野良猫の保護やTNR活動に尽力されている方なら、どうしても捕まらない猫に遭遇して、途方に暮れた経験があるのではないでしょうか。
特に、過去に怖い思いをして一度捕獲器に入った猫や、生まれつき警戒心の強い猫は、通常の捕獲器を設置するだけでは、決して足を踏み入れようとはしません。
何度試しても捕獲失敗が続くと、猫が姿を見せなくなり「もう来ないのではないか」と、焦りや不安を感じることも多いはずです。
しかし、どうか諦めないでください。
猫が捕獲器に入らない時は、その猫の賢さに対応した、一歩進んだ戦略が必要なだけなのです。
例えば、身近なダンボールや周辺の草木を使って捕獲器の存在を消すカモフラージュや、またたびの強力な匂いを活用して警戒心を解く方法など、試すべきコツはまだ残されています。
さらに、踏板の仕組みを理解しているような手強い猫には、紐を取り付けてタイミングを見計らう手動式への切り替えや、プロの業者が使用する吊り下げ式捕獲器の導入が極めて効果的です。
状況によっては、獣医師の指導のもと鎮静剤を使用したり、自作の道具で環境を整えたりといった、高度な手段も視野に入れる必要があるでしょう。
この記事では、そんな難易度の高い野良猫の捕獲を成功させるために、今日から実践できる具体的なテクニックを詳しく解説していきます。
正しい知識と準備で、大切な命を救うためのヒントを見つけてください。
記事の要約とポイント
- 警戒心の強い猫にはダンボールや草木で捕獲器を隠し、またたびの匂いで誘う基本的なコツを実践しましょう。
- 捕獲失敗を繰り返して「もう来ない」と諦める前に、一度捕獲器に入った猫の心理を理解し対策を立てます。
- どうしても捕まらない猫には、自作の手動仕掛けやプロ推奨の吊り下げ式など、道具を変える柔軟性が重要です。
- 最終手段として獣医師監修の鎮静剤使用も含め、猫が捕獲器に入らない時はあらゆる可能性を検討しましょう。
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猫が捕獲器に入らない時はどうする?警戒心の強い野良猫への基本対策
あなたが今、この画面を開いている理由。私には痛いほどよくわかります。おそらく、あなたは今、暗闇の中でスマホを握りしめ、あるいは窓際でカーテンの隙間から外を覗き込みながら、途方もない徒労感と焦燥感に苛まれているのではありませんか?
「どうして入らないんだ」
「あんなにお腹を空かせているはずなのに」
「明日は雨が降るのに」
野良猫の保護、あるいはTNR(捕獲・不妊去勢手術・リターン)活動。これらは、言葉で言うほど美しい物語ばかりではありません。そこにあるのは、知恵と知恵のぶつかり合い、忍耐の限界、そして命を預かる重圧です。教科書通りの設置方法で素直に入ってくれる猫なんて、実は全体の半分もいないんじゃないか。現場の人間はみんなそう思っています。
この記事に辿り着いたということは、あなたは既に「一般的な方法」は全て試し尽くしたはずです。それでも、どうしても捕まらない猫がいる。その猫は、あなたの仕掛けた罠をあざ笑うかのように踏板を避け、あるいはそもそも姿すら見せなくなったかもしれません。
でも、諦めるのはまだ早いですよ。私たち人間には、猫にはない「道具」と「情報網」、そして何より「執念」があります。ここでは、獣医師が教えるセオリーから、ネットの深淵で囁かれる裏技、そしてプロの捕獲業者が使う禁断の手法まで、綺麗事抜きの「捕獲術」を全て吐き出します。
この記事を読み終える頃、あなたの手には新たな「武器」が握られているはずです。さあ、あの賢い毛玉との知恵比べ、ここからが延長戦の本番です。
【この記事の結論:捕獲器に入らない猫へのファイナルアンサー】
猫が捕獲器に入らない時は、猫の「恐怖心」と「食欲」の天秤を操作するしかありません。現状打破の鍵は以下の4段階です。
- カモフラージュの徹底:金属の冷たさを消すために、底にダンボールや土を敷き、全体を草木やゴミ袋で覆う(視覚と触覚の欺瞞)。
- 餌のグレードアップ:唐揚げ、焼きかつお、またたびを使用し、匂いで理性を飛ばす(嗅覚への攻撃)。
- 仕掛けの変更:踏板式がダメなら、紐で扉を閉める「手動式」か、上から被せる「吊り下げ式(ドロップトラップ)」へ移行する。
- 最終手段:獣医師処方の鎮静剤、またはプロ業者への依頼。
この記事では、これらを具体的に「どうやるか」を深掘りします。
まず、深呼吸しましょう。相手は野生(あるいはそれに近い環境)で生き抜いてきた猛者です。警戒心が強いのは、彼らが生き残るために必要だった能力そのものです。猫が捕獲器に入らない時は、彼らの生存本能があなたの罠を「死の危険」と判定している状態です。
一般的に、保護活動の入門書には「捕獲器を設置し、美味しいご飯を奥に置く」と書いてあります。もちろん、生後数ヶ月の子猫や、人に慣れた捨て猫ならこれでイチコロでしょう。しかし、地域のボス猫や、過去に怖い思いをした経験のある猫はそうはいきません。
彼らにとって、捕獲器という物体は「異物」です。いつも通る道に突然現れた、銀色に光る金網の箱。底面は冷たく、踏むとカチャカチャと音がする。こんなもの、私だって入りたくありません。
基本対策として見直すべきは、「異物感の排除」です。捕獲器を「ただのトンネル」あるいは「安全な隠れ家」だと誤認させる必要があります。まだ金属むき出しのままで設置していませんか? 新聞紙を一枚敷いただけになっていませんか? それでは、歴戦の野良猫たちの警戒アラートは鳴り止みません。
警戒心の強い猫への基本対策とコツ
猫が捕獲器に入らない時は
警戒心の強い猫
一度捕獲器に入った猫
ダンボール
またたび
猫が捕獲器に入らない時は、まずダンボールや草木で捕獲器を隠すカモフラージュを試みましょう。警戒心の強い猫や一度捕獲器に入った猫は金属の質感を嫌うため、足元に土や新聞紙を敷くのも有効です。また、またたびや好物の匂いで誘引するなど、捕獲失敗を防ぎ「もう来ない」状況を避けるための基本テクニックを解説します。
- 捕獲失敗でもう来ない?まずは焦らず野良猫の行動を観察する
- 警戒心の強い猫にはダンボールや草木で捕獲器をカモフラージュ
- またたび等の匂いで誘う!食欲を刺激する捕獲のコツ
- 一度捕獲器に入った猫は学習済み!通常設置では入らない理由
捕獲失敗でもう来ない?まずは焦らず野良猫の行動を観察する
一度仕掛けて失敗した。バシャンと扉が閉まる音に驚いて逃げてしまった。あるいは、踏板の手前で餌だけ食べて去っていった。こうなると、「もう二度と来ないんじゃないか」という不安に襲われますよね。
実際、捕獲失敗の直後は、猫は強烈な警戒モードに入ります。これを「トラップシャイ」と呼んだりしますが、ここで焦って翌日に場所を変えて設置したり、追い回したりするのは最悪の手です。
まずは「兵糧攻め」と「観察」です。
現場での鉄則ですが、捕獲に失敗したエリアでは、一旦捕獲器を撤去し、数日間は「ただ美味しいご飯をくれる人」に戻る勇気が必要です。定点カメラやトレイルカメラを持っているなら、ぜひ設置してください。最近は安価な見守りカメラも増えています。
彼らが「どのルートから現れるか」「何時頃に来るか」「周囲をどう警戒しているか」をデータ化するのです。驚くべきことに、猫によっては「捕獲器の裏側から匂いを嗅ぐ癖がある」とか「必ず右側の草むらから様子を伺う」といったルーティンを持っています。
もし、姿を見せなくなったとしても、完全にテリトリーを捨てたわけではないケースが大半です。ほとぼりが冷めるのを待っているだけ。ここで人間の側が根負けして餌やりを止めてしまえば、それこそ「もう来ない」現実を作ってしまいます。焦らず、彼らの空腹が警戒心を上回るタイミングを待ちましょう。
警戒心の強い猫にはダンボールや草木で捕獲器をカモフラージュ
さて、ここからが具体的な工作の時間です。警戒心の強い猫を欺くための必須アイテム、それは「ダンボール」と「現地のゴミ」です。
捕獲器の底の金網、あれは猫にとって「不快な足場」以外の何物でもありません。特に肉球が敏感な猫は、金網の上を歩くのを極端に嫌がります。
そこで、捕獲器の底には必ずダンボールか、厚手のペットシーツ、あるいは新聞紙を敷き詰めてください。ただし、新しいダンボールの匂いすら嫌う猫もいます。その場合は、現地の土や砂をその上に撒くのです。
さらに、捕獲器全体をダンボールや黒いゴミ袋、あるいは麻袋で覆います。これは二つの意味があります。一つは「奥が行き止まりに見えないようにする(暗くすることで奥行きをごまかす)」効果、もう一つは「捕獲後のパニック防止」です。
究極のカモフラージュは、現地の草木を使うことです。捕獲器の上に、その辺に生えている雑草や枝を被せ、あたかも「草むらの中に自然にできたトンネル」を演出します。
私が知っている凄腕のボランティアさんは、捕獲器の中にまで現地の枯葉を敷き詰め、もはや人工物が全く見えない状態にして成功させていました。「森の一部」になりきらせるのです。
またたび等の匂いで誘う!食欲を刺激する捕獲のコツ
視覚をごまかしたら、次は嗅覚への総攻撃です。
「お腹が空けば入る」というのは半分正解で半分間違いです。極限の空腹状態なら石ころ以外は何でも食べますが、都市部の野良猫は意外とグルメです。誰かがこっそりキャットフードを与えている可能性もありますからね。
ここで登場するのが、悪魔的な魅力を持つ「強力な匂いの餌」です。
定番の唐揚げ(衣を少し剥がして匂いを出す)、焼き魚、焼いたベーコン。そして、猫界の麻薬こと「またたび」です。
ただし、またたびは個体差が激しく、泥酔して捕獲器の外で転げ回るだけで終わる子もいれば、全く反応しない子もいます。あくまで補助的な「呼び水」として使うのがコツです。
私が推奨する「誘導の黄金比」は以下の通りです。
- 入り口付近:安価なドライフードや煮干しを少しだけ(試食コーナー)。
- 中央部分:ちゅ~るやウェットフードを点々と(食欲のエンジンをかける)。
- 一番奥(踏板の奥):温めたフライドチキン、または焼き立てのサンマ(理性を破壊するメインディッシュ)。
ポイントは「温める」こと。匂いの粒子は温度が高いほど拡散します。冬場ならホッカイロの上に皿を置くのも裏技です。
以下の表に、私が現場で検証した「餌の誘引力ランク」をまとめました。
| ランク | 餌の種類 | 特徴と注意点 |
| SS | コンビニのホットスナック(チキン) | 油とスパイスの匂いが強烈。塩分過多なので捕獲時限定の禁じ手。 |
| S | 焼きカツオ・焼きササミ | 猫の好物王道。少し火で炙ると効果倍増。 |
| A | 黒缶・ウェットフード | 定番だが、風が強い日は匂いが飛びやすい。 |
| B | またたび粉 | 好きな子は狂喜乱舞するが、効かない子も多い。スプレータイプは香りが弱い。 |
| C | いつものカリカリ | 警戒心が勝っている時は見向きもされないことが多い。 |
一度捕獲器に入った猫は学習済み!通常設置では入らない理由
ここからが、さらに厄介なケースの話です。「一度捕獲器に入った猫」、つまり過去にTNRで捕獲された経験があるか、あるいは捕獲器に入ったものの脱走に成功した経験を持つ猫です。
彼らは「踏板を踏む=ガシャンと閉まる=怖い目に遭う」という因果関係を完全に学習しています。これを甘く見てはいけません。猫の記憶力は、恐怖体験に関しては驚異的です。
このタイプの猫に対して、通常の「踏板式捕獲器」をそのまま設置するのは、人間で言えば「落とし穴があると分かっている道を歩け」と言っているようなものです。彼らは入り口まで来て、首を伸ばして手前の餌だけを食べ、踏板の手前で器用にUターンして帰っていきます。これを見せつけられると、人間の方が心が折れそうになりますよね。
彼らが恐れているのは「箱そのもの」よりも、「足元の板が動く感覚」と「金属音」である場合が多いです。したがって、踏板を隠したり、踏板を経由せずに餌を取れない構造にする必要がありますが、通常の捕獲器では限界があります。
ここからは、物理的なメカニズムを変える戦いになります。
どうしても捕まらない猫への応用編!猫が捕獲器に入らない時は手動やプロの技を検討
「待っていてもダメなら、こちらから仕掛ける」。これがどうしても捕まらない猫への鉄則です。
自動で閉まるのを待つのではなく、猫が完全に入ったことを人間が目視で確認し、人間のタイミングで扉を閉める。これが「手動捕獲」への切り替えです。
これには根気と時間が必要ですが、確実性は段違いです。猫が「踏板を避ける」という行動をとっても関係ありません。お尻までしっかり入った瞬間に扉を閉めれば良いのですから。
また、そもそも箱型を拒否する猫には、上から網を降ろす「ドロップトラップ」などのプロ用機材が必要になります。これらは個人で購入するには高価で保管場所も取りますが、レンタルを行っている保護猫団体もあります。
環境省の「動物の愛護及び管理に関する法律」関連情報でも、動物愛護管理の観点から適切な保護活動が推奨されていますが、無理な捕獲は猫を傷つけるリスクもあります。手動やプロの技は、そのリスクを管理する上でも有効な選択肢です。
どうしても捕まらない猫へ手動やプロ技
どうしても捕まらない猫
手動
吊り下げ式
プロ
鎮静剤
基本対策でもどうしても捕まらない猫には、紐を使った手動式や吊り下げ式捕獲器への変更が効果的です。自作の仕掛けや鎮静剤の使用は獣医師やプロの助言を仰ぎましょう。難易度の高い野良猫相手でも、適切な道具と手順を踏めば成功率は上がります。安全な捕獲のために、状況に応じた最適な方法を選択することが重要です。
- 紐を使った自作の仕掛けでタイミングを狙う手動捕獲
- 踏板を避ける賢い猫には吊り下げ式捕獲器が効果的
- 獣医師と相談して鎮静剤を使用する場合の手順と注意点
- 自力では困難な場合にプロの捕獲業者へ依頼するメリット
- 猫が捕獲器に入らない時は根気強くチャンスを待つ(まとめ)
紐を使った自作の仕掛けでタイミングを狙う手動捕獲
最も手軽で、かつ効果絶大なのが「紐(ひも)を使った手動化」です。
多くの捕獲器は、踏板と扉のロック機構が連動していますが、これを解除し、扉を支える棒(つっかえ棒)に長い紐を結びつけます。
具体的な手順は以下の通りです。
- 捕獲器の扉を開けた状態で固定するフックを無視し、扉を持ち上げた状態で、500mlのペットボトルや木の棒で支えます。
- その支え棒に長い紐(タコ糸など)を結びつけます。
- 紐の反対側を、10メートル以上離れた隠れ場所まで引きます。
- 猫が捕獲器の奥まで入り、夢中で餌を食べているのを確認したら、紐を強く引きます。
- 支え棒が外れ、扉が落ちてロックがかかります。
この方法の最大のメリットは、「尻尾の挟み込み事故」を防げることと、「ターゲット以外の猫(手術済みの猫など)が入ってもスルーできる」ことです。
自作の仕掛けと言っても、構造は単純な物理法則です。ただし、タイミングが命。瞬き厳禁の張り込み捜査となります。冬場は寒さとの戦いになりますが、ターゲットの猫が入った瞬間のアドレナリンは、何にも代えがたいものがあります。
ここでは、実際に私のブログやSNSに寄せられた、綺麗事ではない泥臭い相談にお答えします。
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捕獲器を仕掛けたら、近所の住人に「虐待だ!警察呼ぶぞ」と怒鳴られました。TNRだと説明しても聞く耳を持ちません。どうすればいいですか?(30代女性)
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辛いですよね、わかります。でも、そこで感情的に言い返したら負けです。「猫を助ける正義」は、猫嫌いの人や無関心な人には「迷惑な餌やり」とセットに見えていることが多いのです。
まずは「糞尿被害を減らすためにやっている」というメリットを強調してください。そして、可能なら町内会長や自治体の担当者を味方につけること。「個人の趣味」ではなく「公衆衛生のための地域活動」という外堀を埋めるのが、警察を呼ばれた時の最強の防御になります。それでもダメな相手なら、深夜や早朝、その人が寝ている時間を狙うしかありません。ゲリラ戦です。
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どうしても捕まらないボス猫がいます。捕獲器の周りでスプレー(おしっこ)をして、中に入らず去っていきます。完全に舐められていますか?(40代男性)
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舐められているのではなく、そこが彼の「シマ(縄張り)」であると主張しているのです。捕獲器という異物に対してマーキングで上書きしようとしているんですね。
これはある意味、チャンスです。彼はその場所に執着しています。捕獲器の位置を数センチずらす、あるいは捕獲器の上に彼の尿のついた土や草を乗せて「自分のテリトリーの一部」と錯覚させる方法があります。逆に、他の猫の匂いがついた捕獲器だと対抗心で入ることもあります。心理戦ですね。
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捕獲器の中にタヌキが入っていました…。どうしたらいいですか?(匿名希望)
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野良猫捕獲あるあるの筆頭、タヌキ(またはハクビシン)案件ですね。正直、めちゃくちゃ臭いですし、凶暴なので怖いです。
絶対に手を出さず、扉を開けて逃がしてください。彼らも被害者です。問題はその後。タヌキの強烈な獣臭がついた捕獲器には、猫はまず寄り付きません。熱湯とハイターで徹底的に洗浄し、数日は天日干ししないと使い物になりません。タヌキが入る=餌の匂いが漏れすぎている証拠でもあるので、次はもう少し餌の配置を工夫しましょう。
踏板を避ける賢い猫には吊り下げ式捕獲器が効果的
さて、手動の紐式でも、そもそも「箱に入ること自体」を拒否する猫には通用しません。地面にある「底板」を絶対に踏まない猫たちです。
ここで登場するのが、最終兵器「吊り下げ式捕獲器(ドロップトラップ)」です。
これは、底板がありません。大きな木枠の網を、斜めに持ち上げて支えておき、猫がその下に入ってご飯を食べ始めたら、支えを外して上から「バサッ」と網を被せる仕組みです。
猫にとっては、地面はいつもの土やアスファルトのまま。ただ頭上に何かあるだけなので、警戒心が劇的に下がります。
この方法は、親子連れをまとめて捕獲したい時や、極度の警戒心を持つ猫に最強の効果を発揮します。ただし、設置には広いスペースが必要ですし、捕獲した後に網から通常のケージ(キャリー)に移し替える作業が難易度S級です。ここで逃がしてしまうリスクが非常に高い。
もし導入する場合は、必ず経験豊富なボランティアの手を借りるか、YouTubeなどで移し替えの手順を何十回も見てイメトレしてから挑んでください。
獣医師と相談して鎮静剤を使用する場合の手順と注意点
「もう何ヶ月も捕まらない。怪我が悪化している。このままでは死んでしまう」
そんな切迫した状況では、薬物に頼るという選択肢も浮上します。鎮静剤(エースプロマジンなど)をご飯に混ぜて、動きが鈍くなったところを保護する方法です。
しかし、これは「諸刃の剣」です。ネットの噂だけで安易に手を出してはいけません。
なぜなら、薬が効いてふらつき出した猫が、パニックになって道路に飛び出したり、縁の下の奥深くに入り込んでそのまま意識を失ったりするリスクがあるからです。冬場ならそのまま低体温症で命を落とす危険すらあります。
必ず協力してくれる獣医師を見つけ、処方してもらうこと。そして、薬を飲ませた後は、絶対に目を離さず、猫がどこへ向かうかを追跡できる体制(複数人での包囲網など)を整えてから実行してください。これはTNRというより、もはや「医療的介入を伴う救助作戦」です。
日本獣医師会のような専門家の指針を参考にしつつ、信頼できる獣医との連携が不可欠です。独断での投薬は絶対NGです。
自力では困難な場合にプロの捕獲業者へ依頼するメリット
ここまでやってもダメなら、あるいはご自身の時間や体力に限界が来たら、「プロ」に頼ることを恥じないでください。世の中には「便利屋」の延長ではなく、動物捕獲を専門とするプロフェッショナルが存在します(いわゆるペット探偵や捕獲代行業者)。
彼らは、独自の巨大な捕獲器や、赤外線センサー付きの自動落下装置、そして何より「猫の心理を読む経験値」を持っています。費用は数万円〜とかかりますが、あなたが仕事や睡眠時間を削るコストと、猫の命の期限を天秤にかければ、決して高くはない投資かもしれません。
ただし、業者選びは慎重に。「確実に捕まえます(嘘)」「前金で全額(詐欺)」という悪徳業者も悲しいかな存在します。実績、口コミ、そして「捕獲後の扱い(乱暴ではないか)」をしっかりリサーチしてから依頼しましょう。
以下の表で、捕獲方法ごとの難易度と推奨ケースを整理しました。
| 捕獲方法 | 難易度 | コスト | 推奨される猫のタイプ |
| 通常設置(踏板式) | 低 | 低 | 子猫、人慣れした猫、空腹の猫 |
| 手動式(紐張り) | 中 | 低 | 踏板を避ける猫、特定のターゲットのみ捕まえたい時 |
| 吊り下げ式(ドロップ) | 高 | 中〜高 | 極度の警戒心を持つ猫、親子連れ、怪我猫 |
| 鎮静剤使用 | 超高 | 中 | 捕獲器完全拒否で、かつ緊急性が高い場合(要獣医) |
| プロ業者依頼 | なし | 高 | 全ての手段が尽きた時、飼い主の限界が来た時 |
猫が捕獲器に入らない時は根気強くチャンスを待つ(まとめ)
長い戦い、お疲れ様です。
猫が捕獲器に入らない時は、まるで自分の無力さを突きつけられているようで、心がすり減りますよね。「もう来ないかもしれない」という不安と、「助けたい」という願いの板挟み。
でも、忘れないでください。あなたが諦めた瞬間、その猫の「人間に頼れるチャンス」はゼロになります。
今日ダメなら明日。明日ダメなら来週。手動がダメなら吊り下げ式。唐揚げがダメなら焼きカツオ。
「どうしても捕まらない猫」はいません。いるのは「まだ捕まるタイミングが来ていない猫」だけです。
私が知っているある現場では、半年間通い詰め、最後は雪の日にやっと入ってくれた猫がいました。その猫は今、ボランティアさんの膝の上で、あの時の鋭い眼光が嘘のように喉を鳴らして眠っています。
あなたのその執念は、必ず猫に伝わります。いや、猫との知恵比べを楽しんでやるくらいの図太さを持ってください。
明日の朝、あの「ガシャン」という音が、希望のファンファーレとして鳴り響くことを祈っています。
さて、今夜もまた、美味しい匂いのする仕掛けを準備しましょうか。戦いはこれからですよ。
参考






