の臭いがして行きたくないと思われているかもしれない、そんな不安を感じたことはありませんか。

ペットのいる家は、どうしても不衛生というイメージがつきまといます。

特に、可愛いペットと⼀緒に寝ることは飼い主にとって至福のひとときですが、衛生面は本当に大丈夫なのか気になりますよね。

この記事では、そんなあなたの悩みに終止符を打つべく、科学的な視点から「猫と犬どっちが汚い」のかを徹底的に比較検証します。

抜け毛や唾液の細菌、トイレの衛生管理、そして多くの人が気にする猫と犬どっちが臭いかという問題まで、5つの具体的なポイントで明らかにしていきます。

さらに、比較は衛生面だけにとどまりません。

猫と犬どっちがお金かかるのか、最終的に猫と犬どっちが飼いやすいのか、人気の理由まで深掘りし、あなたが「飼うんじゃなかった」と後悔しないための全ての情報をお届けします。

この記事を読み終える頃には、ペットとの暮らしをより清潔で快適にするための具体的な方法がわかり、漠然とした不安は確信に変わっているはずです。

「猫と犬どっちが汚いんだろう？」ふと、そんな疑問が頭をよぎったことはありませんか。これから新しい家族を迎えようと考えているあなた、あるいは既にかわいい相棒と暮らしているあなたも、一度は考えたことがあるテーマかもしれません。ペットのいる家は温かい愛情に満ちていますが、その一方で、どうしても衛生面での不安がつきまといます。実を言うと、私も30年以上この仕事をしてきて、お客様から「高橋さん、正直なところ、犬と猫、どっちが家を汚しますかね？」と、声を潜めるように聞かれたことは一度や二度ではありません。あれは湿気の多い夏の日のこと、訪問したお宅の玄関を開けた瞬間に、もわっとした独特の獣臭とアンモニア臭が鼻をつき、思わず息を止めてしまった苦い経験もあります。ペットとの暮らしは素晴らしい。しかし、その裏側にあるリアルな問題から目を背けるわけにはいかないのです。この記事では、長年の経験と科学的な知見を基に、この根深い問題に真正面から切り込んでいきたいと思います。

専門家の意見によると、犬と猫でどっちが汚いかは、猫の方が犬よりも若干清潔といえそうです。

さて、いきなり核心に迫りましょう。猫と犬どっちが汚いか、という問いに対する私の答えは、「汚れの種類と原因が全く異なるため、一概にどちらが汚いとは断定できない」というものです。なんだ、はぐらかしているのか、と思われましたか？いえいえ、これは30年間、数え切れないほどのペットと飼い主さんたちと向き合ってきたからこそ言える、偽らざる真実なのです。

猫は、ご存知の通り非常にきれい好きな動物です。起きている時間の30%から50%を毛づくろいに費やすというデータもあるほどで、彼らは自身の体を清潔に保つことにかけてはプロフェッショナルと言えるでしょう。ザラザラした舌で全身を舐め、まるで櫛のように毛並みを整え、汚れや抜け毛を取り除きます。この習性のおかげで、猫自身の体は比較的清潔に保たれやすいのです。

一方、犬はどうでしょうか。彼らは好奇心旺盛で、外の世界が大好きです。散歩に行けば、土の上を駆け回り、草むらに顔を突っ込み、時には泥水の中で嬉々として遊ぶこともあります。彼らの体には、そうした外部環境からの汚れが付着しやすいのです。さらに、犬は人とのコミュニケーションを喜びとし、愛情表現として人の顔や手を舐めることが頻繁にあります。つまり、犬がもたらす「汚れ」は、外から持ち込まれる物理的な汚れや、人との密接な接触による衛生的なリスクが中心になると考えられます。

要するに、猫は自分自身を清潔に保つ反面、トイレの臭いや細かく舞う毛が問題になりやすく、犬は体自体が汚れやすいものの、その汚れは飼い主のケア次第で大きくコントロールできる、ということです。ペットのいる家が不衛生になるかどうかは、動物の種類だけでなく、飼い主の知識と努力に大きく左右される、ということをまず念頭に置いていただければと思います。

「うちの子、毎晩一緒に寝るのが日課なんです」と、目を細めて語る飼い主さんは少なくありません。愛するペットと肌を寄せ合って眠る時間は、何物にも代えがたい幸福なひとときでしょう。しかし、その無防備な瞬間に潜むリスクについて、私たちはもっと知るべきかもしれません。特に問題となるのが、彼らの口内に存在する細菌です。

ここで衝撃的な事実をお伝えしなければなりません。犬や猫の口内には、人間の口内とは比較にならないほど多くの細菌が生息しているのです。その数、実に数億から数百億個とも言われています。中でも特に注意が必要なのが「パスツレラ菌」です。この菌は、犬の約75%、猫のほぼ100%が常在菌として保有しており、人が噛まれたり引っ掻かれたりすることで感染し、皮膚の化膿や、重篤な場合には敗血症や髄膜炎を引き起こす可能性すらあります。

では、猫と犬どっちが汚いか、口内細菌という観点ではどうでしょう。一般的に、獲物を丸呑みに近い形で食べる犬に比べ、肉を引き裂いて食べる猫の方が歯周病になりやすく、口内環境は悪化しやすい傾向にある、と考える専門家もいます。しかし、実のところ、個体差や日々のオーラルケアの状況による影響が非常に大きく、一概にどちらが危険とまでは言えません。

忘れもしない、10年ほど前の出来事です。ある日、私の右頬に赤い発疹がポツポツとでき、猛烈な痒みに襲われました。皮膚科を受診したところ、診断は「細菌性の皮膚炎」。原因に全く心当たりがなかったのですが、医師から「ペットを飼っていますか？」と聞かれ、ハッとしたのです。当時飼っていたビーグルの「マロン」が、毎朝私の顔をぺろぺろと舐めて起こすのが日課でした。どうやら、彼の愛情表現が、私の弱っていた皮膚のバリアを突破してしまったようなのです。幸い、処方された抗生物質ですぐに治りましたが、それ以来、いくら可愛くても顔を舐めさせることだけは厳しくやめさせました。これは、私自身の失敗談から得た教訓です。一緒に寝るという行為は、単なる癒やしではなく、異なる種の生物がテリトリーを共有するということ。そこには、目に見えないリスク管理が不可欠なのです。

「犬を飼うと家が汚れる」。これは、まるでことわざのように古くから言い伝えられている言葉です。そして、その最大の原因とされているのが、そう、抜け毛です。黒い服を着て犬を抱っこしようものなら、あっという間に毛だらけに。掃除機をかけたそばから、ふわふわと毛が舞い落ちてくる。そんな光景に、ため息をついた経験のある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

では、猫と比べて犬の抜け毛は本当に多いのでしょうか。これもまた、犬種と猫種によって全く事情が異なります。例えば、犬には被毛が二層構造になっている「ダブルコート」の犬種と、一層のみの「シングルコート」の犬種がいます。シベリアン・ハスキーや柴犬、ゴールデン・レトリバーといったダブルコートの犬種は、季節の変わり目に「換毛期」を迎え、ごっそりとアンダーコートが抜け落ちます。その量は凄まじく、冗談ではなく毛でセーターが編めるほどです。対して、プードルやマルチーズなどのシングルコートの犬種は、換毛期がなく、抜け毛が非常に少ないことで知られています。

一方、猫もほとんどがダブルコートであり、特に長毛種の猫はかなりの量の毛が抜けます。しかし、猫の毛は犬の毛に比べて細く、軽い傾向があるため、空気中に舞いやすく、部屋の隅や家具の下に綿埃のように溜まりやすいという特徴があります。つまり、犬の抜け毛は「量」で存在感を示し、猫の抜け毛は「質」で拡散力を見せる、と言えるかもしれません。

私が以前コンサルティングを担当した鈴木さんというご家庭は、共働きで多忙なご夫婦でした。彼らが最初に迎えたのは、抜け毛が少ないと言われるトイプードル。ところが、数年後に迎えたアメリカンショートヘアの「ソラ」ちゃんが来てから、状況は一変します。「高橋さん、助けてください。朝、コーヒーを淹れると、カップの中に必ず猫の毛が浮かんでいるんです…」。奥様の悲痛な声が今も耳に残っています。犬の抜け毛は床に落ちるので掃除機で対応できていたのに、猫の毛はありとあらゆる場所に付着し、空気中を漂う。この見えない敵との戦いに、彼女はすっかり疲弊してしまっていたのです。この一件から、抜け毛対策は、単に掃除の頻度を上げるだけでなく、空気清浄機の導入や、ペットの毛が付着しにくい家具の選定といった、環境全体の見直しが必要不可欠だと痛感させられました。犬を飼うと家が汚れる、というのは半分正しく、半分は誤解です。正しくは、「抜け毛の多い犬種や猫を、対策なしに飼うと家は確実に汚れる」なのです。

ペットとの暮らしにおいて、避けては通れないのが排泄物の問題です。トイレのしつけや管理は、飼い主にとって最も神経を使う部分の一つであり、ここがうまくいかないと「飼うんじゃなかった」という後悔に直結しかねません。さて、このトイレ問題、猫と犬ではどちらが衛生管理をしやすいのでしょうか。

多くの方は、猫の方がトイレのしつけが楽、というイメージをお持ちかもしれません。その通り、猫は非常に賢く、きれい好きな動物です。習性として、決まった場所で砂を掘って排泄し、その後、丁寧に砂をかけて隠すという行動をとります。そのため、ほとんどの猫は、家に迎えたその日から、用意された猫用トイレをすんなりと使ってくれることが多いのです。最近では、システムトイレと呼ばれる、尿をシートに吸収させ、固形の便だけを取り除くタイプのものが主流で、こまめに掃除をすれば、臭いをかなり抑制できます。猫のいる家が清潔に保たれている場合、その秘訣は高性能な猫砂とトイレにある、と言っても過言ではないでしょう。

対して、犬、特に室内犬のトイレ管理は、少し勝手が違います。犬は元来、寝床から離れた場所で排泄する習性があるため、家全体がテリトリーである室内でのトイレトレーニングには根気が必要です。ペットシーツの上に排泄するよう教えるのが一般的ですが、時には失敗してしまうこともあります。また、オス犬の場合は、足を上げてマーキングする習性があるため、壁や家具に尿がかかってしまうという悩みを抱えるご家庭も少なくありません。

ただし、ここで犬の名誉のために言っておきたいことがあります。犬は飼い主とのコミュニケーション能力が非常に高いため、トレーニング次第で排泄のタイミングをコントロールしやすい、という大きな利点があるのです。例えば、「散歩の時だけ排泄する」ようにしつけることができれば、家の中での排泄はゼロになります。これは、猫にはほぼ不可能な芸当です。要するに、猫は「猫自身の習性」に頼って衛生を保つのに対し、犬は「飼い主との共同作業」によって衛生環境を作り上げていく、という違いがあるのです。どちらが優れているという話ではなく、アプローチが根本的に異なるというわけですね。

「ペットのいる家」と聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが「臭い」の問題ではないでしょうか。どんなに可愛くても、どんなにきれいに掃除していても、動物特有の体臭は、なかなか完全には消せません。この臭いが原因で、来客をためらったり、「行きたくない」と思われたりするのは、飼い主として非常に辛いことです。では、猫と犬どっちが臭いのか、このデリケートな問題に迫ってみましょう。

結論から言うと、一般的には犬の方が猫よりも体臭が強い傾向にあります。これには、彼らの体の構造が大きく関係しています。犬の皮膚には、アポクリン腺という汗腺が全身に分布しており、ここから分泌される汗や皮脂が酸化したり、細菌によって分解されたりすることで、いわゆる「犬臭さ」が発生します。特に、皮脂の分泌が多いとされるシーズーや、皮膚がたるんでいるフレンチブルドッグなどの犬種は、臭いが強くなりやすいと言われています。

一方、猫の体には、このアポクリン腺が肉球などのごく一部にしか存在しません。そのため、猫自身の体から発せられる臭いは、犬に比べて非常に少ないのです。加えて、前述した通り、猫は頻繁に毛づくろいをして唾液で体をコーティングします。この唾液には殺菌作用があるとも言われ、臭いの原因となる細菌の繁殖を抑える効果も期待できるのです。

しかし、だからといって猫のいる家が無臭かというと、そんなことはありません。猫特有の臭いの元凶は、体臭ではなく、むしろ「尿」にあります。猫の尿には、「フェリニン」という特殊なアミノ酸が含まれており、これが分解されることで、ツンと鼻をつく強烈なアンモニア臭を発生させるのです。特に、去勢していないオス猫の尿の臭いは強烈で、一度壁やカーペットに染み付いてしまうと、プロの清掃業者でも完全に取り除くのは至難の業です。

つまり、臭いの発生源が異なるのです。犬は「体そのもの」から臭いが発生しやすく、猫は「排泄物」が強烈な臭いの元になりやすい。猫と犬どっちが臭いかという問いは、どちらの臭いがより気になるか、という個人の感覚にも左右される問題だと言えるでしょう。

ここまで、様々な角度から猫と犬の「汚れ」について比較してきました。口内細菌、抜け毛、トイレ、体臭。それぞれに一長一短があり、結局のところ「猫と犬どっちが汚い」という問いに、単純な答えはないということがお分かりいただけたかと思います。しかし、がっかりする必要はありません。問題の原因がわかれば、必ず対策を立てることができます。ここからは、30年の経験で培った、ペットと清潔に暮らすための具体的な衛生対策について、余すところなくお伝えしていきましょう。この章を読み終える頃には、あなたの家の衛生レベルは劇的に向上しているはずです。

ペットとの暮らしで最も重要なのは、日々の地道な掃除です。これを怠ると、あっという間に家は汚れ、臭いが充満し、「こんなはずじゃなかった…飼うんじゃなかった」という最悪の後悔につながりかねません。しかし、毎日完璧に掃除するのは現実的ではありませんよね。そこで私が提唱しているのが、「ポイントを絞った効率的な掃除術」です。

まず、抜け毛対策の三種の神器は「粘着カーペットクリーナー」「ゴム手袋」「高性能な掃除機」です。フローリングに落ちた毛は掃除機で吸えますが、カーペットやソファに絡みついた毛は、粘着クリーナーでは取りきれません。そんな時、水で濡らしたゴム手袋で布製品の表面を撫でてみてください。驚くほど毛が集まってきます。これは、静電気とゴムの摩擦を利用した裏技で、私が新人の頃に先輩から教わった、今でも現役のテクニックです。

次に、臭い対策です。ペットの尿や唾液などのタンパク質系の汚れは、市販の消臭スプレーをかけただけでは根本的な解決になりません。臭いの元となる菌を分解する必要があるのです。私が長年愛用しているのは、「クエン酸水」と「セスキ炭酸ソーダ水」です。アルカリ性のアンモニア臭（尿の臭い）には酸性のクエン酸水が、酸性の皮脂汚れ（体臭の元）にはアルカリ性のセスキ炭酸ソーダ水が効果的です。粗相をしてしまった場所にクエン酸水をスプレーし、乾いた布で拭き取る。ペットベッドやマットの洗浄にはセスキ炭酸ソーダ水を活用する。このように、汚れの性質を見極めて洗剤を使い分けるだけで、消臭効果は格段に上がります。

そして何より大切なのは、「汚れる前に防ぐ」という発想です。例えば、犬の散歩の後は、玄関に濡れタオルと乾いたタオルを用意しておき、家に入る前に必ず足を拭く。猫のトイレの周りには、砂が飛び散っても掃除しやすいようにマットを敷く。こうした小さな習慣の積み重ねが、結果的に大きな差を生むのです。ペットを飼うということは、新しい家族が増えると同時に、新しい家事のルーティンを作り上げることでもある、と心得てください。

親しい友人を家に招きたい、家族に孫の顔を見せにきてもらいたい。そんな時、心のどこかで「うち、ペットの臭いがしないかな…」「汚いと思われたらどうしよう」と不安に思うことはありませんか。悲しいことに、ペットを飼っていない人にとって、動物の臭いや抜け毛は想像以上に気になるものです。訪問者に「猫のいる家はちょっと…」「行きたくないな」と陰で思われないために、私がクライアントに必ずお渡ししている「来客前最終チェックリスト」を特別に公開しましょう。

【玄関エリア】

• 第一印象が全てです。靴はすべて下駄箱にしまい、たたきを水拭きする。
• 消臭効果のあるウェルカムフレグランスを置く（香りが強すぎないものを選ぶ）。
• お客様用のスリッパは清潔なものを用意しているか。

【リビングエリア】

• ソファやクッションに粘着クリーナーをかけ、抜け毛を徹底的に除去する。
• 床に落ちているペットのおもちゃやグッズは、一旦すべて片付ける。
• お客様が座る場所から、ペットのトイレが直接見えないように配置を工夫する。ブラインドやパーテーションの活用も有効です。

【空気・臭い】

• 来客の最低1時間前から、窓を全開にして部屋の空気を完全に入れ替える。
• 空気清浄機を「強」モードで稼働させる。
• 布製品（カーテン、ソファ、カーペット）に、布用の消臭除菌スプレーを吹きかけておく。

【ペット自身】

• 来客前にブラッシングをして、抜け毛を減らしておく。
• 犬の場合は、可能であればシャンプーをしておくか、せめて体を固く絞った濡れタオルで拭いてあげる。
• お客様が動物が苦手な可能性も考慮し、すぐにケージや別の部屋に移動させられる準備をしておく。

このリストを一つずつ潰していくだけで、お客様を迎える側の安心感は全く違ってきます。大切なのは、飼い主である自分たちの鼻が臭いに慣れてしまっている、という事実を自覚することです。お客様の視点に立って、客観的に自分の家を見直す。その一手間が、良好な人間関係を保ち、ペットとの暮らしをより豊かなものにしてくれるのです。

ペットとの暮らしは、愛情だけでなく、当然ながらお金もかかります。特に、家を清潔に保つための衛生用品は、継続的に発生するランニングコストです。猫と犬どっちがお金かかるのか、この問題を衛生用品という切り口で試算してみましょう。

【取得方法】
2024年現在の主要なオンラインストアやペットショップの価格を参考に、一般的な室内飼育（猫1匹、小型犬1匹）を想定し、年間の消耗品コストを算出します。

1. 猫の場合（システムトイレ使用）

• 猫砂（専用チップ）: 4リットルで約1,000円。1ヶ月に1袋使用と仮定。
  • 計算式: 1,000円 × 12ヶ月 = 12,000円
• 消臭・抗菌シート: 1週間交換タイプ、20枚入りで約1,500円。年間で約26パック必要。
  • 計算式: (1,500円 ÷ 20枚) × 52週 = 3,900円
• その他（消臭スプレー、ウェットティッシュなど）: 年間 約5,000円
  • 結果（猫）: 年間合計 約20,900円

2. 犬の場合（室内トイレ）

• ペットシーツ（レギュラーサイズ）: 200枚入りで約2,500円。1日に4枚交換すると仮定。年間で約8パック必要。
  • 計算式: (2,500円 ÷ 200枚) × 4枚 × 365日 = 18,250円
• シャンプー・ケア用品: 2ヶ月に1回のトリミングサロン利用（シャンプーコース）で1回約4,000円。自宅でのシャンプー代も含める。
  • 計算式: 4,000円 × 6回 + 自宅ケア用品 3,000円 = 27,000円
• その他（消臭スプレー、散歩後の足拭きシートなど）: 年間 約8,000円
  • 結果（犬）: 年間合計 約53,250円

あくまで一例ですが、この試算では、犬の方が猫に比べて年間で3万円以上、衛生管理にお金がかかるという結果になりました。特に、定期的なシャンプーやトリミングの費用が大きな割合を占めます。もちろん、猫も長毛種であればブラッシングスプレーやサロン代がかかりますし、犬も自宅でシャンプーを済ませれば費用を抑えることができます。しかし、総じて、体を清潔に保つための外部サービスやケア用品が必要になりがちな犬の方が、衛生コストは高くなる傾向にある、と言えるでしょう。猫と犬どっちがお金かかるかを考える上で、これは一つの重要な判断材料になるはずです。

さて、ここまで様々な比較と対策についてお話してきました。結局のところ、あなたにとって最高のパートナーは犬なのでしょうか、それとも猫なのでしょうか。猫と犬どっちが人気か、という問いもよく聞かれますが、人気があるからといって、あなたにとって飼いやすいとは限りません。最後に、あなたのライフスタイルに合わせた、究極のパートナー診断をしてみましょう。

【A】が一つでも当てはまるあなたは…「猫」との暮らしが向いているかもしれません

• A-1. 一人暮らしで、日中家を空けることが多い。
  猫は単独行動を好み、犬ほど分離不安になりにくい動物です。一人の時間も気ままに過ごせるため、留守番が多いご家庭でも比較的安心して飼うことができます。
• A-2. インドア派で、休日は家でゆっくり過ごしたい。
  猫は散歩の必要がなく、室内だけで生涯を完結できます。悪天候の日でも、無理に外に出る必要がないのは大きなメリットでしょう。
• A-3. 集合住宅に住んでおり、鳴き声など近隣への配慮が特に必要。
  犬の無駄吠えに比べ、猫が大きな声で鳴き続けることは稀です。もちろん個体差はありますが、騒音トラブルのリスクは低いと考えられます。

【B】が一つでも当てはまるあなたは…「犬」との暮らしが向いているかもしれません

• B-1. アウトドアが好きで、ペットと一緒にアクティビティを楽しみたい。
  犬は飼い主と一緒に出かけることを何よりも喜びます。ドッグランやハイキング、キャンプなど、犬とならではの楽しみ方が無限に広がっています。
• B-2. 家族（特に子供）がいて、皆でペットの世話を分担できる。
  毎日の散歩や頻繁なコミュニケーションが必要な犬の世話は、家族全員で協力することで、負担を分散し、絆を深めるきっかけにもなります。
• B–3. しつけやトレーニングを通して、ペットとの深い絆を築きたい。
  犬は非常に従順で、訓練性能が高い動物です。「おすわり」や「まて」といったコマンドを覚えさせ、共に成長していく過程は、犬を飼う大きな喜びの一つです。

もちろん、これはあくまで大まかな傾向です。おとなしい犬もいれば、活発な猫もいます。最終的に、猫と犬どっちが飼いやすいかと問われれば、それは「あなたがどれだけその動物の習性を理解し、愛情と時間を注ぐ準備ができているか」という問いに他なりません。どちらの動物も、10年以上にわたってあなたの人生に寄り添う、かけがえのない家族になるのですから。

「猫と犬どっちが汚いか」という、少し不躾な問いから始まった長い旅も、いよいよ終着点です。私たちは、科学的な視点と、私の30年間のささやかな経験を通して、この問題の奥深さを探ってきました。結論として、どちらか一方が一方的に汚いということはなく、それぞれが異なる種類の「汚れ」の要因を持っていることが分かりました。そして、それらの問題はすべて、飼い主の正しい知識と日々の努力によってコントロールできる、という希望も見えてきたはずです。

ペットのいる家は、確かに何もない空間に比べれば汚れるかもしれません。しかし、そこに満ちる温かさ、笑い声、そして無条件の愛情は、多少の抜け毛や臭いを補って余りある、何にも代えがたい宝物なのです。

これからあなたが新しい家族を迎え入れるのであれば、どうか、その子の特性を深く理解し、生涯にわたって清潔で快適な環境を提供することを約束してあげてください。すでにパートナーがいるあなたは、今日の記事を参考に、一つでも新しい衛生対策を試してみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、あなたと愛するペットとの暮らしを、より一層輝かせてくれるに違いありません。この問題は、優劣を決めるためのものではなく、私たちがより良い共生の方法を学ぶための、素晴らしいきっかけなのだと、私は信じています。