庭に来る野良猫を保護して病院へ連れて行きたい、あるいは大切な飼い猫が脱走してしまい、一刻も早く確保したい。
そんな緊急事態に直面した時、数千円から数万円もするプロ仕様の捕獲器を即座に購入するのは、経済的にも心理的にもハードルが高いものです。
そこで多くの愛猫家や保護主が検索するのが、「100均の材料を使って、猫の捕獲器を自作できないか?」という解決策でしょう。
実際にネットやSNSを見れば、身近なダンボールやワイヤーネット、さらには空いた牛乳パックやペットボトルを巧みに利用した、簡易的な罠の作り方が数多く紹介されています。
しかし、ここで猫メディアの編集長として、あえて厳しい「本音」をお伝えしなくてはなりません。
安易な自作は、強度不足で猫に怪我をさせたり、捕獲失敗によって猫の警戒心をマックスまで高めてしまうリスクと隣り合わせだからです。
この記事では、コストを抑えたいという切実な願いに応えるべく、ホームセンターのコメリなどで手に入る金具と100均グッズを組み合わせた、より実践的な自作方法を解説します。
また、苦労して設置しても猫が捕獲器に入らない時の具体的な対処法や、自作に限界を感じた際に頼るべき保健所の貸し出し事情についても、建前抜きで深掘りしました。
ただ安く済ませるだけでなく、猫の命を安全に預かるための「責任あるDIY」の知識を、この記事ですべて公開します。
記事の要約とポイント
- 100均のダンボールやワイヤーネット、牛乳パックなどの廃材を活用した、低コストで実践できる猫の捕獲器の作り方と罠の構造を徹底解説。
- 強度が不安な自作器の欠点を補うため、ホームセンターのコメリなどで入手すべき必須パーツや、ペットボトルを使った仕掛けの工夫を紹介。
- 警戒心の強い猫が捕獲器に入らない時はどうすればいいのか、プロの視点から具体的な餌の配置や設置場所の変更テクニックを伝授。
- 自作での捕獲が難しい場合や安全性を最優先したい場合に知っておくべき、保健所や保護団体からの貸し出し利用という選択肢についても言及。
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100均グッズで猫捕獲器を自作!ダンボールとワイヤーネットでの作り方
さて、まずは基本の「キ」から入っていきましょう。ネット掲示板やSNSでよく話題になるのが、「ダンボール派」か「ワイヤーネット派」かという論争です。結論から言えば、一時的な保護ならダンボール、少し長く使うならワイヤーネット、というのが定説ですが、私の経験上、これらを「ハイブリッド」させるのが最強の正解です。
なぜなら、猫という生き物は「狭くて暗い場所」を好む習性がある一方で、「向こう側が見えない袋小路」に対しては異常な警戒心を抱く個体もいるからです。この矛盾した心理を突くために、100均グッズをどう組み合わせるかが腕の見せ所になります。
用意すべきは、どこの街にもある100均ショップで手に入るアイテムばかり。しかし、選び方にはコツがあります。例えば、ワイヤーネット。これは一番大きいサイズ(40cm×60cmなど)を選んでください。小さいサイズをつなぎ合わせると、継ぎ目から破壊されるリスクが跳ね上がります。猫のパニック時の馬鹿力を甘く見てはいけません。火事場の馬鹿力ならぬ、「捕獲場の猫力」は、大人の男性でも手を焼くほどです。
作り方の基本概念は、「箱を作り、入口に可動式の扉をつけ、奥の餌を食べると扉が閉まる」というシンプルなもの。しかし、このシンプルさの中に、数多の失敗と涙の歴史が詰まっているのです。「100円でできた!」と喜ぶのはまだ早い。その100円の裏には、脱走された飼い主の数万円分の後悔が隠れているかもしれないことを、常に頭の片隅に置いておいてください。
また、意外と見落としがちなのが「床面」の素材です。金網むき出しだと、肉球の感触を嫌がって入らない猫がいます。ここにダンボールを敷くのか、新聞紙を敷くのか、それとも土や草を被せるのか。この「床の演出」こそが、DIY捕獲器の成否を分ける最初の分岐点となります。
以下のサイトは、環境省が公表している動物愛護管理法に基づくガイドラインです。捕獲器を使用する際、動物を虐待しないための法的な配慮や考え方が記載されていますので、自作に取り掛かる前に一度目を通しておいてください。
参考URL:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/
100均とコメリで猫捕獲器自作!作り方と材料
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作り方
100均のワイヤーネットやダンボールをベースに、ホームセンターのコメリで結束バンドや金具を揃えれば、格安で猫の捕獲器を自作可能です。牛乳パックやペットボトルを踏み板式の罠に応用する具体的な作り方と、猫が暴れても壊れないための強度確保のポイントを数値付きで解説します。
- 費用を抑えてDIY!ダンボールで作る踏み板式の罠の構造と材料
- 餌の匂いを拡散させる牛乳パックやペットボトルを活用した仕掛け
- 強度が不安ならワイヤーネット!脱走を防ぐための補強テクニック
- 金具が見つからない?ホームセンターのコメリで調達すべき重要パーツ
費用を抑えてDIY!ダンボールで作る踏み板式の罠の構造と材料
では、具体的な構造に入りましょう。最もポピュラーで、かつ材料費を極限まで抑えられるのが「ダンボール製・踏み板式」の罠です。
仕組みはこうです。
- 細長いダンボール箱を用意する。
- 入口の上部に、上下にスライドする扉(ダンボール板)を設置する。
- 箱の奥に「踏み板(仕掛け)」を置く。
- 踏み板と入口の扉を、紐やタコ糸で連動させる。
- 猫が奥に入って踏み板を踏む(あるいは餌を引く)と、ストッパーが外れて扉が落ちる。
文字にすると簡単ですね。まるでトムとジェリーの世界です。しかし、現実はそう甘くありません。この「ストッパー」の精度が命なのです。
ネット上の「自作してみた」動画を見ていると、多くの人がこのストッパー部分を割り箸や洗濯バサミで作っています。感度が良すぎると、猫が入る前に風で閉まってしまう「空振り」が起きます。逆に感度が悪すぎると、猫が餌だけ食べて悠々と出ていく「食い逃げ」が発生します。この「空振り」と「食い逃げ」、どちらも猫に「ここは怪しい」と学習させる最悪のパターンです。
私がおすすめするのは、100均の「滑り止めシート」と「突っ張り棒」を組み合わせた構造です。ダンボールの床に滑り止めシートを敷き、その上に踏み板を置くことで、猫が足を乗せた時の「違和感」を減らします。そして、扉の固定には突っ張り棒の摩擦を利用するのではなく、突っ張り棒を支点にした「シーソーの原理」を使うのです。
具体的な材料リストを整理しましょう。
【自作捕獲器・基本セット】
- 丈夫なダンボール箱(2つを連結して奥行きを出すのがベター)
- ガムテープ(布テープ推奨。紙テープは雨と猫の爪に弱い)
- カッターナイフ
- タコ糸(伸びにくいものが良い)
- 割り箸(仕掛けのトリガー用)
- バーベキュー網(窓を作る場合)
ここで重要なのが、ダンボールの「匂い」です。スーパーでもらってきたダンボールには、洗剤や柑橘系の匂いが染み付いていることがあります。これらは猫が嫌う匂いです。理想は無臭、もしくは魚介系の箱ですが、生臭すぎると虫が湧くので注意が必要です。
また、ダンボールは雨にめっぽう弱いです。設置当日に雨が降ったら、その罠はただのゴミになります。防水スプレーをかける人もいますが、その化学薬品の匂いで猫が寄ってこなくなることも。晴れの日限定、あるいは屋根のある場所限定の作戦だと割り切ってください。
餌の匂いを拡散させる牛乳パックやペットボトルを活用した仕掛け
「罠はできた。でも猫が来ない」
これは自作派がぶつかる第二の壁です。どれだけ精巧な罠を作っても、客が来なければ店は潰れます。そこで登場するのが、牛乳パックとペットボトルを活用した「匂いの拡散装置」です。
猫の嗅覚は人間の数万倍から数十万倍と言われています。しかし、視力はそこまで良くありませんし、動かないものには反応しにくい。つまり、遠くの猫を呼び寄せるには「匂い」が最強の武器なのです。
ここで牛乳パックの出番です。牛乳パックは内側が防水加工されており、丈夫です。これを切り開いて「餌皿」にするのですが、ただ置くだけではいけません。パックの側面に、千枚通しや画鋲で無数の小さな穴を開けてください。そして、その中に温めたウェットフードや、匂いの強い唐揚げ(衣は取る)、焼き魚などを入れます。こうすることで、パックが「匂いの発生源」となり、風に乗って遠くまで美味しそうな香りを届けます。これを「エアロゾル効果」と私は勝手に呼んでいますが、密閉された缶詰をパカッと開けて置くより、表面積を増やして通気性を良くした方が、集客効果は段違いです。
次にペットボトルです。これは「重り」と「音」の役割を果たします。
自作の扉は軽すぎて、落ちた後に猫が鼻先で押し上げて脱走することがあります。これを防ぐために、扉の上部に水を入れた500mlペットボトルを重りとして固定するのです。
さらに、上級テクニックとして、ペットボトルに「マタタビの粉」と「カリカリ(ドライフード)」を少し入れて、蓋に穴を開けたものを罠の周辺にぶら下げる方法があります。風で揺れると、カサカサという音と共にマタタビの香りが漂う。音と匂いのダブルパンチです。
ただし、これは諸刃の剣で、興奮した猫が罠の周りで転げ回り、肝心の入口に入らないという「マタタビ酔い」現象を引き起こすこともあります。ターゲットの猫の性格を見極めて使う必要があります。
| 餌の種類 | 匂いの強さ | おすすめのシチュエーション | 注意点 |
| 温めたウェットフード | ★★★★★ | 基本装備。迷ったらこれ。 | 冷めると匂いが弱まる。虫が寄りやすい。 |
| フライドチキン(骨なし) | ★★★★☆ | 人間の食べ物を好む野良猫向け。 | 塩分過多なので少量に。骨は厳禁。 |
| 焼きカツオ・ちゅ~る | ★★★★☆ | 警戒心が強い猫への最後の一手。 | 高価。罠の奥まで誘導しにくい場合がある。 |
| またたび | ★★★☆☆ | オス猫や成猫に効果的。 | 子猫には効かない。興奮しすぎて罠に入らないことも。 |
強度が不安ならワイヤーネット!脱走を防ぐための補強テクニック
ダンボール製は手軽ですが、私が本気で捕獲を狙うなら、間違いなくワイヤーネットを選びます。なぜなら、捕獲された直後の猫は、我々が想像する「可愛い猫ちゃん」ではないからです。彼らは命の危険を感じ、獣(けもの)へと変貌します。ダンボールなど、本気を出した猫の爪にかかれば数分でズタズタにされることもあります。
100均のワイヤーネットを結束バンドで箱型に組み立てる。これがスタンダードな自作方法ですが、ここで最大の落とし穴があります。それは「結束バンドの強度」です。
100均で売られている白い結束バンド(インシュロック)の多くは、屋内用です。これらは紫外線に弱く、また、瞬間的な強い衝撃(猫の体当たり)で「パチン」と弾け飛ぶことがあります。
想像してみてください。苦労して捕まえた猫が、車に乗せる瞬間に結束バンドを引きちぎり、パニック状態で逃走する姿を。それは飼い主にとっても、猫にとっても地獄です。二度と捕まらないかもしれません。
だからこそ、ここだけはケチらないでください。結束バンドは「耐候性(黒色が多い)」で、幅が太い強力なタイプを選んでください。そして、ワイヤーネット同士をつなぐ時は、一辺につき最低3箇所、いや5箇所は留めること。さらに、四隅は針金や金属製のクリップで補強するのがプロの流儀です。
また、ワイヤーネットの「網目の大きさ」にも注意が必要です。子猫の場合、3cm〜4cmの網目をすり抜けてしまうことがあります。「頭さえ通れば体も通る」のが猫の物理法則です。もし子猫を狙うなら、さらに細かい園芸用のネット(トリカルネットなど)を内側に張る必要があります。
そして、脱走防止の最後の砦が「ロック機構」です。扉が落ちた後、内側からは絶対に開かない仕組みを作らなければなりません。既製品の捕獲器には複雑なバネ仕掛けがありますが、自作の場合は「つっかえ棒」の原理を利用するのが一般的です。扉が閉まると同時に、棒が倒れて扉を押さえつける。この角度調整が非常にシビアで、何度もシミュレーションを行う必要があります。
金具が見つからない?ホームセンターのコメリで調達すべき重要パーツ
「100均で全部揃えたい」という気持ちはわかります。しかし、肝心なパーツが100均にはない。そんな時は、迷わずホームセンターに走りましょう。特に「コメリ」は、農業従事者の利用が多く、害獣対策コーナーが充実している店舗が多いので、猫の捕獲器に使えそうなパーツの宝庫です(もちろん、猫は害獣ではありませんが、ハードウェアとしての構造は似ています)。
コメリなどのホームセンターで調達すべき重要パーツ、それは「バネ(スプリング)」と「ナスカン(スナップフック)」です。
自作捕獲器の扉を素早く閉めるには、重力だけでなく「バネの力」を借りるのが確実です。引きバネを扉と天井に取り付け、常に「閉まる方向」にテンションをかけておく。これなら、猫が尻尾を挟んで扉が半開きになっても、バネの力でグイッと押し込まれ、脱走を防げる確率が上がります。100均にもバネはありますが、弱すぎたり短すぎたりします。ホームセンターなら数十円から数百円で、適切な強度のバネが手に入ります。
次にナスカン。これは捕獲後の「移動時」に使います。自作の扉は、移動中の振動で不用意に開いてしまうことがあります。捕獲を確認したら、すぐに扉と本体をナスカンやカラビナでガッチリとロックする。この「二重ロック」のための金具は、信頼性の高いJIS規格品などをホームセンターで買うべきです。
| パーツ名 | 100均でOK | ホームセンター推奨 | 理由 |
| 本体(ワイヤーネット) | 〇 | 強度は100均でも十分だが、サイズ選びは慎重に。 | |
| 結束バンド | 〇 | 屋外用・耐候性・太さを重視。絶対的な信頼性が必要。 | |
| 踏み板・仕掛け紐 | 〇 | タコ糸やテグスで十分代用可能。 | |
| バネ・金具 | 〇 | 動作の確実性と耐久性が違う。 | |
| 養生テープ・シート | 〇 | 汚れ防止や目隠し用なら安価なもので十分。 |
猫捕獲器を自作して100均で済ませる際のリスクと捕まらない時の対処法
さて、ここからは少し「知恵袋」のようなQ&A形式で、現場のリアルな悩みにお答えしていきましょう。きれいごとだけの記事は役に立ちませんからね。
【編集長への直撃相談室:自作捕獲器のリアル】
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夫が「捕まらないなら毒餌を撒けばいい」と言い出して喧嘩になりました。どう説得すればいいですか?
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まずは深呼吸を。そして旦那様にこう伝えてください。「それは動物愛護法違反で、懲役や罰金刑になる犯罪だよ」と。脅しではなく事実です。猫を殺傷することは、5年以下の懲役または500万円以下の罰金です。それに、近隣トラブルや警察沙汰になれば、今の家に住めなくなります。毒餌は絶対にNGです。感情的にならず、法的なリスクと「私が責任を持って保護して去勢手術をするから」という解決策を提示しましょう。
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自作の罠を仕掛けましたが、猫が入らずに周りの餌だけ食べて帰っていきます。賢すぎませんか?
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よくある話です。その猫は、過去に似たような罠で怖い思いをしたことがあるのかもしれません。もしくは、あなたの「捕まえてやる!」という殺気が伝わっているのかも(笑)。冗談はさておき、トリガー(仕掛け)が重すぎる可能性があります。踏み板をもう少し敏感にするか、吊り下げ式の餌の位置を奥に変えてみてください。また、罠全体をゴミ袋や草木で覆い、「人工物感」を消すカモフラージュも有効です。
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捕獲器の中で猫が暴れて血だらけになっていました。見ていられません。
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これが自作、特にワイヤーネット製の最大のデメリットです。切断面のバリ処理が甘かったり、網目に鼻を突っ込んで擦りむいたりするのです。これを防ぐには、ワイヤーネットの内側にプラスチックダンボール(プラダン)を貼って、物理的に網目に触れさせないようにする加工が必要です。心が痛むでしょうが、治療のため、あるいは不妊手術のためなら、心を鬼にして遂行するしかありません。すぐに動物病院へ連れて行き、処置してもらいましょう。
自作捕獲器のリスクと入らない時の対処・保健所
猫が捕獲器に入らない時は
保健所
罠
ペットボトル
ワイヤーネット
自作の罠は手軽ですが、猫が脱走するリスクもあります。猫が捕獲器に入らない時は、ペットボトルに入れた強い匂いの餌で誘導する等の工夫が必要です。また、自作に限界を感じた際は、地域の保健所や保護団体が頑丈な捕獲器を貸し出している場合があるため、無理せず相談することも重要です。
- 警戒心を解く裏技!猫が捕獲器に入らない時は置き餌作戦を見直せ
- 壊されて逃げられる前に知っておきたい保健所の捕獲器貸し出し事情
- 猫捕獲器の自作!100均制作術まとめ:猫の安全を最優先に保護活動を!
警戒心を解く裏技!猫が捕獲器に入らない時は置き餌作戦を見直せ
「猫が捕獲器に入らない時はどうすればいいか?」
この検索ワードでたどり着く人の多くは、焦っています。明日には引っ越しだとか、怪我が悪化しているとか。しかし、急がば回れ。捕獲の極意は「焦らし」にあります。
いきなり罠を作動させようとしていませんか?
プロは、最初の数日間は「扉をロックして落ちないようにした状態」で、罠の中に餌を置きます。これを「餌付け(えづけ)」と呼びます。「この箱の中に入っても何も起きない。むしろ美味しいものが食べられる安全な場所だ」と猫に学習させるのです。
1日目は入口の手前。2日目は少し奥。3日目は一番奥。
こうして、猫が警戒心なく箱の奥まで入って食事をするようになったら、いよいよ決行の日(Xデー)です。ロックを外し、仕掛けをセットします。このプロセスを踏むだけで、捕獲率は劇的に向上します。
また、「置き場所」も重要です。猫は壁沿いを歩く習性があります。部屋や庭の真ん中にポツンと置くのではなく、壁に沿わせて設置してください。そして、入口から向こう側の景色が見えるように配置するのもポイントです(ただし、奥は行き止まりですが)。
もし、それでも入らない場合は、ターゲットの猫以外が邪魔をしている可能性があります。カラスや他の猫が先に餌を食べてしまっていないか、トレイルカメラ(これも数千円で買えます)などで監視するのも一つの手です。敵を知り、己を知れば、百戦危うからずです。
壊されて逃げられる前に知っておきたい保健所の捕獲器貸し出し事情
ここまで自作の方法を熱く語ってきましたが、最後にちゃぶ台を返すような提案をします。
「やっぱり、既製品の捕獲器を借りませんか?」
自作は素晴らしいチャレンジですが、先ほど述べたように、強度の問題や怪我のリスク、そして何より「失敗した時のダメージ」が大きすぎます。一度自作罠から脱出した猫は、次からはプロ仕様の捕獲器ですら警戒するようになります。つまり、最初の一撃で確実に仕留める(保護する)ことが、猫にとっても人間にとってもベストなのです。
実は、多くの自治体(保健所や動物愛護センター)では、飼い主のいない猫の不妊去勢手術(TNR活動)を支援するために、捕獲器の無料貸し出しを行っています。
「保健所=殺処分」という怖いイメージがあるかもしれませんが、最近は「地域猫活動」を推進する役所が増えています。電話一本で、「野良猫の手術をしたいので捕獲器を借りたい」と相談すれば、頑丈で安全な踏み板式の捕獲器を貸してくれるケースが多いのです。
また、地域の動物保護団体やボランティアグループも、捕獲器を持っています。SNSで近隣の保護猫カフェや団体を探し、「自作しようと思ったが不安で…」と相談してみてください。彼らは捕獲のプロです。捕獲器を貸してくれるだけでなく、設置のコツや、場合によっては捕獲の現場を手伝ってくれることもあります。
自作にかかる手間と材料費(結局1000円〜2000円はかかります)、そしてリスクを天秤にかけた時、公的な支援やプロの道具を頼ることは、決して恥ずかしいことではありません。むしろ、猫の命を預かる責任感ある行動と言えるでしょう。
猫捕獲器の自作!100均制作術まとめ:猫の安全を最優先に保護活動を!
長くなりましたが、100均グッズを使った猫捕獲器の自作について、私の持てる知識を全て出し切りました。
最後に、もう一度だけ強調させてください。
あなたが捕獲器を作ろうとしている動機は、猫を助けたい、あるいは生活環境を良くしたいという「愛」や「願い」から来ているはずです。その目的を達成するために、自作という手段が本当に最適なのか、記事を読み終わった今、もう一度自問してみてください。
もし自作するなら、全力で補強し、安全性を確認し、細心の注意を払って設置してください。あなたの作ったその箱が、猫にとっての「恐怖の檻」ではなく、新しい猫生(にゃんせい)へと続く「希望の扉」になることを、心から願っています。
捕獲に成功したら、ぜひその時のエピソードをSNSで発信したり、誰かに話してみてください。あなたの経験が、また別の誰かと一匹の猫を救うヒントになるかもしれません。それでは、グッドラック。あなたのミッションが成功しますように!
参考






