愛らしい子猫との新しい生活、幸せな時間のはずが、夜になると状況は一変しませんか。
突然スイッチが入ったかのように、子猫が狂ったように走り回る姿を見て、最初は微笑ましく思えたかもしれません。
しかし、毎晩のように続く激しい運動会に、正直「うざい」と感じてしまったり、寝不足でイライラしてしまう自分に自己嫌悪を抱いたりしている方も多いのではないでしょうか。
特に3ヶ月の子猫はエネルギーの塊で、その勢いは想像以上で「この大暴れはいつまで続くの」と、終わりが見えない不安を感じますよね。
ケージに入れてもガシャガシャと暴れる音で、全く落ち着いて眠れない夜を過ごしているかもしれません。
でも、安心してください!子猫が暴れるのにはちゃんとした理由があり、それは成長過程で見られるごく自然な行動なのです。
この記事では、なぜ子猫が夜に暴れるのか、その行動がいつまで続くのかという疑問にお答えします。
さらに、科学的な根拠に基づいた、今日からすぐに実践できる子猫を落ち着かせる具体的な方法や、効果的な静かにさせる方法を詳しく解説していきます。
もうイライラしない、子猫との穏やかで楽しい毎日を取り戻しましょう。
記事の要約とポイント
- 子猫が狂ったように走り回るのは病気じゃない!成長に必要な3つの理由
- 「いつまで続くの?」に答えます!子猫の夜の運動会が落ち着く時期の目安
- 夜、ケージで暴れる子猫を今すぐ落ち着かせる効果的な静かにさせる方法
- もうイライラしない!うざいと感じる前に試したいエネルギー発散のコツ
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夜の静寂を切り裂く、ドタタタッ!という小さな足音。それに続くガシャーン!という何かを倒したような破壊音。暗闇の中、あなたの足元を弾丸のようなスピードで駆け抜けていく小さな影……。愛らしいはずの子猫との生活が、夜ごと繰り返される「大運動会」によって、いつしか寝不足とストレスの元凶になっていませんか。私も今から30年以上も前、初めて家族に迎えたアメリカンショートヘアの「レオ」がまさにそうで、その狂ったように走り回る姿に「この子はどこかおかしいんじゃないか?」と本気で悩んだ夜を今でも鮮明に思い出します。多くの飼い主さんが「うちの子だけなの?」「この行動はいつまで続くの?」と不安に感じ、時にはその激しさから「うざい」とさえ思ってしまう自分に罪悪感を抱いているかもしれません。しかし、どうか安心してください。その行動は、決して異常ではありません。それは子猫が健やかに成長している何よりの証であり、彼らなりの切実な理由があってのことなのです。この記事では、私が長年、専門家として、そして一人の猫好きとして見つめてきた子猫たちの行動の裏にある真実を、一つひとつ丁寧に解き明かしていきたいと思います。
子猫が狂ったように走り回る理由3選
子猫
暴れる
理由
狂ったように走り回る
3ヶ月の子猫
子猫が狂ったように走り回るのはなぜ?有り余るエネルギーの発散や狩りの練習など、実は成長に必要な行動です。特に生後3ヶ月の子猫に多く見られます。子猫が暴れる理由を3つの視点から詳しく解説。この行動がいつまで続くのか、その目安もわかります。
- 有り余るエネルギーを発散したい本能
- 狩りの練習!成猫になるための大切な準備期間
- 飼い主にかまってほしいサインで暴れることも
- 特に3ヶ月の子猫が激しく暴れるのは元気な証拠
有り余るエネルギーを発散したい本能
動物病院の解説によると、子猫が暴れるのは必ずしも楽しいとは限らず、分離不安の場合もあるようです。
あなたの家の小さな家族、特に生後3ヶ月の子猫は、まるで小さな体にF1マシンのエンジンを搭載しているかのようです。一日中、天使のような顔でスヤスヤと眠っているかと思えば、次の瞬間、まるでスイッチが入ったかのように部屋の端から端までをロケットのような勢いで駆け抜ける。その姿に驚き、呆れ、そして少しばかりの疲労を感じているのではないでしょうか。実のところ、これは子猫が持つ「本能」そのものなのです。
私が以前、ボランティアで一時的に預かっていたキジトラの「チビ」は、その典型でした。平日の日中、私が仕事で家を空けている間、彼はケージの中で静かに過ごし、エネルギーという名の燃料を満タンに溜め込んでいたのでしょう。私が帰宅し、ケージの扉を開けた瞬間が、彼のショータイムの始まりでした。ソファを駆け上がり、カーテンをよじ登り、私の足元を8の字に猛ダッシュする。その有り余るエネルギーは、まさに圧巻の一言に尽きました。
この行動の背景には、彼らの祖先であるリビアヤマネコの血が色濃く流れているという事実があります。彼らは広大な自然の中で獲物を追い、敵から逃げるために、瞬発的なエネルギーを一気に解放する能力に長けていました。現代のイエネコは、家の中で安全に暮らしていますが、そのDNAに刻まれた「エネルギーを発散したい」という欲求は消えていません。特に子猫期は、成猫になるための体を作る重要な時期であり、そのエネルギー量は成猫の比ではありません。
少し専門的な話をしましょう。動物栄養学の世界では、活動に必要なエネルギー量を計算する指標があります。例えば、体重1kgあたりの1日のエネルギー要求量を見てみると、一般的な成猫が約70-80kcalなのに対し、生後3ヶ月の子猫はその2.5倍以上、約200-250kcalを必要とすると言われています。この計算は、基礎代謝量や成長に必要なエネルギー、そして活動エネルギーを基に算出されます。つまり、体のサイズは小さいながら、彼らは成猫の倍以上のエネルギーを毎日消費しなければならないのです。この膨大なエネルギーを消費するため、子猫は本能的に走り回るというわけです。
「でも、うちの子はたくさん遊んであげているはずなのに、夜になると暴れるんです」という声をよく耳にします。それはもしかしたら、遊びの「質」が足りていないのかもしれません。ただダラダラと長く遊ぶのではなく、短時間で集中して、彼らが持つ狩猟本能を刺激するような遊び方が、この有り余るエネルギーを効果的に発散させる鍵となるのです。子猫が暴れるのは、決してあなたを困らせたいからではない。それは「ボクにはまだこんなにパワーが残ってるんだ!」という、生命力にあふれた健全な叫びなのです。
狩りの練習!成猫になるための大切な準備期間
お気に入りの猫じゃらしに、目をまん丸くして飛びかかる姿。獲物に見立てたボールを、前足で巧みに転がしながら追いかける真剣な眼差し。あなたが「遊び」として見ているその時間は、子猫にとって、単なる娯楽の時間を超えた、生きる術を学ぶための極めて重要な「トレーニング」の時間にほかなりません。そして、部屋中を狂ったように走り回るあの行動もまた、この狩りの練習の一環として捉えることができるのです。
猫の遊びというものは、そのすべてが狩りのシミュレーションで構成されています。獲物を発見し、息を殺してそっと「忍び寄り」、絶好のタイミングで獲物に「飛びかかり」、前足でがっちりと「捕獲」し、最後に首筋に噛みついて「とどめを刺す」。この一連のハンティングシーケンスを、彼らは遊びの中で繰り返し練習し、体に染み込ませていきます。部屋の隅から獲物(おもちゃ)に向かって猛ダッシュするのは、まさに獲物を追い詰める動きの練習であり、ソファやキャットタワーに駆け上がるのは、立体的な動きで獲物を仕留めるための身体能力を高める訓練なのです。
これは私の苦い失敗談なのですが、30年前、獣医師になりたてで、まだ猫の行動学に関する知識が浅かった頃、レオが夜中に走り回るのを「ただの夜鳴きと同じような、意味のない興奮状態だ」と勘違いしていました。ある日、獣医学のセミナーで懇意になった動物行動学の権威であるイギリス人の教授にその話を愚痴っぽくこぼしたところ、彼は穏やかに、しかしはっきりとこう言ったのです。「君は彼の重要なトレーニングを邪魔しているのかもしれないね」と。その一言は、当時の私にとってまさに目から鱗でした。レオがティッシュペーパーを空中分解させていたのも、スリッパに猛然と襲いかかっていたのも、すべては彼が立派なハンターになるための、涙ぐましい(?)努力だったのです。その意味も知らずに「こら!」と叱りつけていた自分が恥ずかしくなり、レオに申し訳ない気持ちでいっぱいになったことを覚えています。
実際、著名な動物行動学者であるマイケル・W・フォックス博士の研究によれば、子猫期の遊びの質と量は、その猫が成猫になった時の社会性や、いわゆる「問題行動」の発生率と有意な相関関係があることが示唆されています。つまり、子猫時代に存分に「狩りの練習」ができた猫ほど、精神的に安定し、落ち着いた成猫に成長する傾向があるというのです。
今、あなたの目の前で走り回っている子猫は、ただ暴れているのではありません。彼は、一流のハンターになるための厳しい訓練に、たった独りで励んでいるのです。その真剣な姿を、どうか温かい目で見守ってあげてはいただけないでしょうか。あなたは彼のトレーナーであり、最高の練習相手でもあるのですから。
飼い主にかまってほしいサインで暴れることも
「ドタバタッ!ガシャン!」…あなたがリビングでくつろいでいる時や、ベッドで眠りにつこうとしている時、そんな大きな物音が聞こえてくると、心配になって「どうしたの!?」と駆けつけますよね。すると、そこには何食わぬ顔をした子猫がいて、あなたの顔を見るなりゴロゴロと喉を鳴らし始める…。実はこれ、子猫が学習した、非常にクレバーなコミュニケーション術なのかもしれないのです。「大きな音を立てて暴れると、大好きな飼い主さんがかまってくれる!」と。
猫は単独行動を好む孤高の生き物、というイメージは一昔前のものです。近年の研究では、彼らが非常に社会的な動物であり、特に飼い主とは深い絆を築き、様々な方法でコミュニケーションを図ろうとすることがわかっています。その一つが、飼い主の気を引くための「注意喚起行動」と呼ばれるものです。
数年前に我が家にやってきた元保護猫の「サクラ」は、この注意喚起行動の達人でした。私が自宅でパソコンに向かい、原稿執筆に集中していると、彼女は決まってデスクの周りをうろつき始めます。そして、私が全く反応しないと見るや、おもむろにデスクの上のペン立てを前足でちょい、と倒すのです。ガチャン!という音に私が顔を上げると、彼女は「にゃーん(やっとこっち見た!)」とでも言いたげな顔で私を見つめてくる。最初は私もイライラして、「ダメでしょ!」と叱っていたのですが、ある時ふと気づきました。これは彼女なりの「ねぇ、仕事ばっかりしてないで、私と遊んでよ!」という切実なメッセージなのだ、と。試しに一度、彼女がアピールを始めた時に、すべての作業を5分間だけ中断し、思いっきり猫じゃらしで遊んであげました。するとどうでしょう。その後、私が仕事に戻っても、彼女は満足したように足元で丸くなり、嘘のように静かになったのです。
特に日中、飼い主さんがお仕事などで留守にしている時間が長いご家庭では、子猫は退屈と孤独を感じています。飼い主さんが帰宅した時こそ、彼らにとって待ちに待ったコミュニケーションの時間。それなのに、飼い主さんが疲れていてあまりかまってくれないと、彼らは「どうすれば自分に注目してくれるか」を考え、学習します。そして、「暴れる」という行動が、最も手っ取り早く飼い主さんの注意を引ける方法だと気づいてしまうことがあるのです。
「でも、叱ってもやめないのはどうして?」と疑問に思うかもしれません。猫にとって、たとえそれがネガティブな反応であったとしても、「叱られる」ことは「関心を持ってもらえている」証拠なのです。完全に「無視」されるよりは、叱られた方がずっとマシだと彼らは考えます。ですから、暴れるたびに大きな声で叱るのは、むしろその行動を強化してしまう「負のループ」に陥る危険性すらあるのです。
もしあなたの子猫が、決まってあなたの目の前で暴れたり、あなたが何かに集中している時に限って騒ぎ始めたりするのであれば、それは彼からの「もっとボクを見て!」という愛のサインなのかもしれません。その声なき声に気づいてあげることが、信頼関係をより一層深めるための大切な一歩となるでしょう。
特に3ヶ月の子猫が激しく暴れるのは元気な証拠
もしあなたが今、生後3ヶ月前後の子猫と暮らしていて、その底なしの体力と破壊的な行動力に手を焼いているのなら、まずはお伝えしたいことがあります。おめでとうございます、あなたの子猫は極めて順調に、そして健康に成長しています、と。獣医師やブリーダーの間で、時に「魔の3ヶ月齢」と冗談めかして呼ばれるこの時期は、子猫が最もエネルギッシュで、最もやんちゃで、そして最も「子猫らしい」輝きを放つ、特別な期間なのです。
この時期の子猫は、まさに成長の爆発期。乳歯が生えそろい、骨格や筋肉が急速に発達し、身体能力が飛躍的に向上します。昨日まで登れなかったソファに、今日は軽々と飛び乗れるようになる。そんな日々の成長に、子猫自身も興奮を隠せないのかもしれません。同時に、好奇心も爆発します。見るもの、聞くもの、触るものすべてが、彼らにとっては新しい発見と冒険の対象です。この旺盛すぎる好奇心と、有り余るエネルギーが結びついた結果が、あの「狂ったように走り回る」という行動になって現れるのです。これは、心と体が健全に発達している何よりの証拠と言えるでしょう。
私がまだ駆け出しの獣医師だった頃、忘れられない経験があります。ある日、一組のご夫婦が、神妙な面持ちで生後3ヶ月のアメリカンショートヘアを診察に連れてきました。主訴は「この子、元気がないんです。全然暴れないし、おとなしすぎるんです」というものでした。診察や検査をしても、どこにも異常は見当たりません。私は「個性ですから、心配いりませんよ」と説明しましたが、ご夫婦はどこか腑に落ちない様子でした。その数年後、別の子猫のワクチン接種で偶然そのご夫婦と再会したのですが、あの子はやはり、おっとりとした内気な性格の成猫に育ったそうです。逆に、同じ時期に「手が付けられないくらい暴れるんですが、どこかおかしいんでしょうか!?」と血相を変えて来院された別の子猫は、後に飼い主さんから「すごく社交的で賢い子に育ちました」と報告を受けました。もちろん、これが全てではありませんが、この二つの対照的なケースは、私に「子猫時代の活発さは、未来へのポジティブなエネルギーの表れなのだ」と強く確信させてくれました。
この生後3ヶ月という時期は、社会性を身につける上でも非常に重要です。本来であれば、母猫や兄弟猫とのじゃれ合いの中で、噛む力の加減(これを専門用語でバイト・インヒビションと言います)や、猫社会のルールを学んでいきます。しかし、早くに親兄弟と離れて一匹で飼われている子猫は、その大切な学習の機会が不足しがちです。その結果、遊び方がわからなかったり、エネルギーの発散方法が「ただひたすら走り回る」という単調なものになったりしてしまう傾向があるのです。
今、目の前の大暴れに「うざい」「イライラする」と感じてしまう気持ちは、痛いほどよくわかります。ですが、どうか少しだけ見方を変えてみてください。その激しい動きの一つひとつが、彼が生きるために、そして素晴らしい成猫になるために、一生懸命になっている証なのですから。それは、ほんの数ヶ月しか見ることのできない、かけがえのない生命の輝きそのものなのです。
もうイライラしない!子猫が暴れるのを落ち着かせる具体的な方法【いつまでと悩む前に】
さて、ここまで子猫が暴れる様々な理由について、私の経験も交えながらお話ししてきました。「原因はわかった。でも、じゃあ具体的にどうすれば、この嵐のような毎日を乗り越えられるの?」というのが、皆さんの正直な気持ちでしょう。ご安心ください。ここからは精神論ではなく、私が30年以上の臨床経験の中で効果を実感してきた、今日からすぐに実践できる具体的な「処方箋」を、一つひとつ丁寧にご紹介していきます。闇雲に「いつまで続くんだろう…」と悩む前に、できることから始めてみましょう。
まず、最も大切な心構えをお伝えします。それは、「暴れさせない」のではなく、「上手に暴れさせてあげる」という発想の転換です。彼らの有り余るエネルギーは、ダムの水のように、無理にせき止めようとすればするほど、予期せぬ場所から決壊し、より大きな問題を引き起こしかねません。大切なのは、そのエネルギーを適切な場所、適切な時間、そして適切な方法で解放させてあげるための「水路」を、飼い主であるあなたが作ってあげることなのです。
これもまた、私の若かりし頃の大きな失敗談です。レオの夜の運動会にほとほと疲れ果てていた私は、ある夜、ついに堪忍袋の緒が切れ、走り回るレオを捕まえて、大きな声で叱りつけてしまいました。それでも興奮が収まらない彼を、無理やり押さえつけようとさえしたのです。結果はどうだったか。言うまでもなく、最悪でした。レオは私のことをひどく警戒するようになり、しばらくの間、私から距離を置くようになってしまったのです。そして、運動会がなくなったかと思えば、今度は私の見ていないところで、壁で爪を研いだり、物を落としたりといった行動をするようになりました。力で抑えつけようとすることは、信頼関係を破壊し、問題行動をより陰湿なものへと変化させるだけの、最悪の選択だったのです。この手痛い失敗が、私が猫の行動学を真剣に学ぶ大きなきっかけとなりました。
あなたが子猫の立場だったら、どうしてほしいと思いますか?エネルギー全開で遊びたい、という純粋な欲求を、頭ごなしに否定されたら、悲しい気持ちになりませんか?これからお話しする方法は、そんな子猫の気持ちに寄り添いながら、彼らを穏やかな方向へと導いていくためのテクニックです。もちろん、飼い主さん自身のイライラをコントロールするための、ちょっとした心の持ちようについても触れていきたいと思います。完璧な飼い主なんて、どこにもいません。少し肩の力を抜いて、一緒に解決策を探していきましょう。
イライラ解消!子猫を静かにさせる方法
落ち着かせる
静かにさせる方法
夜
ケージ
イライラ
夜に暴れる子猫にイライラしていませんか?もう「うざい」と感じる必要はありません。日中に15分以上遊んであげる、寝る前にご飯をあげるなど、子猫を落ち着かせる具体的な方法を紹介。ケージ内で静かにさせる方法も解説し、穏やかな夜を取り戻します。
- 夜の運動会をなくす!生活リズムを整えるコツ
- ケージで暴れる時に試したい静かにさせる方法
- うざいと感じる前に!叱らずに興味をそらすテクニック
- 子猫が暴れるのはいつまで?原因や対処法まとめ
夜の運動会をなくす!生活リズムを整えるコツ
多くの人が猫を「夜行性」だと思っていますが、厳密に言うと、彼らは「薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)」の動物です。つまり、完全に日が落ちた真夜中よりも、日の出前と日没後の薄暗い時間帯(明け方と夕方)に最も活発になる習性を持っています。この彼らの生体リズムを正しく理解し、少しだけ人間の生活サイクルに近づけてあげることが、悩ましい夜の運動会を劇的に改善させるための、最も効果的で根本的な解決策となるのです。
まず一つ目のコツは、「日中の活動量を意識的に増やす」ことです。特に飼い主さんが留守にしがちな日中は、子猫にとって退屈な時間になりがち。この時間にしっかりエネルギーを使ってもらうことで、夜に過剰なエネルギーが残るのを防ぎます。例えば、一人でも遊べる電動のおもちゃや、知育トイを用意してあげるのは非常に有効でしょう。あるいは、上下運動ができるキャットタワーを設置したり、窓の外に鳥が集まるようにバードフィーダーを置いたりして、彼らの好奇心を刺激し続ける環境を作ることも大切です。私が個人的に長年実践していて効果を実感しているのは、まさにこのバードフィーダーの設置です。窓辺で熱心に鳥を観察している猫の集中力は凄まじく、見ているだけでもかなりの精神的エネルギーを消費しているのがよくわかります。
二つ目のコツは、「食事の時間を戦略的に調整する」こと。猫は、満腹になると満足し、眠くなるという非常にわかりやすい習性を持っています。この習性を利用しない手はありません。具体的には、1日の食事のうち最後の分を、飼い主さんがベッドに入る直前の時間に与えるのです。お腹がいっぱいになった子猫は、毛づくろいを済ませると、満足して深い眠りについてくれる可能性が格段に高まります。我が家の猫たちも、この方法を導入してからというもの、明け方の「お腹すいたニャー!」という催促や、早朝の運動会がピタリと収まりました。
そして三つ目の、そして最も重要なコツが、「寝る前の『儀式』を作る」ことです。毎晩同じ時間に、同じことを繰り返すことで、子猫に「これから静かに眠る時間だよ」という合図を送るのです。我が家での儀式をご紹介しましょう。まず、飼い主が寝る30分ほど前から、レーザーポインターや釣竿タイプの猫じゃらしを使って、息が上がるくらい本気で遊びます。時間は15分ほどで十分です。そして遊びのクールダウンとして、先ほどお話しした「最後の食事」を与えます。食べ終わった後、優しくブラッシングをしながら「今日も楽しかったね、おやすみ」と声をかけ、部屋の明かりを消す。この一連の流れを、雨の日も風の日も、毎日欠かさず繰り返します。この「遊び→食事→就寝」というルーティンは、子猫の心と体を自然と睡眠モードへと切り替えてくれる、魔法のような効果があるのです。
一貫性を持ってこれらのコツを続けること。それが、穏やかで静かな夜を取り戻すための、一番の近道です。最初はうまくいかなくても、どうか諦めないでください。あなたの努力は、必ず子猫に伝わります。
ケージで暴れる時に試したい静かにさせる方法
夜間や留守番中など、子猫の安全を確保するためにケージを利用することは、非常に賢明な選択です。しかし、そのケージの中でガシャンガシャンと暴れられてしまっては、飼い主さんは気が気ではありませんし、子猫にとっても大きなストレスとなってしまいます。大切なのは、ケージを「罰を与えられる牢屋」ではなく、「安心してくつろげる自分だけの特別な寝室」だと子猫に認識させてあげること。そのためには、少しの工夫と愛情が必要です。
ここでまた、私の恥ずかしい失敗談をお話しなければなりません。レオがまだ小さかった頃、イタズラをした罰として、彼をケージに閉じ込めてしまったことがありました。若気の至りとはいえ、これは獣医師として、飼い主として、絶対にしてはならない最悪の間違いでした。その結果、レオはケージを「自分が閉じ込められる、恐ろしくて嫌な場所」と完全にインプットしてしまい、その後、ケージの扉を開けただけで脱兎のごとく逃げ出すようになってしまったのです。この過ちを取り返すのには、実に長い時間と労力を要しました。この経験から、私は声を大にして言いたい。ケージを罰のために使っては、絶対にいけません、と。
では、どうすればケージを「安心できる場所」に変えられるのでしょうか。一つ目の方法は、「ケージ内の環境を五つ星ホテル並みに快適にする」ことです。底が硬いプラスチックのままではいけません。ふかふかのベッドや、肌触りの良い毛布を敷いてあげましょう。特に、飼い主さんの匂いがついた古いTシャツなどを入れてあげると、子猫は非常に安心します。もちろん、清潔なトイレと新鮮な水は必須ですが、食事場所や寝床とはできるだけ離して設置するのが猫の習性に合ったレイアウトです。誤飲の心配がない、お気に入りのおもちゃを一つ入れてあげるのも良いでしょう。
二つ目は、「ケージに入ることは、良いことだと学習させる」ポジティブなトレーニングです。まず、ケージの扉を常に開け放しておき、自由に出入りできるようにします。そして、子猫が偶然中に入った時や、中でおやつを食べた時などに、すかさず「いい子だね!」と褒めてあげます。「ハウス」などのコマンドを言いながら、ケージの中におやつを投げてあげる練習を繰り返すのも効果的です。決して無理やり押し込んではいけません。ケージは、いつも美味しいものや楽しいことがある、素晴らしい場所なのだと根気強く教えていくのです。
そして三つ目の、即効性のあるテクニックが、「ケージを大きな布で覆ってあげる」ことです。猫は元来、狭くて暗い、巣穴のような場所を好む動物です。布でケージの周りを覆い、外からの視覚的な刺激を遮断してあげることで、彼らの興奮は驚くほど速やかに収まり、落ち着きを取り戻しやすくなります。ただし、夏場などは熱がこもらないよう、通気性の良い布を選ぶなどの配慮を忘れないでください。
あなたの家のケージは、子猫にとって最高のプライベート空間になっていますか?それとも、ただの檻になってしまってはいませんか?少しの工夫で、ケージは夜鳴きや夜暴れの悩みを解決してくれる、最高の味方になってくれるはずです。
うざいと感じる前に!叱らずに興味をそらすテクニック
カーテンによじ登る子猫の姿に、思わず「コラッ!」と大きな声が出てしまう。その気持ち、よくわかります。しかし、残念ながらその「コラッ!」という叱責は、ほとんどの場合、子猫には効果がありません。それどころか、飼い主さんとの信頼関係を損ねたり、問題をかえって悪化させたりする危険性すら孕んでいます。私が長年の経験でたどり着いた結論は、「猫のしつけは、叱らないのが一番」ということ。では、叱らずにどうやって望ましくない行動を教えるのか?その極意は、「天罰方式」「完全無視」、そして「興味のすり替え」という三つのテクニックに集約されます。
まず「天罰方式」とは、その名の通り、「悪いことをすると、どこからか天罰が下る」と子猫に学習させる方法です。重要なのは、その天罰が飼い主さんによって下されたものだと、絶対に気づかれてはいけないという点です。例えば、子猫が爪とぎをしてはいけない場所でバリバリと始めた瞬間、飼い主さんは姿を隠したまま、霧吹きで子猫のお尻あたりにシュッと水をかけたり、空き缶に小銭を入れたものを床に落として「ガチャン!」と大きな音を立てたりします。これを繰り返すことで、子猫は「この柱で爪を研ぐと、なんだか嫌なことが起きるぞ」と学習し、次第にその場所を避けるようになります。
次に「完全無視」です。これは、前述した「飼い主にかまってほしいサイン」としての問題行動に絶大な効果を発揮します。子猫があなたの気を引くために暴れ始めたら、あなたは心を鬼にして、徹底的に無視を貫きます。目を合わせない、声をかけない、もちろん触りもしない。まるでそこに子猫が存在しないかのように振る舞うのです。そして、子猫が諦めて暴れるのをやめ、静かになった瞬間に、すかさず「そう、いい子だね」と優しく声をかけ、撫でてあげます。これを繰り返すことで、「暴れても無駄だけど、静かにしていると褒めてもらえる」という、正しいコミュニケーションの方法を学習していくのです。
そして、私が最も推奨するのが、三つ目の「興味をそらすテクニック」です。これは最も平和的で、かつ効果的な方法と言えるでしょう。先ほどのレオのカーテン登りの話ですが、彼がまさにカーテンに前足をかけ、よじ登ろうとした瞬間、私は叱る代わりに、床の上で彼が一番好きだったネズミの形をしたおもちゃをカシャカシャと鳴らしてみました。その音を聞いたレオは、ピタッと動きを止め、耳をおもちゃの方向に集中させ、次の瞬間にはカーテンのことなどすっかり忘れ、おもちゃに向かって猛然と飛びかかっていきました。問題行動そのものを指摘し、やめさせるのではなく、それ以上に魅力的で楽しいことへ、彼の興味とエネルギーを誘導してあげるのです。
叱りたくなったその瞬間は、飼い主であるあなたの腕の見せ所です。子猫の興味をパッと切り替えられる「とっておきの切り札」を、あなたはいくつ持っていますか?叱責という安易な手段に頼る前に、ぜひこのポジティブな方法を試してみてください。イライラする気持ちが、きっと楽しいゲーム感覚に変わっていくはずです。
子猫が暴れるのはいつまで?原因や対処法まとめ
この記事を通して、私たちは子猫がなぜあんなにも激しく、時に狂ったように走り回るのか、その行動の裏に隠された様々な理由を探ってきました。有り余るエネルギーを発散させるため、立派なハンターになるための狩りの練習のため、そして時には大好きなあなたへの「かまって!」というサインのため。そのどれもが、彼らが健やかに成長していく上で欠かせない、極めて正常で自然な行動なのです。特に、エネルギーの塊である生後3ヶ月の子猫が激しく暴れるのは、元気で順調に育っている何よりの証拠と言えるでしょう。
では、飼い主さんにとって最も切実な疑問、「この嵐のような日々は、一体いつまで続くのか?」という問いにお答えします。もちろん個体差はありますが、一般的に、この激しい運動会が少しずつ落ち着きを見せ始めるのは、生後6ヶ月を過ぎたあたりからです。そして、心身ともに大人になる1歳頃までには、多くの猫が自分のエネルギーをコントロールする方法を学び、夜は静かに眠るようになります。そう、必ず終わりは来るのです。
その日が来るまで、どうかこの記事でご紹介した様々な対処法を、一つでもいいので試してみてください。食事や遊びの時間を工夫して生活リズムを整え、ケージを安心できる寝室にし、叱る代わりに興味をそらしてあげる。これらのアプローチは、あなたと子猫の関係をより良いものにしてくれるはずです。そして何より、夜中に暴れる子猫に対して「うざい」「イライラする」と感じてしまう自分を、決して責めないでください。睡眠を妨害されれば、誰だってそう感じてしまうものです。あなたは一人ではありません。
この大変な時期は、見方を変えれば、子猫があなたという存在を絶対的に信頼し、家族として認識していくための、かけがえのない大切なプロセスなのかもしれません。狂ったように走り回るその小さな命の輝きを、どうか愛おしんであげてください。そのすさまじいエネルギーは、もしかしたら体全体を使った、あなたへの「大好き!」の表現なのかもしれないのですから。
この嵐を乗り越えた先には、言葉はなくとも心で通じ合える、穏やかで愛情に満ちた、深い絆で結ばれた未来が必ず待っています。あなたの素晴らしい猫育てを、心から応援しています。
参考