「猫に特化したブログ」編集長として断言しますが、市販の立派なペットケージに数万円も払うのは、正直もったいないと感じたことはありませんか。
特に子猫の保護や病気の隔離、先住猫との対面など、ケージが必要な場面は突然やってきます。
そんな時、高額な既製品を即決する前に、まずは近所のダイソーやセリアに走るのが、賢い飼い主の選択肢です。
今回は、身近な100均のワイヤーネットを駆使して、コスパ最強のペットケージを手作りする方法を、プロの視点で徹底解説します。
「100均素材なんて強度が不安」というネット上の本音もよく分かりますが、結束バンドの確実な締め方や構造の工夫次第で、猫が暴れても安心な頑丈さは十分に確保可能です。
さらに今回は、多くのDIY初心者が挫折しがちな「扉」の設置についても、専用パーツを使ってスムーズな開閉を実現する裏技を惜しみなく伝授します。
無機質な金網だけでなく、すのこを活用しておしゃれなロフトを作ったり、リビングに馴染む木目調のペットサークルに仕上げたりと、DIYならではのデザイン性も追求しましょう。
猫の習性を熟知した私が、単なる「収容所」ではなく、猫自身がくつろげる快適空間の作り方を詳しくナビゲートします。
さあ、世界に一つだけの愛情たっぷりケージで、愛猫との暮らしをもっと楽しく便利にアップデートしませんか。
猫の保護や脱走を防止するに当たり、100均のペットゲージではやっぱり不安!という方には、ねこ工房社製の専用ペットゲージがお勧めです。
ニャンガードの口コミ・評判については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
記事の要約とポイント
- ダイソーやセリアの100均ワイヤーネットを活用し、市販品より圧倒的に安く、部屋のサイズにぴったりなペットケージを手作りする基本テクニック。
- DIY初心者でも失敗しない!結束バンドやジョイントパーツを駆使して、スムーズな開閉ができる頑丈な扉を作るプロの裏技。
- 無機質なケージをおしゃれに格上げ!すのこを使って猫が喜ぶロフトやベッドスペースを作成し、快適なペットサークルに仕上げるアイデア。
- 猫の習性を考慮した脱走防止策と強度の確保など、作り方だけでなく安全性についても「猫情報のプロ」が本音で解説。
スポンサーリンク
100均でペットケージを手作り!開閉式扉を実現するダイソー・セリアのワイヤーネット活用術
まず、心構えからお話しします。100均で材料を揃えるということは、コストを抑える代わりに「知恵」と「手間」をコストとして支払うということです。
多くの人がやりがちな失敗は、適当にワイヤーネットを買ってきて、適当に結束バンドで縛り、「なんか歪んでるけどまあいいか」と妥協すること。これは断言しますが、猫に見透かされます。そして、その歪みから脱走を許すことになります。
100均DIYの醍醐味は、部屋の形状や猫の成長に合わせて、サイズを自由自在に操れる点にあります。市販のケージは「幅90cm」など規格が決まっていますが、手作りなら「幅85cmの隙間」にジャストフィットさせることも可能です。
この章では、まず基本的な構造について理解しましょう。
ペットケージの骨格となるのは「ワイヤーネット」です。これを「結束バンド」で立体的に組み上げ、床や棚板には「すのこ」や「ジョイントマット」を使用します。そして最大のポイントである「開閉」機能。ここをどう処理するかで、そのケージが「ただの金網の箱」になるか、「機能的な飼育スペース」になるかが決まります。
私が推奨するのは、結束バンドをヒンジ(蝶番)代わりにする簡易的な方法ではなく、100均で売られている「ワイヤーネット専用ジョイント」や「カードリング」「ナスカン」を組み合わせた、カチャッと気持ちよく閉まる開閉システムの構築です。
猫は賢いです。ガタつく扉や、閉まりの甘いロックなど、一瞬で見抜いて前足で器用に開けてしまいます。だからこそ、ここには数百円の追加投資を惜しまないでください。
以下の表に、市販品と手作り品のリアルな比較をまとめました。
| 比較項目 | 市販のペットケージ(2段・3段) | 100均手作りペットケージ |
| 価格帯 | 10,000円 ~ 30,000円 | 2,000円 ~ 4,000円 |
| 耐久性 | 高い(スチール製で溶接もしっかり) | 作り手による(補強次第で数年持つ) |
| 拡張性 | 低い(専用パーツが必要な場合が多い) | 無限大(パーツを足せば増築可能) |
| 処分 | 粗大ゴミ(有料・手間がかかる) | 解体すれば不燃ゴミ(簡単) |
| 見た目 | 統一感があり綺麗だが、存在感が強い | 工夫しないと安っぽいが、馴染ませることも可能 |
100均ワイヤーネットで開閉ケージ作り
100均
ペットケージ
手作り
ワイヤーネット
開閉
ダイソーやセリアで入手可能なワイヤーネットを使い、コスパ最強のペットケージを手作りする手順を解説します。結束バンドでの固定だけでは不安な強度問題もプロの視点で解決。最大の難所であるスムーズな開閉扉の作り方も、専用ジョイントやナスカンを活用して、誰でも簡単にDIYできる方法を伝授します。
- ダイソーとセリアどっちが優秀?ケージ作りに必須なワイヤーネットの選び方
- 結束バンドだけで大丈夫?頑丈で歪まないペットケージの作り方完全ガイド
- 最大の難関は扉にあり!100均アイテムで開閉スムーズなギミックを作る方法
- 一時的な隔離や遊び場に!簡易ペットサークルとして使う場合の組み立てテクニック
ダイソーとセリアどっちが優秀?ケージ作りに必須なワイヤーネットの選び方
「ワイヤーネットなんてどこも一緒でしょ?」と思っているなら、その考えは今すぐ捨ててください。猫情報のプロとして、各100円ショップの店舗を巡回している私からすると、ダイソーとセリアには明確な「思想の違い」があります。
まず、ダイソーです。
ダイソーのワイヤーネットの最大の特徴は「サイズ展開の豊富さ」と「価格のバリエーション」です。
通常の正方形に近いサイズだけでなく、長方形の巨大なサイズ(200円~300円商品)も豊富に揃っています。大型のケージ、特に高さのある2段、3段ケージを作りたい場合は、ダイソーの大きいサイズを使うことで、継ぎ目を減らし、強度を上げることができます。継ぎ目が少ないということは、それだけ結束バンドで止める箇所が減り、作業効率も上がりますし、構造的な弱点も減るということです。
ただし、ダイソーの商品は時期によって網目のサイズや枠の太さが微妙に変わることがあります。同じ「白」でも、製造ロットによって微妙にクリーム色っぽかったり、青白かったりすることも。購入する際は、必ず同じ店舗で、同じタイミングで必要枚数を一気に揃えることを強くお勧めします。
次に、セリアです。
セリアの強みは「デザイン性」と「規格の統一感」です。
特に「ワイヤーラティス」という名称で売られていることが多いですが、色はオフホワイトやブラウンなど、インテリアに馴染みやすいマットな質感のものが多い傾向にあります。
そして何より、セリアには「DIYを前提とした関連パーツ」が非常に充実しています。ワイヤーネット専用のスタンド、連結ジョイント、壁掛け用のフックなど、ケージ作りに流用できる「痒い所に手が届くパーツ」が見つかりやすいのは断然セリアです。
おしゃれな見た目にこだわりたい、リビングに置いても違和感のないペットサークルを作りたい、という場合はセリアを中心に素材集めをすると良いでしょう。
重要な注意点として「網目の大きさ」があります。
成猫であれば一般的な網目で問題ありませんが、生後数ヶ月の子猫の場合、一般的なワイヤーネットの網目(約3cm~4cm四方)だと、頭がすっぽり入ってしまうことがあります。頭が入るとどうなるか。通り抜けようとして体が引っかかり、パニックになって首が締まる事故が起きます。これは脅しではありません。実際に起きている事故です。
子猫用、あるいは小柄な猫用のケージを手作りする場合は、網目の細かいタイプを選ぶか、内側にさらに目の細かい園芸用ネット(これも100均にあります)を結束バンドで貼り付ける対策が必須です。
詳しくは、国民生活センター等の公的機関が発信しているペット用品の事故情報なども参考にしてください。DIYのリスクを知ることは、安全への第一歩です。
参考URL:https://www.kokusen.go.jp/
結束バンドだけで大丈夫?頑丈で歪まないペットケージの作り方完全ガイド
ネット上の「失敗談」で最も多いのが、「作ってみたけどグラグラして怖い」というものです。
これはワイヤーネットの強度が足りないのではなく、結束バンドの使い方が甘いことが原因の9割を占めます。
まず、結束バンドの選び方です。
100均には大量の結束バンドが売られていますが、「長さ」と「耐候性・耐久性」を見てください。
短すぎるものは作業がしにくいので、15cm~20cm程度のものが扱いやすいです。また、屋外用(黒色が多い)は対候性が高いですが、室内なら標準的な白(乳白色)で問題ありません。ただし、極端に細い「ミニサイズ」は避けてください。猫が体当たりした瞬間に千切れる可能性があります。幅が3mm以上あるしっかりしたものを選びましょう。
プロ直伝、結束バンドの締め方テクニック
- 仮止めと本締めを分ける
いきなり最初からギュウギュウに締めないでください。まずは全体を緩く繋ぎ合わせ、箱の形にします。歪みがないか、扉の位置は正しいかを確認してから、一本ずつ限界まで締め上げます。 - ペンチを使う
指の力だけで締めるのは不十分です。ペンチでバンドの先端を掴み、テコの原理を使って「これ以上締まらない」というところまで締め上げてください。この「最後のひと締め」が、ケージの剛性を劇的に高めます。 - 2箇所止めではなく3箇所止め
ネット同士を繋ぐ際、両端の2箇所だけで止めていませんか? それでは真ん中がたわみます。必ず「両端+中央」の最低3箇所、大型のネットなら4~5箇所を止めてください。 - クロスの法則
強度が特に必要な角の部分は、結束バンドを十字(クロス)になるように掛けると、ねじれに対する耐性がアップします。
そして、作り方の重要ポイントとして「切り口の処理」があります。
結束バンドの余った部分をニッパーで切ると、切り口が鋭利な刃物のようになります。これが猫の目や皮膚を傷つける事故が後を絶ちません。
切断する際は、結束バンドのヘッド部分ギリギリで切る(爪切りを使うと綺麗に切れます)か、切り口をライターの火で一瞬炙って丸める(※火気厳禁の場所ではNG、かつ溶かしすぎに注意)などの処理を必ず行ってください。やすりで削るのも有効です。
あなたの愛猫を守れるのは、あなたの「一手間」だけなのです。
最大の難関は扉にあり!100均アイテムで開閉スムーズなギミックを作る方法
ここが本記事のハイライトです。
多くのDIY初心者が、ワイヤーネットを結束バンドで緩く止めただけの「なんちゃって扉」でお茶を濁します。しかし、それでは開閉のたびにガタガタし、耐久性も低く、何より使い勝手が最悪です。毎日のトイレ掃除やご飯の出し入れでストレスを感じたくないなら、ここだけはこだわってください。
1. ヒンジ(蝶番)の代用
結束バンドを緩く止める方法は卒業しましょう。
おすすめは、ダイソーやセリアの文具コーナーにある「カードリング(単語帳をまとめる金属の輪っか)」です。これならスムーズに回転し、金属製なので耐久性も抜群です。
また、もしワイヤーネットの枠が丸いパイプ状であれば、配線コーナーにある「結束フック」や「スナップブッシュ」のような、パイプにパチンとはめるタイプのパーツが、驚くほど完璧なヒンジとして機能することがあります。売り場を「本来の用途」という先入観なしでパトロールするのが100均DIYの極意です。
2. ロック機構(鍵)
猫は脱走の天才です。単純なフックをかけただけでは、下から鼻先で持ち上げて外してしまいます。
ここで役立つのが「ナスカン」と「ダブルクリップ」です。
ナスカン(キーホルダーの金具)は、バネの力で閉じるため、猫が内側から開けるのはほぼ不可能です。これを扉側と本体側にチェーンで繋いでおけば、簡易的かつ最強のロックになります。
もっと手軽にしたいなら、大きめのダブルクリップで扉と本体を挟むだけでも強力なロックになりますが、毎回挟むのが面倒というデメリットがあります。
さらに、最近のセリアではDIYコーナーに本物の「ラッチ(掛け金)」や「打掛錠」が売っていることがあります。これらを結束バンドでワイヤーネットに無理やり固定する(裏から板を当ててネジ止めするなど)猛者もいますが、これは加工難易度が高いです。
まずは「ナスカン」+「チェーン」の組み合わせから始めるのが、簡単で確実な作り方と言えるでしょう。
開閉のスムーズさは、毎日の世話のしやすさに直結します。「面倒くさいから扉を開けっ放しにしておこう」と思った瞬間に、猫は脱走します。人間がストレスなく開閉できること、これが安全管理の第一歩なのです。
一時的な隔離や遊び場に!簡易ペットサークルとして使う場合の組み立てテクニック
常設のケージではなく、「来客時だけ」「掃除の時だけ」猫に入ってもらうための簡易ペットサークルが欲しい場合もありますよね。
この場合、ガチガチに結束バンドで固めてしまうと、使わない時に邪魔で仕方ありません。
ここで活躍するのが、100均の「ワイヤーネット用連結ジョイント」です。
プラスチック製のパーツで、ネット同士をパチッとはめ込んで連結するタイプの商品です。これを使うと、ある程度の角度調整が可能になります。
つまり、ネットを屏風(びょうぶ)のようにジグザグに連結することで、使わない時はパタパタと折りたたんで隙間に収納できる「折りたたみ式ペットサークル」が手作りできるのです。
ただし、このジョイントパーツは、結束バンドに比べて強度が劣ります。猫が本気で体当たりすると外れることがあります。
ですので、これはあくまで「落ち着いている猫」や「目の届く範囲での使用」に限定してください。
もし強度と収納性を両立させたいなら、結束バンドをあえて少しだけ緩めに(しかし抜け落ちない程度に)設定し、可動域を残して連結する方法もあります。これなら折りたたみも可能です。
また、サークルの場合「天井」がないことが多いですが、猫は垂直跳びの天才です。高さ60cm程度のワイヤーネットなど、またぐように越えていきます。
簡易サークルであっても、上から布をかけて洗濯バサミで止めたり、天井部分にもワイヤーネットを乗せるなどの脱走防止策は必須です。「うちの子は大人しいから」という油断が、最大の敵であることを忘れないでください。
おしゃれな100均ペットケージを手作り!開閉ロックやすのこDIYで猫も納得の快適空間へ
100均でペットゲージを作るのはコスパがよいですが、どうしてもチープな印象になりがちです!それを防止してどんなインテリア空間にも馴染むのがにゃんがーどです。
専用品で猫の脱走をぼうししつつ、おしゃれな空間も保ちたいという方にお勧めです!なんせ手間いらずです。
ここからは、「機能」だけでなく「見た目」と「快適性」の話をしましょう。
無機質な白いワイヤーネットのケージは、どうしても「収容所」感が出てしまい、リビングの雰囲気を壊してしまいがちです。
ここで登場するのが、100均DIYの王様「すのこ」です。
ダイソーやセリアで売っている桐すのこは、軽くて加工しやすく、通気性も抜群。これをケージの側面に結束バンドで固定するだけで、一気に「ウッディでナチュラルな雰囲気」が出ます。
全面を覆う必要はありません。背面や側面の一部にすのこを取り付けるだけで、目隠し効果もあり、猫にとっても「外から丸見えじゃない安心感」が生まれます。
そして、おしゃれに見せる最大のコツは「色」です。
ワイヤーネットは白や黒が一般的ですが、すのこを水性ニス(これも100均で売っています)でウォールナット色やメープル色に塗装してみてください。
「黒いワイヤーネット」×「ダークブラウンに塗ったすのこ」の組み合わせは、ブルックリンスタイルやインダストリアルなインテリアに驚くほどマッチします。
「白いワイヤーネット」×「ナチュラル色のすのこ」なら、北欧風やカントリー風に。
たった数百円の塗料代で、生活感丸出しのケージが、自慢したくなるインテリア家具に変わるのです。
また、床面には「ジョイントマット」を敷き詰めましょう。これも100均で手に入ります。
金網のままだと猫の肉球が痛いですし、タオルを敷いただけではズレてしまいます。ジョイントマットなら、汚れた部分だけ外して洗えますし、クッション性も断熱性もあるので、猫が快適に過ごせます。色はベージュやブラウンを選ぶと、すのこやワイヤーネットの色と調和が取れておしゃれです。
【読者のお悩み相談室】
相談者(30代女性):
「編集長、こんにちは。100均でケージを作ろうと張り切っていたら、夫に『貧乏くさいからやめてくれ。リビングの景観を損なう』と反対されました。やっぱり手作りだと限界があるんでしょうか? 既製品を買うべき?」
なるほど、旦那様の言い分も痛いほど分かります。結束バンドのヒゲが飛び出し、歪んだ金網が鎮座しているリビング……想像するだけでゲンナリしますからね。
でも、諦めるのはまだ早いです。
旦那様が嫌がっているのは「手作りであること」ではなく、「雑な仕上がり」に対してです。
解決策は2つ。「塗装」と「目隠し」です。先ほど伝えたように、すのこをシックな色で塗装し、ワイヤーネットの金属部分を隠すように配置してみてください。そして、天板にはホームセンターで買った少し良い木材(ワンバイ材など)を置いて、観葉植物でも飾ってみてください。
そこまでやれば、それはもう「貧乏くさいカゴ」ではなく「オーダーメイドのペット家具」です。
「既製品だとサイズが合わないから、あえてDIYしてるのよ」と、こだわりをアピールしつつ、旦那様を塗装係として巻き込んでしまうのが、夫婦円満と素敵なケージ完成への近道ですよ。
すのこでおしゃれ!快適手作りケージ
おしゃれ
すのこ
猫
DIY
ペットサークル
無機質なワイヤーネットも、すのこや木材を組み合わせることで一気におしゃれなインテリア風に変身します。猫が好む上下運動ができるロフトの増設や、脱走防止のための確実な開閉ロックのアイデアも紹介。単なる隔離場所ではなく、愛猫がくつろげる快適なペットサークルとしてのクオリティを高めるDIY術です。
- 生活感丸出しは嫌!100均素材だけでおしゃれなインテリアに格上げする裏技
- すのこで2階建てやロフトを増設!猫の本能を刺激する拡張DIYアイデア
- ネットの画像通りにはいかない?プロが教える強度と安全性のリアルな注意点
- 100均ペットケージ手作り・開閉DIYの総括
生活感丸出しは嫌!100均素材だけでおしゃれなインテリアに格上げする裏技
おしゃれに見せるためのテクニックをさらに深掘りしましょう。
キーワードは「異素材ミックス」です。
ワイヤーネットだけだと冷たい印象になりますが、ここに「布」や「フェイクグリーン」を加えることで、一気に垢抜けます。
例えば、ケージの天井部分に、セリアで売っているおしゃれな柄の「マルチカバー」や「カフェカーテン」をかけてみてください。これだけで、ケージ内の暗がりが確保され、猫が落ち着けるスペースになると同時に、上からの視線を遮ることでごちゃつき感を消せます。
また、ワイヤーネットの側面に「フェイクグリーン(造花)」を絡ませるのも人気の手法です。アイビー(ツタ)系のフェイクグリーンを結束バンドで固定すれば、森の中の隠れ家のような雰囲気になります。
ただし、これには重大な注意点があります。猫が葉っぱを誤飲しないか、です。
ビニール製の葉っぱを噛みちぎって飲み込んでしまうと、腸閉塞を起こして手術……なんてことになりかねません。これはネットの「おしゃれDIY画像」には書かれていない、命に関わるリスクです。
導入する場合は、最初の数日間は徹底的に観察し、少しでも噛む素振りを見せたら即座に撤去してください。麻紐を巻き付けて爪とぎスペースにする方が、実用的かつ安全でおしゃれかもしれません。
さらに、100均のリメイクシートも活用できます。
段ボールやプラダン(プラスチック段ボール)に、木目調やレンガ調のリメイクシートを貼り、それをケージの壁面として利用します。これなら、壁への尿飛び散り防止にもなりますし、見た目も家具調になります。プラダンもダイソーの大型店なら売っています。軽くて加工しやすいので、女性でも扱いやすい最強の素材の一つです。
すのこで2階建てやロフトを増設!猫の本能を刺激する拡張DIYアイデア
猫は「平面」ではなく「高さ」で生きる動物です。
広いだけの1階建てケージよりも、狭くても高さのある2階建て、3階建ての方が、猫の満足度は圧倒的に高くなります。
ここでも、100均素材が火を噴きます。
棚板(ステップ)を作るのに最適なのが、ここでも「すのこ」です。
または、ワイヤーネットをコの字型に曲げて棚にする方法もありますが、強度が不安です。
おすすめは、「突っ張り棒」×「ワイヤーネット」の組み合わせです。
ケージの中に短い突っ張り棒を2本渡し、その上にワイヤーネットやすのこを乗せて、結束バンドでガチガチに固定します。
ただし、100均の突っ張り棒は、猫が飛び乗った衝撃で落下する危険性が高いです。
ですので、突っ張り棒だけに頼るのではなく、ワイヤーネットの網目に長い結束バンドを通して棚板を吊り下げるように補強するか、思い切ってワイヤーネット自体を箱型に組み上げて、ジャングルジムのような構造にするのが最も安全です。
ロフトへ移動するための階段やスロープも作りましょう。
ワイヤーネットを斜めにかけてスロープにする場合、そのままだと滑りますし、肉球がハマって危険です。必ず滑り止めマットや、麻紐を巻き付けて「爪とぎ兼スロープ」に加工してください。これだけで、猫にとっては極上のアスレチックになります。
2階建てにする場合、1階はトイレスペース、2階は食事とベッド、といったゾーニング(使い分け)ができるのもメリットです。トイレと寝床を離すことは、綺麗好きな猫にとって非常に重要です。手作りなら、棚板の高さを猫の成長に合わせてミリ単位で調整できるのも嬉しいポイントですね。
ネットの画像通りにはいかない?プロが教える強度と安全性のリアルな注意点
ここまでDIYの可能性を語ってきましたが、最後に冷や水を浴びせるような話をしなければなりません。それが「プロとしての責任」だからです。
SNSや画像検索で見かける「キラキラした100均ケージ」。あれをそのまま真似して作った結果、悲惨な事故が起きている現実を知ってください。
1. 体重制限の壁
100均のワイヤーネットは、本来「台所の壁に調理器具を掛ける」程度の耐荷重しか想定されていません。
体重5kgを超える成猫が、高いところからドン!と着地した時の衝撃荷重は相当なものです。
結束バンドが千切れる、ワイヤーネット自体が曲がる、溶接部分が外れる。これらは「起こりうること」として想定してください。大型猫(メインクーンやラグドールなど)には、100均DIYケージは不向きです。あくまで子猫~中型猫(3kg~4kg程度)まで、あるいは緊急用と割り切る勇気も必要です。
2. 網目の隙間と脱走
「猫は液体」と言われます。頭さえ通れば、どんな隙間からも抜け出します。
特にDIYの場合、扉の隙間、床とネットの隙間、天井の角などが甘くなりがちです。
「これくらいなら大丈夫だろう」という人間の常識は通用しません。作り終わったら、必ず自分の手でグイグイとネットを引っ張り、隙間が広がらないか確認してください。
以下のチェックリストを使って、完成後の安全点検を必ず行ってください。
| チェック項目 | 確認内容 | 対策 |
| 結束バンドの締め付け | 全てペンチで限界まで締めてあるか? | 緩い箇所は新しいバンドで締め直す |
| 切り口の処理 | バンドの余りを切った跡が尖っていないか? | ライターで炙るか、ヤスリで削る |
| 扉のロック | 内側から押しても開かないか? | ナスカンや強固なクリップを追加する |
| 網目のサイズ | 猫の頭が入らない大きさか? | 園芸用ネットを重ねて補強する |
| 全体の剛性 | 上から押してグラグラしないか? | 角に補強パーツや支柱を入れる |
安全基準については、環境省が定める飼養保管基準も参考になります。手作りであっても、動物愛護の精神に基づいた安全な環境を提供する義務が飼い主にはあります。
参考URL:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/
100均ペットケージ手作り・開閉DIYの総括
さて、ここまで100均アイテムを駆使したペットケージの作り方を深掘りしてきました。
「安く済ませたい」という動機で読み始めた方も、今では「愛猫のために世界に一つだけの城を作ってやりたい」というクリエイター魂に火がついているのではないでしょうか。
手作りのケージには、市販品にはない「温かみ」があります。
「あの子は高いところが好きだから、ロフトを広めにしよう」
「怖がりだから、すのこで隠れ場所を作ってあげよう」
そんな風に、愛猫の性格や癖を思い浮かべながら試行錯誤した時間は、プライスレスな愛情表現そのものです。
完成したケージに初めて猫が入ってくれた時の感動、そしてそこで安心した顔で眠ってくれた時の喜びは、何万円もする高級ケージを買った時以上のものです。
もちろん、安全管理には細心の注意を払ってください。作った後も、日々の点検は欠かさないでください。それが、命を預かる飼い主の責任です。
さあ、今すぐメジャーを持って部屋のサイズを測り、ダイソーとセリアへ出かけましょう。
あなたの工夫と愛情が詰まったDIYケージが、愛猫との暮らしをより豊かで快適なものに変えてくれることを、心から願っています。
そして、もし素晴らしいケージができたら、ぜひSNSでシェアしてくださいね。その知恵が、また別の猫ちゃんの命を救うことになるかもしれませんから。
参考





