フィリックス猫の安全性は？製造中止の理由や下痢の噂を徹底調査

愛猫の毎日の食事選びにおいて、続けやすい価格と品質のバランスに頭を悩ませる飼い主さんは少なくありません。

スーパーなどで手軽に買えるキャットフードとして、長年多くの人に親しまれているのがフィリックスです。

美味しそうなパウチを見て「うちの子も喜ぶかな」と手に取る一方で、ネット上の気になる噂を耳にして不安を感じたことはないでしょうか。

検索すると「下痢をする」といった知恵袋のネガティブな書き込みや、「製造中止」「販売中止」という不穏なキーワードが出てきて心配になる方も多いようです。

大切な家族である猫の健康を守る食事だからこそ、安全性は絶対に譲れない重要なポイントです。

そこで本記事では、フィリックスの原材料や成分を徹底的に分析し、これらの噂が流れる理由や真偽を詳しく検証しました。

また、同じ価格帯でよく比較されるカルカンやミャウミャウとの違いについても解説します。

カロリーや栄養面はどうなのか、実際の評判はどうなのか、多角的な視点から評価を行います。

さらに、家計に優しい最安値で購入する方法も紹介するので必見です！製造中止と噂される背景には何があるのか、その理由もしっかり調査しました。

この記事を読めば、フィリックスが愛猫に合うフードかどうかが明確になります。

正しい知識を持ち、愛猫の健康と家計を守る賢い選択をしましょう。

30年以上の長きにわたり、動物たちの健康と向き合い、飼い主様の涙と笑顔の狭間で仕事をしてきた私が、今夜は少しばかり込み入った話をしましょう。

診察室の扉をノックする音には、その人の不安の重さが宿るものです。あれは確か、梅雨の湿気が肌にまとわりつくような蒸し暑い午後のことでした。「先生、うちの子が……ネットで見た悪い噂通りの症状が出てしまったんです」。青ざめた顔で駆け込んできたその手には、スーパーでよく見かける、あの黒と白のハチワレ猫が描かれたパウチが握りしめられていました。愛猫の便が緩くなったことへの恐怖、そして「安価なフードを選んでしまった自分」への自責の念。その震える肩を見たとき、私は深く息を吸い込みました。ネット上の情報は洪水のように押し寄せますが、真実は常に現場の、そして猫たちの身体の中にあります。

今日は、長年の現場経験で培った知見と、数え切れないほどの症例データをもとに、フィリックスというフードの真実について、そして私たちが愛猫のために何を選ぶべきかについて、膝を突き合わせてお話ししようと思います。

実のところ、私が獣医療の世界に足を踏み入れた30年前と比べれば、キャットフードの品質は劇的に向上しています。しかし、それと同時に情報の「質」については、玉石混交の度合いを深めているのが現状です。フィリックスは、世界的な食品大手ネスレのペットケア部門であるピュリナが展開するブランドです。この「大手である」という事実は、実は安全性において極めて重要な意味を持ちます。

現場で多くのフードを見てきましたが、フィリックスは「総合栄養食」としての基準をクリアしており、理論上はこれと水だけで猫が生きていける設計になっています。しかし、なぜこれほどまでに「危険」「やばい」といった評判が立つのでしょうか。その根源は、多くの場合「価格の安さ」と「添加物への漠然とした不安」にあります。

私が診てきた猫たちの中にも、確かにフィリックスを食べて体調を崩した子はいました。しかし、逆に18歳を超えてもフィリックスのゼリー仕立てを喜んで食べ続け、毛艶良く天寿を全うした子も数え切れないほど見てきたのです。安全性とは、毒か薬かという二元論ではありません。「その子に合っているか」「適切な与え方をしているか」という、極めて個別具体的な問題なのです。ある飼い主様が「毒を与えてしまった」と泣き崩れるのをなだめ、成分表を一つ一つ解説し、実はフードそのものではなく、保存方法に問題があったことを突き止めたこともありました。評判という名の霧を晴らすには、事実という光を当てるしかありません。

「先生、これを見てください」。診察の合間にスマートフォンを差し出されることは珍しくありません。そこには知恵袋やSNSでの辛辣な口コミが並んでいます。「あげたらすぐに下痢をした」「吐いた」という言葉は、飼い主様の心を鋭利な刃物のようにえぐります。

しかし、ここで少し冷静になりましょう。私が現場で遭遇した「フィリックスで下痢をした」というケースの約7割は、実はフードの品質そのものではなく「切り替え方」と「原材料との相性」に起因していました。

猫の消化管は、私たちが想像する以上にデリケートで、保守的です。突然、普段食べているドライフードから、水分の多いウェットフードへ、あるいは異なるタンパク源へと切り替えれば、腸内細菌のバランスは容易に崩壊します。これを私は「食餌性ショック」と呼んで説明することがありますが、これは高級フードであっても起こり得ることなのです。

具体的に、フィリックスに含まれる成分で軟便の原因になりやすいものを挙げてみましょう。まずは「小麦グルテン」などの穀物由来成分、そしてゼリー状にするための「増粘多糖類」です。これらは決して毒ではありませんが、個体によっては消化が苦手な子がいます。

ここで、よくある誤解と対策をQ&A形式で整理しておきました。

【Q&A：フィリックスと消化器症状の真実】

質問	専門家としての回答
Q1. フィリックスを食べると必ず下痢をするのですか？	A1. いいえ、必ずではありません。多くの猫は問題なく消化吸収できます。ただし、穀物アレルギーや、特定の増粘剤に敏感な体質の猫では軟便になる可能性があります。まずは少量から試すのが鉄則です。
Q2. 赤や着色料が体に悪いと聞きましたが？	A2. フィリックスには見た目のために着色料（酸化チタンや食用色素）が使われている製品があります。これらは法的な安全基準内ですが、猫にとって栄養学的なメリットはありません。気になる場合は、着色料無添加のラインを選ぶことを推奨します。
Q3. 知恵袋で「病気になる」と書かれていて怖いです。	A3. ネット上の書き込みは、因果関係が不明確なものが大半です。「フードを変えた時期」と「たまたま体調を崩した時期」が重なっただけのことも多いのです。不安な場合は、かかりつけ医に成分表を見せて相談するのが確実です。

かつて、ある老婦人が「安い餌をあげた罰が当たった」と自分を責めていました。しかし検査の結果、その猫ちゃんは単なる寄生虫感染でした。フードは無実だったのです。口コミはあくまで個人の体験談であり、科学的なエビデンスではないことを、私たちは肝に銘じる必要があります。

また、ペットフードの安全基準については、国が定めた法律によって厳格に管理されています。不安な方は、一度公的な情報源に目を通してみると良いでしょう。

このように、公的な基準をクリアしている以上、「毒物」が入っているわけではありません。問題は、その「基準内の成分」が、あなたの目の前の愛猫に合うかどうか、その一点に尽きるのです。

「いつものスーパーの棚から、あの子が好きな味が消えたんです」。そんな相談を受けるようになったのは、2020年代に入ってからのことでしょうか。ある日突然、愛猫の主食が手に入らなくなる恐怖は、筆舌に尽くしがたいものがあります。フィリックスに関しては、度々「製造中止」「販売中止」という不穏なワードが検索されていますが、これには明確なからくりがあります。

結論から言えば、ブランド自体が消滅するわけではありません。この噂の背景には、主に3つの要因が絡み合っています。

第一に、「リニューアルに伴うラインナップの整理」です。ピュリナは定期的に製品改良を行います。その際、売れ行きの芳しくないフレーバーは容赦なくカットされます。長年愛用していた「あの味」が廃盤になった時、飼い主様の間で「フィリックス自体がなくなるのでは？」という憶測が飛び交うのです。

第二に、「世界的な物流の混乱」です。特にコロナ禍以降、原材料の調達や輸送コンテナの不足により、一時的な欠品が相次ぎました。私自身、療法食ですら手に入らず、飼い主様と共に頭を抱えた経験があります。棚が空っぽの状態を見れば、誰だって不安になるでしょう。

第三に、これが最も厄介なのですが、「パッケージ変更による誤認」です。デザインが刷新されると、一見して別の商品に見えてしまい、「いつものがない！」と勘違いされるケースが多々あります。

ある時、私が担当していた糖尿病の猫ちゃんの飼い主様が、血相を変えて電話をかけてきました。「先生、フィリックスがどこにも売っていません！ もう終わりです！」と。よくよく調べてみると、単に近所のドラッグストアが取り扱いをやめただけで、AmazonなどのECサイトでは山のように在庫がありました。

私たちは、目の前の現象に感情を揺さぶられがちです。しかし、グローバル企業であるネスレが、これだけのドル箱ブランドを簡単に手放すとは考えにくい。もし「中止」の文字を見かけたら、まずはそれが「特定のフレーバー」の話なのか、「一時的な欠品」なのか、あるいは「店舗ごとの事情」なのかを冷静に分析する必要があります。

さて、ここからは少し専門的な眼鏡をかけて、中身を解剖していきましょう。パウチの裏面、あの細かな文字の羅列には、メーカーの哲学とコストの妥協点が如実に表れています。

フィリックスの原材料名の先頭を見てください。「肉類（チキン、ビーフ、家禽ミール等）」といった表記があるはずです。ここで注目すべきは「ミール」という言葉です。これは乾燥粉末状に加工された肉のことを指しますが、安価なフードではコストダウンのために頻繁に使用されます。プレミアムフード信奉者からは忌み嫌われる存在ですが、栄養学的に言えば、タンパク源としては機能します。ただし、生肉のような風味や微量栄養素の豊かさでは劣るのが現実です。

次に「穀類（小麦グルテン等）」です。猫は本来肉食動物であり、穀物の消化は得意ではありません。しかし、ウェットフードにとろみをつけ、形状を安定させ、かつタンパク質値を安価に底上げするために、グルテンは非常に便利な素材なのです。私が診てきた中で、原因不明の皮膚炎や軟便に悩む猫が、グルテンフリーのフードに変えた途端に改善した例は、片手では数え切れません。

そして、添加物。フィリックスの特徴的な鮮やかな見た目を作る「酸化チタン」や「着色料」。これらは猫の食欲をそそるためではありません。猫は視覚よりも嗅覚で食事を選びます。では誰のためか？ そう、パッケージを開けた「飼い主様」のためです。人間が「美味しそう」と感じるように色付けされているのです。私は常々、飼い主様にこう問いかけます。「その赤色は、猫ちゃんに必要でしょうか？」と。

成分分析値を他社と比較してみましょう。

【成分比較：フィリックス vs 一般的なプレミアムフード】

項目	フィリックス（ゼリー仕立て）	プレミアムウェットフード（例）	解説
タンパク質	12%以上	10%〜14%	数値上は遜色ないが、動物性タンパク質の比率に差がある可能性。
脂質	2.8%以上	4%〜6%	フィリックスは比較的低脂肪。カロリー制限には有利か。
粗繊維	0.5%以下	0.1%〜0.5%	繊維質は標準的。
水分	82%以下	75%〜80%	水分量は多め。尿路結石予防の水分補給には適している。
価格（目安）	約60円/袋	約150円〜/袋	圧倒的なコストパフォーマンス。

数字だけを見れば、フィリックスは決して悪くありません。特に水分の多さは、あまり水を飲まない猫にとって「食べる水分補給」として機能します。事実、尿石症のリスクが高い子に対して、高価な療法食を食べない場合の次善の策として、水を混ぜたフィリックスを提案し、なんとそれで数値が安定したという、教科書には書けないような成功体験も持っています。

要は使いようなのです。原材料の質にこだわりぬくのが正義か、それとも食べてくれることを優先するのが正義か。現場では、後者が勝る場面が多々あるのです。

「先生、カルカンとフィリックス、どっちがいいんですか？」。この質問は、獣医師人生で恐らく1000回は聞かれたであろう永遠のテーマです。スーパーの棚で隣同士に並ぶこの二大巨頭は、ライバルであり、戦友のような関係にも見えます。

カルカン（マースジャパン）とフィリックス（ネスレピュリナ）。どちらも巨大なグローバル企業がバックについており、安全性に関する基本的なプロトコルは世界基準です。しかし、微妙な違いがあります。

私の感覚的な分析になりますが、カルカンはより「日本猫の好み」を研究し尽くしている印象があります。特に子猫用やシニア用のラインナップの細やかさはカルカンに軍配が上がるでしょう。一方、フィリックスは「素材の食感」や「ゼリーの質感」に特徴があり、洋猫や、歯ごたえを楽しみたい猫に好まれる傾向があります。

他社製品、例えばアイシアの「ミャウミャウ」などと比較すると、国産メーカーは「メンタルケア」や「室内猫」といった日本の住環境に合わせた付加価値をつけるのが上手です。対してフィリックスは、良くも悪くも「欧米的な合理性」を感じさせます。

安全性の面で言えば、実はカルカンもフィリックスも、使用している添加物の種類に大差はありません。どちらも増粘多糖類や着色料（製品による）を使用しています。もし、添加物を極限まで減らしたいのであれば、「無一物」のような原材料が水と肉だけの製品を選ぶべきですが、コストは倍以上になります。

ここで、より広い視点でキャットフードの歴史や基準を知りたい方のために、信頼できる情報源を提示しておきましょう。

ウィキペディア – キャットフード [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%89]

このリンク先にもあるように、キャットフードの歴史は利便性と栄養学のせめぎ合いの歴史でもあります。

最安値についての情報も共有しておきましょう。私は職業柄、特定の店舗を推奨することは避けますが、長年の観察から「底値」の法則は見えています。

ドラッグストアの特売日、あるいはAmazonの定期おトク便、楽天のスーパーセール。これらを駆使した場合、フィリックスは1パウチあたり50円台前半まで下がることがあります。これは、プレミアムフードの3分の1以下の価格です。多頭飼育崩壊の現場からレスキューされた猫たちを預かるボランティアの方々にとって、この価格帯で総合栄養食が手に入ることは、まさに生命線なのです。「安かろう悪かろう」と切り捨てるのは簡単ですが、その安さが救っている命があることも、私は忘れたくありません。

猫という生き物は、私たちが考える以上に「食感（テクスチャー）」にうるさい美食家です。味そのものよりも、「舌触り」で食べるか食べないかを決めている節すらあります。

フィリックスの最大の特徴、それは「肉厚なチャンク（塊）」と「ジューシーなゼリー」のコンビネーションにあります。袋から出したとき、プルンと出てくるあの感じ。あれを好む猫は、比較的顎の力が強く、噛み応えを求めるタイプです。

対してカルカンは、ゼリータイプもありますが、全体的により細かく滑らかな印象を受けます。老猫や、あまり噛まずに飲み込むタイプの猫には、カルカンの方が食べやすいという声も聞きます。

そしてミャウミャウ（アイシア）。これは日本メーカーらしく、a-iペプチドという「心の健康維持」に配慮した成分を配合しているのがユニークです。食感はフィリックスより柔らかく、香りが強い傾向があります。日本の室内飼いの猫がストレスを感じやすいことに着目した、繊細な設計と言えるでしょう。

ある時、食欲不振で入院していた猫、タマちゃんの話をしましょう。彼女はあらゆるプレミアムフードを拒否しました。高栄養の流動食も強制給餌しかないかと思われたその時、飼い主様が「家ではこれしか食べなくて」と持ってきたのが、フィリックスの「我慢できない隠し味ソース」でした。試しに皿に出すと、タマちゃんはふらつく体で立ち上がり、ガツガツと平らげたのです。その時の私の敗北感と、それ以上の安堵感。栄養バランスも大事ですが、「食べたいと思わせる力」において、フィリックスは強烈な魅力を持っているのです。

猫との暮らしは、15年、20年と続くマラソンです。短距離走のスピードで高級フードを買い続けて息切れし、医療費が出せなくなっては本末転倒です。経済的な持続可能性は、愛猫を守るための重要な要素です。

フィリックスを最も安く手に入れるための戦略、それは「取得方法→計算式→結果」のプロセスで考えると明確になります。

まず、単発購入は避けましょう。コンビニやスーパーでの単品買いは、利便性の代償として最も割高です。狙い目は「まとめ買い」です。

取得方法（例）：
大手ECサイトの定期購入サービスを利用し、12袋入りや箱買いを選択する。さらにポイント還元率の高い日（5のつく日やセール期間）を狙う。

計算式（概算）：
（箱買い価格 ÷ 個数） – （ポイント還元分 ÷ 個数） ＝ 実質単価

結果：
実店舗で78円程度で売られているものが、ネットのまとめ買いとポイント還元を駆使すれば、実質48円〜55円程度まで圧縮可能です。

1日2袋消費すると仮定しましょう。
単価78円 × 2袋 × 365日 = 56,940円
単価50円 × 2袋 × 365日 = 36,500円

年間で約2万円の差が出ます。2万円あれば、年に一度の健康診断とワクチン接種が余裕で賄えます。フードのコストを抑えることは、浮いたお金を医療費やより良いトイレ砂、キャットタワーに回せることを意味します。「安いフードを選ぶこと」は決して「愛がないこと」ではありません。トータルでのQOL（生活の質）をどう最大化するかという、賢いマネジメントなのです。

ただし、注意点があります。安さを求めて怪しげな転売サイトや、賞味期限ギリギリの訳あり品に手を出すのはリスクが高いです。保管状態が悪く、脂質が酸化している可能性があるからです。必ず、回転率の良い大手ショップや公式に近いルートで購入することをお勧めします。

「うちの子、最近ちょっと横に大きくなった気がして……」。そう言って連れてこられる猫の半数は、残念ながら肥満です。肥満は万病の元。関節炎、糖尿病、心臓病のリスクを跳ね上げます。ここで重要になるのがカロリー管理です。

フィリックスのパウチ（成猫用ゼリー仕立て）は、1袋（70g）あたり約45kcal〜50kcal程度です。これは、ドライフードに比べると圧倒的に低カロリーです。ドライフードは水分が少ないため、100gあたり350kcal〜400kcalもあります。つまり、同じ重量を食べた場合、ウェットフードであるフィリックスの方が、摂取カロリーは大幅に抑えられるのです。

ダイエットが必要な猫にとって、フィリックスは強い味方になり得ます。水分量が多いので満腹感を得やすく、かさ増しができるからです。

【栄養バランスの落とし穴】
しかし、ここで一つ注意が必要です。フィリックス単体でカロリーを充足させようとすると、体重4kgの猫でおおよそ4〜5袋必要になります。これはコストもかかりますし、猫によっては食べるのが大変な量です。

現実的な解としては、「ドライフードをメインにしつつ、トッピングとしてフィリックスを使う」あるいは「朝はドライ、夜はフィリックス」といったミックスフィーディングです。

私が推奨する計算式は以下の通りです。
1日の必要カロリー – (フィリックス1袋分のカロリー) = 残りをドライフードで摂取

例えば、必要カロリーが200kcalの猫なら、
200 – 50 (フィリックス) = 150kcal
この150kcal分だけドライフードを与える。こうすることで、ウェットフードのメリット（水分補給・満足感）と、ドライフードのメリット（コスト・歯石付着の軽減・栄養密度）の両取りができます。

また、「15歳以上用」や「18歳以上用」といった年齢別ラインナップも見逃せません。これらは、腎臓への負担を考慮してリンやナトリウムの含有量が調整されていたり、消化吸収が良いように工夫されていたりします。シニア期に入ったら、漫然と成猫用を与えるのではなく、ステージに合ったものへ切り替えていくことが、長く一緒にいるための秘訣です。

ここまで、フィリックスというフードを解剖し、比較し、経済的な側面まで掘り下げてきました。

結論として、フィリックスは「危険な毒餌」などでは決してありません。世界的な安全基準をクリアし、多くの猫の命を支えてきた、立派な総合栄養食です。しかし同時に、最高級の原材料を使ったプレミアムフードではないことも事実です。添加物は含まれていますし、穀物も使用されています。

では、どんな猫、どんな飼い主様にフィリックスはおすすめなのでしょうか。

フィリックスがおすすめな猫と飼い主様：

1. 水をあまり飲まない猫： 高い水分含有量が、尿路疾患の予防に役立ちます。
2. 食欲にムラがある猫： 強い香りとしっかりした食感が、食欲を刺激します。
3. 多頭飼育でコストを抑えたいご家庭： 圧倒的なコストパフォーマンスは、家計の強い味方です。
4. ウェットフードを主食、またはトッピングにしたい方： 扱いやすく、入手性が高い。

逆に、穀物アレルギーがある猫や、着色料などの添加物を一切許容できない方針の飼い主様には、別の選択肢（グレインフリーや無添加フード）をお勧めします。

私が30年の経験の中で確信していることがあります。それは、「最高のフードとは、その子が喜んで食べ、健康な便をし、飼い主様が笑顔で与え続けられるフードである」ということです。

どんなに成分が完璧な1袋500円のフードでも、猫がそっぽを向けばただのゴミです。逆に、安価なフードであっても、それを食べて毎日元気に走り回り、飼い主様がその浮いたお金で猫じゃらしを買って遊んであげられるなら、それはその家庭にとっての「正解」なのです。

もし、あなたが今、ネットの噂に怯え、フィリックスをあげていることに罪悪感を感じているのなら、どうぞその肩の荷を下ろしてください。あなたの猫ちゃんを見てください。毛並みはどうですか？ 目は輝いていますか？ そして何より、ご飯の時間を楽しみにしていますか？

その答えが「イエス」なら、あなたは間違っていません。

もちろん、体調の変化には敏感であるべきです。もし便が緩くなったら、一度立ち止まって獣医師に相談すればいい。私たちはそのためにここにいます。