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猫の冬、暖房つけっぱなしは危険!正しい設定温度と夜の注意点

猫の冬、暖房つけっぱなしは危険!正しい設定温度と夜の注意点 猫に関する知恵袋・情報
猫の冬、暖房つけっぱなしは危険な理由
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寒い冬がやってくると、愛猫のために暖房をどうすべきか悩みますよね。

「猫のために暖房つけっぱなしにしているけど、電気代が心配…」あるいは「夜もつけたままで安全なのかな?」と不安に思う飼い主さんは少なくありません。

知恵袋などでは「猫に暖房はいらない」なんて情報も見かけますが、それは大きな間違いです。

特に子猫やシニア猫にとって、寒さは命に関わることもあります。

かといって、ただ暖房つけっぱなしにするだけでは、低温やけどや脱水症状といった新たな危険を招く可能性も否定できません。

では、猫にとって本当に安全で快適な冬の過ごし方とは、一体どのようなものなのでしょうか。

この記事では、猫のための暖房の正しい使い方を徹底的に解説します。

気になる暖房の設定温度は何度が最適なのか、夜間や留守番中の注意点、そして多くの飼い主さんが頭を悩ませる電気代を抑える賢いコツまで、具体的にお伝えします。

さらに、暖房なしで過ごすリスクや、厳しい寒さで知られる北海道の猫たちがどうやって冬を越しているのか、暖房の代わりになるおすすめのあったかグッズもご紹介します。

この記事を読めば、もう猫の冬の寒さ対策で迷うことはありません。

愛する猫が安全で快適な冬を過ごせるよう、正しい知識を身につけて、心も体も温まる毎日を送りましょう。

記事の要約とポイント

  • 猫に最適な暖房の設定温度は何度?夜も安心な温度管理を解説
  • 暖房つけっぱなしの気になる電気代と、賢く節約するおすすめの方法
  • 「暖房はいらない」は危険!暖房なしが猫に与えるリスクと安全対策
  • 暖房の代わりになる安全なグッズや、厳しい北海道の冬を越す知恵

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シン、と静まり返った冬の朝。窓の外で粉雪が舞い、部屋の空気はまるで氷のように肌を刺します。そんな時、足元でスヤスヤと眠る愛猫の姿を見て、ふと不安がよぎる。「この寒さで、本当に大丈夫だろうか」。あなたもきっと、同じ気持ちを抱いたことがあるはずです。猫のために暖房つけっぱなしにすべきか、それとも消すべきか。正解がわからず、毎晩のように悩んでしまうその気持ち、痛いほどよくわかります。私もかつて、愛猫の「ミケ」のために良かれと思ってしたことで、ヒヤリとした経験があるのです。この記事は、そんなあなたの迷いや不安を、確かな安心に変えるための一通の手紙だと思ってください。30年以上の経験で培った知識と、数々の失敗から学んだ教訓を交えながら、猫とあなたが共に温かく、そして安全に冬を越すための具体的な方法を、余すことなくお伝えしていきましょう。

設定温度

電気代

暖房つけっぱなし

何度

  • 知恵袋の噂は本当?猫に暖房はいらないと言われる理由
  • 猫が快適な暖房の設定温度は何度?20〜25℃が目安
  • 夜の暖房つけっぱなしは危険?留守番中の注意点と安全対策
  • 気になる電気代は月々いくら?つけっぱなしでも節約するコツ
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知恵袋の噂は本当?猫に暖房はいらないと言われる理由

インターネットで検索すると、特に知恵袋のようなQ&Aサイトで「猫に暖房はいらない」という意見を時折見かけることがあります。かく言う私も、新人だった頃は「猫は毛皮を着ているし、寒さには強いものだ」と漠然と考えていた時期がありました。この言説の背景には、いくつかの理由が考えられます。

一つは、「猫はこたつで丸くなる」という歌にもあるような、日本の冬の原風景的なイメージでしょう。猫は暖かい場所を自ら見つけるのが得意だから、人間が過剰に手を貸す必要はない、という考え方です。確かに、日向ぼっこをしたり、飼い主の膝の上に乗ってきたりと、猫は熱源を探す天才的な能力を持っています。

もう一つの理由は、猫の祖先が関係しています。現代のイエネコの祖先であるリビアヤマネコは、中東の砂漠地帯に生息していました。昼夜の寒暖差が激しい環境で生きてきたため、ある程度の寒さへの耐性を持っている、というわけです。

しかし、これらの理由だけで「暖房はいらない」と結論づけるのは、あまりにも早計であり、危険な判断と言わざるを得ません。なぜなら、現代の日本で暮らす猫たちの多くは、その祖先とは全く異なる環境で生きているからです。特に、アメリカンショートヘアのような短毛種、スフィンクスのような無毛種、そして体が小さく体温を維持しにくい子猫や、体温調節機能が衰えてくるシニア猫にとっては、冬の寒さは深刻な脅威となり得ます。彼らは、人間が思う以上に寒さを感じているのです。

ここで、よくある質問にお答えする形で、さらに理解を深めてみましょう。

Q&A:猫の寒さに関するよくある質問

質問回答
Q1: 猫は寒さを感じると、どんなサインを出しますか?A1: 体を小さく丸める、毛を逆立てて空気の層を作る、震える、水を飲む量が減る、トイレの回数が減る、といった行動が見られます。普段より甘えてきたり、暖かい場所から動かなくなったりするのもサインの一つです。
Q2: 「暖房はいらない」という意見を信じて、何か問題は起きますか?A2: 最悪の場合、低体温症に陥る危険があります。また、体温を維持するためにエネルギーを消耗し、免疫力が低下して風邪(猫カゼ)などの感染症にかかりやすくなります。飲水量が減ることで、泌尿器系の疾患(膀胱炎や尿石症など)のリスクも高まるでしょう。
Q3: 外で暮らす猫は暖房なしでも平気なのに、なぜ家猫は違うのですか?A3: 外猫は、エンジンルームや建物の隙間など、風をしのげる暖かい場所を必死で探して生き延びています。それでも、残念ながら冬を越せずに命を落とす猫は少なくありません。常に快適な室内で育った家猫は、外猫ほど過酷な環境への耐性がなく、人間が適切に環境を整えてあげる必要があります。

結論として、「猫に暖房はいらない」という知恵袋の噂は、特定の条件下では当てはまるかもしれませんが、全ての猫にとっての真実ではありません。あなたの愛猫の品種、年齢、健康状態を考慮し、個別に判断することが何よりも重要なのです。

猫が快適な暖房の設定温度は何度?20〜25℃が目安

では、具体的に暖房の設定温度は何度にすれば良いのでしょうか。これは、私が現場で最も多く受ける質問の一つです。長年の経験と獣医学的な知見から導き出される一つの目安は、「人間が少し肌寒いと感じるくらい」の温度、具体的には20℃から25℃です。

なぜこの温度が推奨されるのか。それは、猫の平熱が関係しています。猫の平熱は人間よりも高く、約38℃台です。そのため、人間が「快適だ」と感じる温度では、猫にとっては少し暑すぎることがあります。暑すぎると、猫は涼しい場所を求めて移動しますが、部屋全体が暖かいと逃げ場がなくなり、かえってストレスになったり、軽度の脱水症状を引き起こしたりする可能性があるのです。

ここで重要なのは、「部屋全体を均一に暖める」のではなく、「暖かい場所と少し涼しい場所の両方を用意してあげる」という考え方です。猫が自分で体温調節できるよう、選択肢を与えてあげることが理想的な環境と言えるでしょう。例えば、暖房の効いたリビングから、暖房の届かない廊下や別の部屋へ自由に行き来できるようにしておく、といった配慮が有効です。

猫の体温調節機能や健康状態については、専門的な知識も非常に重要です。ペットの健康管理に関する信頼できる情報源として、例えば公益社団法人日本獣医師会のウェブサイト(https://www.nichiju.or.jp/)などで公開されている情報を参考にすることも、飼い主としての知識を深める上で役立ちます。

また、猫の年齢や健康状態によっても、最適な設定温度は変わってきます。以下に目安をまとめてみました。

猫の年齢・健康状態別 推奨室温の目安

猫の状態推奨室温の目安注意点
健康な成猫20~25℃猫が自分で場所を選べるように、室内に温度差を作ってあげると良いでしょう。
子猫(生後半年未満)25~28℃体温調節機能が未熟なため、少し高めに設定します。ペットヒーターなどを併用し、母猫の温もりに近い環境を作ってあげてください。
高齢猫(シニア)23~26℃代謝が落ち、体温調節機能が衰えてくるため、成猫より少し暖かめを意識します。関節炎などを患っている場合は、体を冷やさない配慮が特に重要です。
病気や療養中の猫獣医師に要相談疾患によっては体温調節が難しくなっている場合があります。必ずかかりつけの獣医師に相談し、その子に合った最適な温度を指示してもらいましょう。

あくまでこれは目安です。最終的には、あなたの愛猫の様子をよく観察することが一番の答えになります。猫がリラックスして体を伸ばして寝ていれば快適な証拠。逆に、小さく丸まっていたり、震えたりしていれば寒いサインです。日々のコミュニケーションの中で、その子だけの「快適な設定温度」を見つけてあげてください。

夜の暖房つけっぱなしは危険?留守番中の注意点と安全対策

「猫のために、夜も留守番中も暖房つけっぱなしにしています」という飼い主さんは非常に多いでしょう。その優しさは素晴らしいものですが、一歩間違えると、その優しさが思わぬ危険を招く可能性も潜んでいることを、私はどうしてもお伝えしなければなりません。

これは、私がまだ若手だった頃に経験した、忘れられない失敗談です。ある冬の寒い日、担当していたシニアの猫「タマ」の飼い主さんから、「タマがぐったりしている」と緊急の連絡が入りました。急いで往診すると、タマは確かに元気なく横たわっています。部屋はポカポカと暖かく、飼い主さんは「寒くないように」と、電気ストーブをタマのお気に入りのベッドのすぐ近くにつけっぱなしにしていたのです。診察の結果、タマは深刻な脱水症状を起こしていました。幸い、点滴治療で事なきを得ましたが、あの時もし発見が遅れていたら…と考えると、今でも背筋が凍る思いがします。

この経験から学んだのは、暖房つけっぱなしには、寒さとは別の3つの大きなリスクが伴うということです。

  1. 低温やけど: 猫は人間よりも皮膚が薄く、熱さにも鈍感なところがあります。ホットカーペットや電気ストーブなど、同じ場所が長時間熱くなり続ける暖房器具の上で寝てしまうと、本人が気づかないうちにじっくりと皮膚の奥深くまで火傷を負ってしまう「低温やけど」のリスクが非常に高いのです。
  2. 脱水症状・熱中症: 暖房が効きすぎた部屋では、空気が乾燥し、猫の体から水分がどんどん奪われていきます。特に、腎臓の機能が低下しがちなシニア猫は脱水症状に陥りやすく、命に関わることもあります。冬場でも熱中症になる可能性はゼロではありません。
  3. 火災のリスク: ストーブの前に猫が毛布を運んできてしまったり、こたつのコードをかじってしまったり。猫の予期せぬ行動が、火災の原因になることも考えられます。飼い主が眠っている夜や、誰もいない留守番中は、特に注意が必要です。

こうしたペットが関わる暖房器具の事故については、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のウェブサイト(https://www.nite.go.jp/)でも、具体的な事故事例と共に注意喚起がなされています。安全対策を考える上で、一度目を通しておくことを強くおすすめします。

では、どうすれば安全に暖房をつけっぱなしにできるのでしょうか。答えは、「暖房器具の正しい選択」と「環境づくり」にあります。

  • 安全な暖房器具を選ぶ: エアコンやオイルヒーター、パネルヒーターのように、表面が高温にならず、部屋全体をじんわりと暖めるタイプが最も安全でおすすめです。タイマー機能やサーモスタット(温度を自動で調節する機能)が付いているものを選びましょう。
  • 直接熱源に触れさせない: ストーブやファンヒーターを使う場合は、必ず柵などで囲いをし、猫が絶対に近づけないようにしてください。
  • 湿度を保つ: 加湿器を使ったり、濡れタオルを干したりして、部屋の湿度を50~60%に保ちましょう。猫の呼吸器を守り、脱水症状を防ぐ効果があります。
  • 新鮮な水を常に用意する: いつでも新鮮な水が飲めるよう、水飲み場を複数箇所に設置してあげることも大切です。
  • 逃げ場を作る: 前の章でも触れましたが、暖房の効いていない涼しい部屋や廊下へ、猫が自由に行き来できるようにしておくことが、何よりも重要な安全対策となります。

優しさと知識は、セットであって初めて意味を成します。愛猫への愛情が裏目に出ることのないよう、これらの安全対策をぜひ徹底してください。

気になる電気代は月々いくら?つけっぱなしでも節約するコツ

安全対策は万全にしたい。でも、やっぱり気になるのは電気代ですよね。「猫のためとはいえ、冬の間の電気代の請求書を見るのが怖い…」という声も、本当によく耳にします。暖房を24時間つけっぱなしにした場合、電気代は一体いくらになるのでしょうか。

まず、電気代の基本的な計算方法を知っておきましょう。これは意外と簡単です。

電気代の計算式消費電力(kW) × 使用時間(h) × 1kWhあたりの電力量料金(円)

例えば、消費電力が1000W(=1kW)のエアコンを、1kWhあたり31円の契約で24時間つけっぱなしにしたと仮定します。

計算例1kW × 24時間 × 31円 = 744円(1日あたり)744円 × 30日 = 22,320円(1ヶ月あたり)

もちろん、これはあくまで最大出力で運転し続けた場合の単純計算です。最近のエアコンは性能が良く、設定温度に達すれば運転をセーブするため、実際の電気代はこれよりも安くなります。それでも、かなりの負担になることは間違いありません。

暖房器具によっても電気代は大きく異なります。一般的に、部屋全体を暖めるエアコンやオイルヒーターは電気代が高くなる傾向にあり、ホットカーペットやこたつのように部分的に暖める器具は比較的安価です。しかし、安全性や猫の快適性を考えると、一概に安いものが良いとは言えません。

そこで、私が30年の経験の中で実践してきた、つけっぱなしでも電気代を賢く節約するコツをいくつか伝授しましょう。これらを実践するだけで、月々の電気代は驚くほど変わってきます。

  • 断熱対策を徹底する: どんなに暖房を頑張っても、熱が外に逃げていては元も子もありません。窓に断熱シートを貼る、厚手のカーテンに替える、ドアの隙間に隙間テープを貼る。これだけで、暖房効率は劇的に向上します。特に窓からの冷気は強力なので、まずはここから対策するのがおすすめです。
  • 湿度を味方につける: 同じ室温でも、湿度が高い方が体感温度は暖かくなります。加湿器を使って湿度を50~60%に保つことで、暖房の設定温度を1~2℃下げても快適に過ごせます。たった1℃下げるだけで、エアコンの電気代は約10%も節約できると言われています。
  • サーキュレーターで空気を循環させる: 暖かい空気は上に溜まりがちです。サーキュレーターを使い、天井に向けて風を送ることで、部屋全体の空気が循環し、温度ムラがなくなります。結果的に、エアコンが効率よく運転できるようになり、節約に繋がるのです。
  • エアコンのフィルターをこまめに掃除する: フィルターが目詰まりしていると、暖房効率が著しく低下します。2週間に1回は掃除をするように心がけましょう。これだけで消費電力を5~10%削減できるというデータもあります。
  • 電力会社やプランを見直す: 意外と見落としがちなのが、契約している電力会社や料金プランです。特に、夜間の電気代が安くなるプランなどを利用すれば、夜通し暖房を使う場合の負担を大きく軽減できる可能性があります。

Q&A:電気代に関する追加の質問

質問回答
Q1: エアコンはつけっぱなしの方が、こまめに消すより安いと聞きましたが本当ですか?A1: 30分程度の短い外出であれば、つけっぱなしの方が安い場合があります。エアコンは起動時に最も電力を消費するため、オンオフを繰り返すと逆に電気代が高くなることがあるからです。1時間以上の外出であれば、消した方が経済的でしょう。
Q2: 一番電気代が安い暖房器具は何ですか?A2: 消費電力だけで見れば、電気毛布やあんか、猫用のホットカーペットなどが安価です。ただし、これらはあくまで補助的な暖房と考えるべきです。部屋全体の温度が低すぎると、猫の健康リスクは避けられません。メインの暖房と組み合わせて使うのが賢い選択です。

これらの節約術は、いわば「守りの一手」です。しかし、時には「攻めの一手」、つまり暖房以外の方法を考えることも重要になってきます。次の章では、そのあたりを詳しく見ていきましょう。

猫の冬に!暖房つけっぱなしの代わりになるおすすめ寒さ対策

ここまで読んで、暖房の重要性と共に、電気代や安全面での課題も感じているかもしれません。そこで重要になるのが、暖房だけに頼らない、複合的な寒さ対策です。賢い飼い主は、暖房を「ベース」と考え、そこに様々なアイテムを「トッピング」することで、より安全で経済的、そして猫にとって快適な環境を作り出しています。いわば、暖房つけっぱなしの「代わり」というよりは、「相棒」を見つけてあげるイメージです。これらの対策を組み合わせることで、暖房の設定温度を少し下げることができ、結果的に電気代の節約にも繋がります。次の章では、私が長年の経験から「これは間違いない」と太鼓判を押す、具体的なおすすめグッズを厳選してご紹介しましょう。

代わり

おすすめ

暖房なし

北海道

  • 暖房なしで猫は冬を越せる?寒さがもたらす3つのリスク
  • 暖房の代わりにもなる!猫におすすめの安全なあったかグッズ3選
  • 厳しい寒さの北海道の冬はどうする?猫のための特別な防寒術
  • 猫の冬の暖房つけっぱなし問題!安全に過ごすための総まとめ
もこもこねこちぐら

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暖房なしで猫は冬を越せる?寒さがもたらす3つのリスク

ここまで暖房の重要性をお話ししてきましたが、それでも「できることなら暖房なしで過ごしたい」「うちの猫は毛がフサフサだから大丈夫では?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。その気持ちもわかりますが、私は専門家として、安易な「暖房なし」という選択には断固として警鐘を鳴らします。

あれは、まだ私がこの仕事を始めて間もない、20代の頃の苦い失敗談です。当時飼っていた雑種の猫「クロ」は、立派な長毛でいかにも寒さに強そうでした。11月に入り、少し肌寒くなってきたある夜、「まだ大丈夫だろう」と油断して暖房をつけずに寝てしまったのです。翌朝、いつもなら足元で寝ているクロの姿がありません。探してみると、クローゼットの奥で、タオルにくるまってブルブルと小さく震えていました。そして、ケホッケホッと乾いた咳を連発。慌てて動物病院に駆け込んだ結果、診断は「猫カゼ」。幸い軽症で済みましたが、獣医師からは「体を冷やしたのが引き金になったのでしょう。長毛でも油断は禁物ですよ」と厳しく諭されました。自分の過信が、愛猫を苦しめてしまった。あの時の罪悪感と後悔は、今でも鮮明に思い出せます。

この経験から、私は身をもって学びました。暖房なしで猫を冬に過ごさせることには、明確な3つのリスクが存在します。

  1. 低体温症: 猫の体が冷え、平熱(38℃台)を維持できなくなると、低体温症に陥ります。初期症状は震えや元気の消失ですが、進行すると意識が朦朧とし、呼吸や心拍が遅くなり、最悪の場合は命を落とします。特に体力のない子猫やシニア猫、病気の猫は非常に危険です。
  2. 免疫力の低下と感染症: 体温を維持するために、猫の体は多くのエネルギーを消費します。その結果、免疫力が低下し、普段なら問題にならないようなウイルスや細菌にも感染しやすくなります。私のクロが罹った猫カゼ(猫ヘルペスウイルス感染症など)はその典型例です。一度罹ると、ウイルスが体内に潜伏し、体力が落ちた時に再発を繰り返すこともあります。
  3. 泌尿器系疾患のリスク増大: 寒いと、猫は動くのが億劫になり、水を飲む量やトイレに行く回数が減る傾向があります。飲水量が減るとおしっこが濃くなり、膀胱炎や尿石症といった泌尿器系の病気を発症するリスクが格段に高まります。これは、猫の死因としても常に上位に挙げられる、非常に恐ろしい病気です。

もちろん、真冬でも比較的温暖な地域や、気密性の高いマンションの高層階などで、室温が常に18℃以上を保てるような環境であれば、必ずしも24時間暖房が必要とは限りません。しかし、多くの場合、特に朝晩の冷え込みが厳しい日本の冬において、暖房なしで猫を過ごさせるのは、これらのリスクを猫に背負わせることに他ならないのです。

暖房の代わりにもなる!猫におすすめの安全なあったかグッズ3選

ここでは、暖房の効果を最大限に高め、かつ猫自身の快適性を向上させる、安全で優れたあったかグッズを3つ、私の独断と偏見も交えながらランキング形式でご紹介します。それぞれのメリット・デメリットも併記しますので、あなたの愛猫の性格やライフスタイルに合わせて選んでみてください。

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厳しい寒さの北海道の冬はどうする?猫のための特別な防寒術

さて、ここで少し視点を変えて、日本で最も冬の寒さが厳しい地域、北海道の猫たちはどのように冬を越しているのか、というお話をしましょう。私は仕事で何度か北海道を訪れ、現地の獣医師や飼い主さんと情報交換をする機会がありましたが、彼らの寒さ対策は、本州の私たちの想像を一段も二段も超えるものでした。

北海道在住の友人、佐藤さん(仮名)は、3匹の猫と暮らしています。彼の家は、まさに猫のための要塞のようでした。まず驚いたのが、窓が全て「二重窓(ペアガラス)」だったこと。これは北海道では標準装備に近いそうですが、外のマイナス20℃の冷気をシャットアウトする効果は絶大です。さらに、壁には厚い断熱材が使用され、床は家中どこを歩いてもほんのり暖かい床暖房が完備されていました。

「こっちでは、人間も猫も、建物自体の性能で冬を越すのが基本なんだよ」と佐藤さんは笑います。「エアコン暖房だけじゃ、とてもじゃないけど追いつかないし、電気代も天文学的な数字になっちゃうからね。家をしっかり暖かくして、その上で猫のためにホットスポットを用意してあげる感じかな」。

彼の話から学べるのは、「環境そのものを冬仕様に最適化する」という視点です。北海道ほどの設備は難しくても、私たちにできることはたくさんあります。

  • 窓対策: 前章で紹介した断熱シートに加え、厚手のカーテンを床まで届く長さにし、冷気の侵入を物理的にブロックする。
  • 床対策: フローリングには、アルミシートの上にラグやカーペットを敷く。これだけで床からの底冷えはかなり軽減できます。
  • 隙間対策: 古い家屋の場合、ドアや壁の隙間から冷たい隙間風が入ってきます。ホームセンターで手に入る隙間テープなどで、徹底的に塞ぎましょう。
  • 猫の寝床: 猫のベッドは床に直接置かず、少し高さのある段ボール箱の中に入れたり、棚の上に置いたりするだけで、冷たい空気層から遠ざけることができます。

北海道の知恵は、家の気密性・断熱性を高めることが、最も効果的で経済的な寒さ対策であることを教えてくれます。暖房器具に頼る前に、まずは熱が逃げる原因を一つずつ潰していく。この地道な作業こそが、愛猫と快適な冬を過ごすための最短ルートなのかもしれません。

猫の冬の暖房つけっぱなし問題!安全に過ごすための総まとめ

猫の冬と暖房を巡る旅も、いよいよ終着点です。これまで、暖房の必要性から適切な設定温度、危険性、電気代の節約術、そして暖房以外の対策まで、私の経験の限りを尽くしてお話ししてきました。

最後に、これだけは心に留めておいてほしい、最も重要なメッセージをお伝えします。それは、「あなたの猫を、世界で一番よく知る専門家は、あなた自身である」ということです。

この記事で紹介した20〜25℃という設定温度も、おすすめのグッズも、あくまで一般的な目安にすぎません。あなたの愛猫は、もしかしたら26℃が一番好きかもしれない。あるいは、高価なドーム型ベッドより、あなたが着古したセーターの上が何よりのお気に入りかもしれません。大切なのは、情報を鵜呑みにするのではなく、あなたの目で愛猫をしっかりと観察し、その子だけの「正解」を見つけてあげることです。体を丸めていないか、食欲は落ちていないか、元気に遊んでいるか。日々の小さなサインを見逃さないでください。

冬は、猫にとっても飼い主にとっても、少しだけ注意が必要な季節です。しかし、見方を変えれば、寄り添い、温め合う時間が増える、とても素敵な季節でもあります。暖房を正しく使い、安全な環境を整えることは、愛猫への最高のプレゼントになるでしょう。そして、その知識は、万が一の災害時など、予期せぬ事態においてもきっとあなたと愛猫を守る力となります。

この冬が、あなたと愛する猫にとって、これまでで一番温かく、幸せな季節になりますように。さあ、まずは難しく考えずに、室温計を手に取ってみませんか。そして、あなたの猫が今、一番多くの時間を過ごしている場所の温度を測ることから始めてみましょう。それが、最高の冬への第一歩になるはずです。

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