猫を迎え入れたものの、市販のペットケージは高額で手が出ない、という飼い主さんは多いはずです。
そこで誰もが一度は検討するのが、ダイソーやセリアなどの100均アイテムを駆使した猫ケージの手作りではないでしょうか。
しかし、ネットやSNSで見る『数百円で完成』といった甘い言葉を鵜呑みにしてはいけません。
ワイヤーネットと結束バンドだけで安易に組んだケージが、猫の運動量に耐えきれず崩壊する『手作り失敗談』は後を絶たないのが現実です。
猫情報のプロである編集長の私が、きれいごと抜きで断言します。
愛猫の命を預かるケージ作りにおいて、安さだけを追求するのは危険です。
この記事では、コストを抑えつつも強度を犠牲にしない、猫ケージ手作りの決定版ノウハウを公開します。
基本となる2階建ての作り方はもちろん、ホームセンターのすのこや木材を活用して土台を盤石にするプロ直伝の補強術まで網羅しました。
作り方の手順だけでなく、失敗しないための材料選びから徹底的にガイドします。
また、カラーボックスを組み込んでインテリアに馴染ませたり、メタルラックを使って将来的に三階建てへ拡張したりする応用テクニックも詳しく解説します。
さらに、脱走の名人である猫を侮らないための、スムーズかつ強固な開閉システムの作り方も必見です。
建前だけの節約術ではなく、本当に使える知識で、愛猫が安全に過ごせる『最強の城』を築き上げましょう。
100均で作るのは安上がりですが、見た目がチープだったり、設計図を考えたりするのが面倒ではありませんか?
そんな方におすすめしたいのがニャンガードです!ニャンガードは既製品ながら安価でおしゃれな猫の脱走も防止できるゲージを作ることが出来ます。
記事の要約とポイント
- ダイソーやセリアのワイヤーネットを活用し、低コストかつ高強度な2階建て 猫ケージの作り方を完全網羅。
- ホームセンターのすのこや木材を組み合わせ、手作りの弱点である「揺れ」や「歪み」を解消するプロの補強テクニック。
- カラーボックスやメタルラックを土台にすることで、収納力を確保しながら将来的な三階建てへの拡張も可能に。
- 市販のペットケージに劣らない使い勝手を実現するため、脱走防止を考慮した安全な開閉ドアの自作方法を伝授。
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失敗しない猫ケージ手作り!100均ワイヤーネットを使った2階建ての作り方完全ガイド
猫という生き物は、私たちが想像する以上に立体的で、そして破壊的な動きをします。彼らにとって垂直方向の運動は生きる喜びそのものですが、それは同時に、手作りケージにかかる負荷が半端ではないことを意味します。「たかが3kgや4kgの猫でしょ?」と侮ってはいけません。彼らがジャンプした瞬間の衝撃荷重は体重の数倍にも及びます。
ネット上には「全部で2000円でできました!」というキラキラしたDIY記事が溢れていますが、その多くは作りたての写真ばかり。半年後、そのケージがどうなっているか、誰も教えてくれませんよね。私が知る限り、補強なしの簡易的な100均ケージは、猫が暴れた拍子に結束バンドが弾け飛び、悲惨な崩壊を迎えるケースが後を絶ちません。
だからこそ、私たちは「失敗しないための設計図」を頭に叩き込む必要があります。目指すべきは、市販品に匹敵する強度と、手作りならではの温かみを両立させること。まずは、プロの視点で分析した「手作りケージのメリット・デメリット」を冷静に比較してみましょう。ここを理解せずに作り始めると、途中で心が折れます。
| 項目 | 100均手作りケージ | 市販のペットケージ | 備考 |
| 初期費用 | 3,000円~6,000円 | 10,000円~30,000円 | 手作りでも意外と材料費はかさむ |
| サイズ調整 | 部屋に合わせて自由自在 | 既製品サイズのみ | 隙間収納的な設置はDIYの独壇場 |
| 拡張性 | 2階建てから3階建てへ増築可 | 基本的に不可 | 子猫の成長に合わせられるのが強み |
| 強度・耐久性 | 作り手の技術に依存 | メーカー保証の安心感 | ここが最大の懸念点 |
| 見た目 | 生活感が出やすい | デザイン性が高い | 色選びや工夫でおしゃれ化は可能 |
| 廃棄の手間 | 解体してゴミに出せる | 粗大ゴミの手続きが必要 | 賃貸派には解体の楽さがメリット |
表を見ていただくとわかる通り、手作りの最大の魅力は「自由度」と「廃棄のしやすさ」にあります。特に賃貸物件にお住まいの方にとって、将来引っ越す際に小さく分解できるワイヤーネット製ケージは非常に魅力的です。しかし、その代償として「強度」という大きな課題がのしかかります。ここをどうクリアするかが、編集長としての腕の見せ所というわけです。
100均猫ケージ手作り!2階建ての作り方基本
ダイソー
ワイヤーネット
作り方
2階
セリア
ダイソーやセリアのワイヤーネットを活用した、基本の猫ケージ手作り手順を解説します。結束バンドは200mm以上の耐候性タイプを選び、2cm間隔で締め上げることが強度の鍵です。すのこを加工した階段や、ナスカンによる開閉ドアの設置など、費用を3000円以下に抑えつつ2階建てを作る具体的な数値を公開します。
- まずはダイソーやセリアへGO!サイズ選びと必須の材料リスト
- 結束バンドの締め方が重要!歪まないワイヤーネットの組み立て手順
- すのこをリメイクして猫がくつろげる快適な床と階段を作る
- 脱走防止も完璧に!ナスカンを使った安全な開閉ドアの設置アイデア
まずはダイソーやセリアへGO!サイズ選びと必須の材料リスト
あれこれ継ぎ足しで買っていたら結局ガソリン代と材料代で高額になってしまった!…なんてことはDIYではあるあるですよね!
材料を揃えたり設計図を考えたりするのが面倒な方の為に!ニャンガードなら全て揃って買い忘れの心配もなし!初心者でも簡単に組み立てられます。
さて、いよいよ材料調達です。ここで多くの人が犯すミスが「適当に枚数を買って、足りなくなったら買い足せばいいや」という考え。これは絶対にNGです。なぜなら、100均の商品はロットによって微妙に色味が違ったり、最悪の場合、廃盤になってサイズが合わなくなったりするからです。設計図を脳内、あるいは紙に描き、必要な枚数を割り出してから買い物カゴに入れましょう。
まず、メインとなるワイヤーネットですが、私が推奨するのは断然「ダイソー」の大きめサイズ(約62cm×40cmなど、200円商品のラインナップ)です。セリアのネットはおしゃれで目が細かいのが特徴ですが、枠のワイヤーが若干細く、大型猫の体重を支えるには心許ない場合があります。一方でダイソーの200円~300円ラインのネットは、枠組みが太くガッシリしており、ベースキャンプを作るには最適です。
【必須材料リスト(2階建て・成猫1匹想定)】
- ワイヤーネット(大):12枚~16枚。側面、背面、天井、底面に使用します。底面がないと床が傷つく上に、ケージ全体の歪みの原因になります。
- 結束バンド(インシュロック):最低でも200本入りを2袋。長さは150mm以上、できれば200mm推奨。幅が太いものを選んでください。「再利用可能タイプ」は強度が落ちるので絶対に使わないこと。
- ジョイントマット:底面に敷きます。猫の足音を吸収し、床の傷を防ぎます。
- すのこ(木製):2階部分の床板として使用。サイズはワイヤーネットの幅に合わせます。
- 突っ張り棒(短め):2階の床を支える梁(はり)として使用。これがあるだけで安定感が段違いです。
- ナスカン(スナップフック):ドアのロック用。サイズ違いで4つほど。
- ワイヤーネット用ジョイント(プラスチック製):これだけで組むのは危険ですが、仮組みや補強として使うと便利です。
ここだけの話、100均のハシゴをして材料を集めるのは意外と楽しいものです。「このカゴ、猫ベッドに使えるかも?」「この園芸用ラティス、目隠しになるな」といった具合に、アイデアが次々と湧いてくるはず。ただし、ホームセンターでしか手に入らないものもあります。それは「安心感」です。もし予算に余裕があるなら、土台となる最下段の四隅だけでも、ホームセンターで売っているアングル(L字金具)や木材を使うことを検討してください。これだけで「揺れ」が劇的に収まります。
結束バンドの締め方が重要!歪まないワイヤーネットの組み立て手順
材料が揃ったら組み立てですが、ここで一番重要なテクニックをお伝えします。それは「結束バンドの締め方」です。素手で「キュッ」と引っ張って終わり、だと思っていませんか? それでは猫の爪とぎの振動で簡単に緩んでしまいます。
プロ直伝:結束バンド完全固定法
- 仮止め:まずは作りたい形にネットを並べ、四隅を軽く留めます。この段階ではまだ締め切らないでください。全体が組み上がって歪みを調整してから本締めを行います。
- ペンチ締め:ここが最重要。ペンチで結束バンドの先端を掴み、ワイヤーネットの枠にテコの原理を効かせて「ギリギリギリ!」と音が変わるまで締め上げます。ワイヤーネット同士が食い込むくらいが正解です。
- 2点留めではなく多数留め:ネットの四隅だけでなく、辺の中央もしっかり留めます。1辺につき最低3箇所、できれば5cm~10cm間隔で留めるのが理想です。「そんなに使うの?」と思うかもしれませんが、ケージ全体の剛性は結束バンドの数で決まります。ケチらないでください。
- 切り口の処理:締め上げた余りをニッパーで切りますが、切り口が鋭利だと猫が怪我をします。切り口をヤスリで削るか、ライターで軽く炙って丸める(火気注意)、あるいは切り口が外側に向くように回して固定するなどの配慮が必要です。
組み立ての手順としては、「底面」→「側面1段目」→「側面2段目」→「天井」の順に組むのがセオリーです。ビルを建てるのと同じで、基礎が歪んでいると上に行くほど歪みが大きくなります。一段目を組み終えた時点で、上から手で押してグラつきがないか確認してください。もしグラグラするなら、それは結束バンドの締め不足か、ネット自体の歪みです。歪んでいるネットは力技で矯正するか、使用を諦めましょう。
また、ネット上の情報であまり語られないのが「対角線の補強」です。四角い構造物は、横からの力で簡単に平行四辺形に歪んでしまいます。これを防ぐには、背面のネットに斜めに突っ張り棒を渡して固定するか、大きめのワイヤーネットをあえてずらして重ねて固定する「筋交い(すじかい)」を入れるのが効果的です。建築現場の足場と同じ理屈ですね。これを入れるだけで、猫が飛び乗った時の「ガシャン!」という不快な揺れ音が驚くほど軽減されます。
すのこをリメイクして猫がくつろげる快適な床と階段を作る
ワイヤーネットだけで作った2階建てケージには、致命的な欠点があります。それは「床が網」であることです。想像してみてください、一日中ジャングルジムの上で生活することを。肉球への負担は大きいですし、何より落ち着いて寝られません。そこで活躍するのが、ホームセンターや100均で手に入る「すのこ」です。
作り方は簡単です。ワイヤーネットの幅に合うサイズのすのこを用意し、結束バンドでネットに固定するだけ……と言いたいところですが、ここで一工夫。ただネットに固定しただけでは、重みでネットがたわみ、斜めになってしまいます。猫は不安定な足場を嫌うので、せっかく作っても2階に上がってくれなくなる可能性があります。
そこで登場するのが「突っ張り棒」です。すのこを設置する位置の直下に、ケージの端から端まで渡るように突っ張り棒を2本通します。その上にすのこを乗せ、結束バンドですのこと突っ張り棒、そして側面のワイヤーネットを三位一体で固定するのです。こうすることで、猫の体重をネットの網目ではなく、突っ張り棒という「梁」で支える構造になります。これなら太り気味の猫ちゃんが乗ってもビクともしません。
また、1階から2階への移動手段も重要です。若い猫なら垂直の壁もよじ登りますが、安全のために階段(ステップ)を作ってあげましょう。ここでも小さなワイヤーネットを折り曲げてステップにする方法がありますが、私がおすすめするのは「L字棚受け」と「木板」を使った本格的なステップです。
ワイヤーネットの網目にL字棚受けを挟み込み、裏側から木材をあてがってネジで固定します。こうして作った木製のステップは、猫が爪をかけやすく、滑りにくいので安全です。さらに、すのこや木材には、100均のリメイクシートを貼るのではなく、水性ニス(ペット対応のもの)を塗ることをお勧めします。リメイクシートは猫が爪でボロボロにして誤飲するリスクがあるからです。木の温もりを生かしたカフェ風のケージを目指せば、リビングに置いても違和感がありません。
脱走防止も完璧に!ナスカンを使った安全な開閉ドアの設置アイデア
手作りケージで最も頭を悩ませるのが「扉」です。既製品のようなスムーズな開閉と、絶対的なロック機能を両立させるのは至難の業。ここが甘いと、知能犯の猫は前足で器用に扉を開け、深夜の大運動会を開催してしまいます。
まず、扉の「蝶番(ちょうつがい)」部分ですが、これは結束バンドを「緩め」に留めることで代用できます。しかし、ただ輪っかにしただけでは扉が下がってきてしまい、閉めるたびに持ち上げなければならずストレスが溜まります。これを防ぐには、結束バンドを×の字にクロスさせて留めるか、専用の「結束バンドベース」を扉と本体の両方に貼り付け、位置がずれないように固定するのがコツです。
そして肝心のロック機構。ここで100均アイテムの「ナスカン」と「ダブルクリップ」が火を吹きます。
- ナスカン方式:扉側のネットと本体側のネットを、ナスカンでガチャンと繋ぐ。最も確実ですが、毎回付け外しするのが少々面倒です。
- 自転車の鍵方式:100均で売っている自転車用のワイヤーロックや、コイル状のキーホルダーを使います。少し隙間を開けて換気したい時にも便利です。
- 突っ張り棒ロック:扉の全面に突っ張り棒を縦に通し、上下で突っ張って開かなくする方法。掃除の時など、扉を大きく外したい時に便利です。
私が推奨するのは、**ナスカンを上下2箇所につける「ダブルロック」**です。猫は下側をこじ開けて頭をねじ込むのが得意なので、上だけ留めても意味がありません。また、賢い猫はナスカンのバネ部分を攻略することさえあります。
ここで一つ、外部の信頼できる情報を紹介しておきましょう。環境省が発行している動物の適正飼養に関するガイドラインには、猫の脱走防止策がいかに重要かが記されています。
この資料にもあるように、猫の身体能力は私たちの想像を超えます。手作りケージの扉は、飼い主が開けるのに「ちょっと面倒だな」と思うくらいで丁度いいのです。「ワンタッチで開く」ような利便性は、猫にとっても「ワンタッチで脱走できる」ことを意味しますからね。
安全第一の猫ケージ手作り!100均だけでなくホームセンター素材も活用した2階建ての作り方
ここまで100均素材を中心に話してきましたが、ここからは少しレベルアップした話をしましょう。もしあなたがDIY初心者ではなく、電動ドライバーくらいは使えるよ、というのであれば、悪いことは言いません。「木材」を取り入れてください。
ホームセンターに行けば、1本数百円で角材(2×2材など)が手に入ります。これで直方体の枠組みを作り、その枠にワイヤーネットをタッカー(ホッチキスの親玉のような工具)やネジで固定していくのです。この「木枠+ワイヤーネット」のハイブリッド方式こそが、最強の自作ケージと言っても過言ではありません。
メリットは計り知れません。まず、圧倒的に頑丈です。木枠自体が構造体となるため、ワイヤーネットは単なる「壁」の役割に徹することができ、負荷がかかりません。また、キャスターを取り付けるのも簡単になります。100均オンリーのケージだと、キャスターを付けても移動させるたびに全体が歪んでしまいますが、木枠ならスムーズに掃除移動が可能です。
さらに、インテリア性が格段に向上します。木枠を部屋の家具と同じ色に塗装すれば、それはもう「高級家具」の風格。100均のネット特有のチープさが消え、おしゃれなカフェのインテリアのようになります。制作時間はかかりますが、数年間使うことを考えれば、週末を費やす価値は十分にあります。
猫ケージ手作り強度UP!ホームセンター活用術
ホームセンター
カラーボックス
メタルラック
三階建て
ペットケージ
100均素材の弱点を補うため、ホームセンターの木材やメタルラック、カラーボックスを支柱に組み込むプロの裏技を紹介します。特に体重4kgを超える成猫や、将来的に三階建てへ拡張する場合の補強法は必須。市販のペットケージと比較しても遜色ない耐久性を確保しつつ、コストを5000円前後に抑える工夫を伝授します。
- カラーボックスを土台に組み込んで収納力と安定性を劇的にアップさせる
- 子猫が成長したら三階建てへ!メタルラックを併用した拡張リメイク術
- 結局市販のペットケージを買うのとどっちが得?プロが語る本音のコスパ論
- 猫ケージ手作り100均2階建て作り方の総括!愛情と安全を両立させるために
カラーボックスを土台に組み込んで収納力と安定性を劇的にアップさせる
もっと手軽に、でも劇的に強度を上げたい。そんなワガママな願いを叶えるのが「カラーボックス活用術」です。これはDIY好きの間では割と知られたハックですが、ケージの一部、あるいは土台としてカラーボックスを組み込んでしまうのです。
具体的には、3段のカラーボックスを横置き、あるいは縦置きにし、それを壁面の一部として利用します。カラーボックスの背面や側面に穴を開け、ワイヤーネットを結束バンドでガッチリ固定します。木製の重たい家具が土台になることで、重心が低くなり、地震などの揺れに対する安定性が飛躍的に向上します。
さらに嬉しいのが「収納力」です。猫との生活は、フード、トイレ砂、おもちゃ、ブラシと、とにかく物が増えます。ケージと一体化したカラーボックスにこれらを収納できれば、生活動線もスッキリ。トイレをカラーボックスの下段(棚板を外して空間を作る)に隠すように設置すれば、砂の飛び散り防止や目隠しにもなり、一石三鳥です。
ただし注意点があります。カラーボックスの素材はパーティクルボードなどの合板であることが多く、水に弱いです。猫が粗相をしたり、水飲みボウルをひっくり返したりすると、水分を吸ってブヨブヨに膨らんでしまいます。必ず防水のリメイクシートを貼るか、プラスチック製のトレーを敷くなどの対策を講じてください。
子猫が成長したら三階建てへ!メタルラックを併用した拡張リメイク術
子猫のうちは2階建てで十分でも、成猫になると運動不足が気になってきます。そんな時、手作りケージなら増築が可能……と言いたいところですが、ワイヤーネットだけで3階建てにするのは強度的に限界があります。タワーマンションを割り箸で作るようなものです。危険です。
そこで登場するのが「メタルラック(スチールラック)」です。アイリスオーヤマやニトリ、あるいはダイソーのジョイントラックシリーズなどを活用します。メタルラックをケージの骨格として使い、その周囲をワイヤーネットで囲うのです。これが、私が考える「拡張性最強のケージ」です。
メタルラックの棚板は非常に頑丈なので、猫が飛び乗ってもびくともしません。棚板の位置も自由に変えられるので、猫の成長や身体能力に合わせてステップの高さを調整できます。そして何より、天井まで届くようなハイタワーを作ることも容易です。
「でも、メタルラックって銀色で冷たい感じがしない?」と思ったあなた。最近は黒や白、木目調のパーツを使ったおしゃれなラックも増えています。また、ラックの支柱に麻縄を巻き付ければ、ケージの柱自体が巨大な爪とぎタワーに変身します。これには猫も大喜び間違いなしです。
ここで、実際にDIYケージに挑戦しようとしている読者の皆さんからの「悲痛な叫び」と、それに対する私の回答をご紹介しましょう。ネットの掲示板などでは言いづらい、リアルな悩みばかりです。
【読者からのSOS!猫ケージDIY・知恵袋セクション】
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ぶっちゃけ、手作りケージって貧乏くさくないですか?彼氏が家に来た時に引かれないか心配です。
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デザインセンス次第ですが、素材そのままは危険信号です。編集長:正直に言いましょう。ワイヤーネットを結束バンドで繋いだだけの「白い網の箱」は、どうしても仮設住宅感が出ます。彼氏も「あ、節約してるんだな」と察するでしょう。しかし! カラーボックスと組み合わせたり、ネットを黒やブラウンで統一し、木材を取り入れたりすれば話は別です。「あえてDIYしたこだわりの空間」に見せることができます。重要なのは「統一感」です。結束バンドの色をネットと合わせる、余計な隙間を作らない、これだけで見た目の偏差値は60まで上がりますよ。
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作ってみたけど、扉がガタガタして猫が夜中にガチャガチャ鳴らしてうるさいです。ノイローゼになりそう。
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それは「遊び」がありすぎる証拠。クッション材で黙らせましょう。編集長:わかります、その音。黒板を爪で引っ掻く音くらい不快ですよね。原因は金属同士がぶつかる音です。扉が当たる部分に、100均で売っている「隙間テープ(スポンジ)」やフェルトを貼ってください。これで劇的に静かになります。あと、猫がガチャガチャするのは「出せ」の合図。ここで出すと「鳴らせば出る」と学習するので、心を鬼にして無視するのも躾の一つですよ。
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ダイソーのワイヤーネット、サイズが微妙に合わなくてイライラします。どうすれば?
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重ねて留める「オーバーラップ法」で解決です。編集長:ピッタリ合わせようとするから苦しいんです。数センチ足りないなら、もう一枚ネットを買ってきて、重ねて結束バンドで留めればいいだけ。むしろ重なった部分は強度が2倍になるので、柱として機能します。DIYに正解はありません。見た目は多少ゴツくなりますが、安全第一でいきましょう。
結局市販のペットケージを買うのとどっちが得?プロが語る本音のコスパ論
ここまでDIYの素晴らしさを説いてきましたが、最後に冷や水を浴びせるような話をします。もしあなたが「安く済ませること」だけを目的にDIYをしようとしているなら、ちょっと待ったほうがいいかもしれません。
材料費を計算してみてください。ワイヤーネット15枚(3000円)、結束バンド(500円)、すのこ(500円)、突っ張り棒(300円)、ジョイントマット(300円)、補強用木材(1000円)……これだけで約5,600円です。さらに、買い出しに行く交通費、組み立てにかかる時間(慣れていても3時間はかかります)、指にマメができる労力。これらを時給換算すると、総コストは1万円を超えませんか?
Amazonや楽天のセールを見れば、しっかりした2段ケージが8,000円台で売られていることもあります。しかもトレー付きで掃除も楽、キャスター付きで移動も楽、ドアロックも完璧です。
国民生活センター:ペット用品の安全性
※参考までに、市販品でも安全性には注意が必要というデータもありますが、構造的な強度はやはりメーカー品に分があります。
私が考える「DIYをおすすめする人」と「買ったほうがいい人」の境界線は以下の通りです。
【DIYをおすすめする人】
- 部屋の形が特殊で、既製品が入らない。
- 自分の好きなサイズ、高さにミリ単位でこだわりたい。
- 作る過程そのものを楽しめる。
- 将来的に解体・増築を繰り返したい。
【買ったほうがいい人】
- とにかく安く済ませたい(時間単価を考えると逆効果)。
- 手先が不器用で、組み立て家具すら苦手。
- 掃除のしやすさを最優先したい(自作ケージは底面の掃除が面倒です)。
- 見栄えを気にする。
プロとしての本音を言えば、「まずは中古の市販ケージを探してみては?」という選択肢も提案しておきます。ジモティーやメルカリでは、子猫期を過ぎて不要になった美品のケージが激安で出回っています。それを手に入れて、100均アイテムでステップやハンモックを増設する「プチDIY」こそが、実は最も賢く、最も猫にとって幸せな選択かもしれません。
猫ケージ手作り100均2階建て作り方の総括!愛情と安全を両立させるために
たかがケージ、されどケージ。そこには猫の安全と、飼い主の愛情、そしてちょっとした打算(お財布事情)が複雑に絡み合っています。
この記事を読み終えた今、あなたの目の前にある100均のワイヤーネットは、単なる「安物」ではなく、「無限の可能性を秘めた建材」に見えているはずです。あるいは、「やっぱり大変そうだから、しっかりしたものを買おう」と決心がついたかもしれません。どちらの結論であれ、それはあなたの愛猫への「真剣な愛」の表れです。
手作りケージの最大のメリットは、実は完成した後にあるかもしれません。
「あ、ここ登りにくそうだな」と思ったらすぐにステップを直してあげる。「冬は寒いかな」と思ったら、周りをプラダン(プラスチック段ボール)で囲ってあげる。そうやって日々、愛猫の様子を見ながら家をアップデートしていく過程こそが、かけがえのないコミュニケーションになるのです。
明日、完成したケージ(あるいは購入したケージ)に入った猫ちゃんが、安心してゴロンと横になり、あなたに向けてゆっくり瞬きをしてくれたら。その瞬間、労力も出費もすべて報われます。
さあ、メジャーを持って、あるいはスマホを持って、愛猫のための「最高の城作り」を始めましょう。その城が、あなたと猫ちゃんの幸せな毎日の守り神となりますように。
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参考




